その37

星川合衆国空軍 “チョップスティック・フライト”


“チョップスティック・アルファ・フライト”一番機、MC-130Jのコックピットでは、徳永中佐がコックピット中央のMDFに表示された編隊僚機のシンボルをチラリと見て、ゆっくりと右に旋回を始めた。旋回が終われば、その先はホルモン・スモークだった。

“チャーリー・フライト”1番機のMC-130Jが撃墜された時はショックを受けたが、今の徳永中佐は、編隊の再編成に忙しく撃墜された仲間たちのことを考えている余裕はなかった。

徳永中佐は、特に1番機を失った“チャーリー・フライト”が心配だった。データリンクで結ばれているのは、それぞれのフライトの1番機を務める15SOS(第15特殊作戦飛行隊)のMC-130Jだけ。EMCON(電波輻射管制)を破って無線で“チャーリー・フライト”を直接指揮しようとも考えた。

だが、やめた。

このような事態も想定した綿密なブリーフィングを何度も積み重ねてきたのだから“チャーリー・フライト”2番機の機長を信頼しよう。それに“チョップスティック・フライト”の最後尾を飛ぶ“デルタ・フライト”からは何も言ってこない。旋回を開始したら、機首に装備したFLIR(赤外線センサー)で後に続く編隊僚機を確認しよう。徳永中佐は、そう考えた。

「コンバット(CSO:戦闘システム管制官)、旋回を開始した。FLIRで編隊を確認しろ。全部ついてきているか?」

「スタンバイ……合計10機、きれいについてきています」

「おっと、キャプテン、ブルー・ドラゴンから降下開始を30分遅らせる命令が来ました。我々が報告したETA(到着予定時刻)に合わせるようです」コックピットの後ろに座るコンバットはそう報告すると、現在の地点からホルモン・スモークまでの正確な所要時間を再計算した。


徳永中佐の1センチほど後方のキャビンでは、3/75Ranger アルファ中隊長・上沼大尉がホルモン・スモーク内部の地図とメモを見ながら顔をしかめていた。

“チャーリー・フライト”1番機には大隊の主要将校が搭乗していたため、一挙に大隊ナンバー2からナンバー4を失ったのである。

大隊S-2・横田少佐(情報担当)、大隊S-6西橋少佐(訓練担当)だけでなく、当初上沼大尉と一緒にこの機に搭乗する予定だったS-3兼副大隊長・松沼少佐(作戦担当)までも横田少佐と打ち合わせをするために“チャーリー・フライト”1番機に搭乗していたのである。

このため、大隊ナンバー2は上沼大尉となった。上沼大尉はアルファ中隊の指揮だけでなく大隊長・青柳中佐の補佐をしなければならない。これまで他中隊の細かな任務まで把握していなかった上沼大尉は、他中隊の任務を細かく見直して見落としがないかメモをみながら作戦計画書のページをめくっていった。

その時、機内スピーカーから徳永中佐の声が響いた。「諸君、ブルー・ドラゴンから降下開始時間が30分遅れるほかは計画どおり遂行せよとの命令を受領した」

この知らせを聞いた上沼大尉は、座席のシートベルトを外してコックピットに向かった。

「30分遅れで続行ですか」上沼大尉は、コンバットの隣に立って徳永中佐に話しかけた。

「やあ、大尉、遅れて申し訳ない。経路の安全確保と編隊の再編成に時間がかかった。我々は1機失ったが、ブルー・ドラゴン司令部はいけると判断したようだな」MDFの薄暗い明かりに照らされた徳永中佐の顔は、相変わらず無表情だった。

「やるなといわれてもやるつもりですよ。仲間の仇も取らなければ気がすみません」

「冷静にな、大尉、冷静にな」

「ありがとうございます。冷静ですよ。安心してください」

「わかった。大尉、あと10分ほどで低高度に降下する。この風だ、低高度ではだいぶ揺れるぞ。今のうちに装備の点検を始めたほうがいい。それと、少し早めに降下準備のシグナルを出す。我々は君たちを必ず目的の場所まで届ける。がんばれよ」徳永中佐はそう言って右手を差し出した。

「ありがとうございます。帰りは必ず迎えに来てくださいよ。まっています」上沼大尉は、徳永中佐の右手を握った。

「全員生きて俺の機に戻って来いよ! 約束だぞ!」徳永中佐は心の中で叫んだ。




星川海軍 F-14D×2機“ロストル・アルファ”編隊


加藤中佐が操縦するF-14D“ロストル001”は、ホルモン・スモークの西約1キロの地点で敵の警戒に当たっていた。周辺は稲刈りを終えて水が干上がった水田が広がり、ホルモン・スモークとの間には小さな集落があってホルモン・スモークの屋根に設置されたレーダー波を遮ってくれる絶好の場所だった。

なぜこの場所が警戒地点となったのか? それは、酒匂に気付かれずにホルモン・スモークと行き来できる連絡線はホルモン・スモークの北西方向にしかなく、周辺が水田で敵を発見しやすい場所はここしかなかったからである。加藤中佐は、敵が動けば必ずこの周辺を飛行するはずだと考えていた。


