作品感想集
ヒーロウ・イン 著:アンデッド
二十八歳。現実に絶望した生活保護受給中の男が主人公のヒーローもの。
ここから感想。
とりあえず、第一章まで読んで区切りが良いのでそこまでの感想を。
まず、一話二話で驚いたのがほとんど一人称視点の地の文だけで構成されていること。基本的にライトノベルは会話ににげがち、というか会話主体で構成されていることが普通だ。けれど、この作品はほとんど地の文で構成されている。
第三話以降は登場人物も増え、会話文も増えていくが定期的に主人公の思考シーンが入るので、彼が何を考えて動いているのかが非常に分かりやすい。
また、明確な伏線には分かりやすく傍点がつけてあり、普通に読んでいれば重要なシーンは見落とさないようになっていて、非常に参考になった。
基本的に小説の伏線というのは隠すのが難しく、逆に隠しすぎるとそもそも読者の視界に入ってくれない、という葛藤に悩まされるのがほとんどだが、この作品ではいっそ清々しく、ここが伏線だからぜひ推理してねと言わんばかりだった。
私もならって傍点をつけてみたがどうだろうか。目立っているだろうか。
また、地の文で構成されているこの作品では記号マークを使った(例えば!や?など)感情描写が非常に目立っていた。
この方法だと主人公の感情がそのままダイレクトに読むことが出来る。
長ったらしい文章で感情を描くより、疾走感を出すにはこういった手法の方がよさそうだな、と感心させられた。
とりあえず、完走した感想はこんなものだろうか。
以下、内容の感想を。ネタバレ含む。
まだ第一章の内容までしか読了していないため、物語の核心には至っていないことを前提として書く。
まず始めにいいな、と思ったのが設定である。主人公が特殊能力を持っていないヒーローもの。これだけでなんだか面白そうな感じがしてくる。怪人を倒すためには主人公側の工夫が必要であり、読者は「どうするんだろう……?」と考えるのがだいご味だ。まだ、怪人を倒すには至っていないためどのような方法をとるかは分からないが、常に出てくるスーパーなどがかかわってくるのかな、というのが私の予測だ。
また、主人公がきちんと努力している描写を欠かしていないのが好印象だった。こういうヒーローもので主人公の力ではなく、周りが勝手に解決してしまう、みたいな展開のものがあるがそれは見ていてあまり気持ち良いものではない、と私は思う。
ここ、大事だ。
別にその展開が悪いのではない。単純に好みではないという話だ。主人公が解決してないのであれば、評価は主人公ではなく解決した本人に行くべきだ、と考えているのが大きい。しかし、逆にそれを逆手に取るのでは面白い、と感じてしまうから難しい話だ(ワンパンマンのキング等)。
まあ、結局何が言いたいのかというと先が楽しみだな、ということ。
完結を楽しみにしている。
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054890791016
作者URL:https://kakuyomu.jp/users/undead
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