加藤中佐は、2番機の“ロストル002”が編隊の定位置にいることを確認すると、警戒地点を離れないように左旋回を開始した。

「おっと、ボス、ストップターン! IRST(赤外線捜索追尾システム)が何か見つけました。1時の方向、高度わずかに高い、ESM反応なし。何だ?」RIO・中野少佐は機首の下に装備されたIRSTと並んで装備されているTCS(テレビカメラセット)の映像も見ながら探知目標を識別しようとした。IRSTだけでは目標を識別できない。

「目標の正面に向けるぞ」加藤中佐は、わずかに右に旋回した。

「ダメですね。もう少し近づかないと識別できませんが、こちらに向かってきます」

「付近に行動中のブルー(味方)はいないな」

「いません」

「リンクはアップされたか?」

「OK。2(ロストル・アルファ・フライト2番機“ロストル002”)も認識しました」

「レーダー・アクティブ SIF(敵味方識別装置)チャレンジ」

中野少佐はレーダーをアクティブにすると、レーダー・モードをNCTR(非協力的目標識別)にしてレーダー波の解析をおこなった。

レーダーは、正面から来る目標のエンジン部分を解析して、これがIl-76であると判定した。


榎本中佐が、鼻の効く加藤中佐に期待してホルモン・スモーク周囲の偵察を頼んだのだが、それは、香貫の戦闘機を探し出して輸送機を守ることだった。ところが、加藤中佐は香貫の増援部隊を運ぶ輸送機を見つけ出した。


「探知……目標Il-76、SIF応答なし。敵です」

「2にフェニックスで同時攻撃すると伝えてくれ」

「ラジャー……指示完了」

「目標ロック、こちらで撃ちますよ」中野少佐はミサイルの発射ボタンに手をかけた。

“ロストル001”の胴体下部から1発のAIM-54C++空対空ミサイルが切り離された。ミサイルは1センチほど落ちたところでロケット・モーターを点火し、夜でもはっきりわかる白い煙を吐きながらまっすぐ上昇していった。

2番機の“ロストル002”のAIM-54C++も、母機から切り離されると同じように上昇していった。

目標であるIl-76との距離が近いため2発のAIM-54C++は、自身の燃料を使い切る前にIl-76に到達した。

2個の小さな火の玉に続いて、大きな火の玉が加藤中佐の目に映った。


Il-76のパイロットは二人とも焦っていた。星川が攻めてくる前に援軍を運び、R38基地に到着したならば、核弾頭を速やかに搭載してS33基地に戻らなければならない。低高度を物陰に隠れながら飛行している余裕はなかった。

加えて、F-14DのAN/APG-77レーダーはLPI(低被探知)機能を備えレーダーであったため、Il-76はF-14Dのレーダー照射を探知できず、AIM-54C++は上から落ちてきたのでミサイルの吐く白い煙を見たときはすでに爆発の直前だった。

AIM-120の8倍以上の重量を持つ強力な弾頭を備えたAIM-54C++は、Il-76に衝突する直前に爆発した。2発目もほぼ同時に爆発した。ミサイルの爆発に続く機体の爆発は、乗員が対処するような時間的余裕を与えなかった。

到着が遅れていた第331親衛パラシュート降下連隊第1大隊第2中隊と貴重な迫撃砲小隊を乗せたイリューシンIl-76MDは、彼らと共に粉々になって伊勢原の干上がった水田に落ちていった。

そして、このことは香貫軍の誰も知らなかった。


やっぱりボスは鼻が利く。どんなに優れた作戦を立てたところで敵に先回りされたんじゃ勝てねぇ。ボスを相手にしたら敵もたまったもんじゃねえな。いずれにせよ、今、ホルモン・スモークに行こうとする輸送機は、何だかの増援であることに間違いない。勝敗の行方を左右するような戦果かもしれん。MDFで状況を確認していた榎本中佐はそう思った。




星川合衆国空軍 RC-135W“グリルネット45”


「中佐、こちらに来てください」無線を傍受していたオペレータの一人が、ミッション・コマンダーである中佐を呼んだ。

「見つけたか」ミッション・コマンダーは、自分を呼んだオペレータの隣に立った。

香貫の方言とロシア語が専門のそのオペレータは、音声が録音された記憶装置を操作しながら「探しているお宝を見つけましたよ」といって、録音した音声を再生した。


―――燃料計がゼロになっても15分は飛べるはずよ。あなたの前に私がつけるわ。私についてきなさい。わかったわね―――

―――ダース(了解しました)―――


目をつぶって声に集中していたミッション・コマンダーが言った。「女性の声だな」

「どの国にも女性の戦闘機乗りくらいいるでしょ。この声の主は、明らかに香貫山コロニー出身者のイントネーションです。“ダース”はロシア語。使用周波数は香貫空軍が通常使用する戦術通信系と合致、秘匿コードも今日傍受したコードと同じ、香貫の人間に間違いありません」オペレータは断言した。

「位置は特定できたか?」

「現在位置から099度0.92マイルです」

「データをまとめてくれ、コブラ・ウェーブで私がブラボー・デルタ・オスカー(BDO:ブルー・ドラゴン作戦のコード名)に送る」ミッション・コマンダーはそう命じると、機体前方に設置された最高の秘匿通信が可能な通信室に向かった。

我々が、香貫軍の秘匿コードを解析して通常の音声として聞き取っていることを知られるわけにはいかない。経験豊富なミッション・コマンダーでさえも、最高の秘匿通信であるコブラ・ウェーブを使用したことは過去に1回しかない。彼は、通信の手順を頭の中で思い出しながら、搭乗しているクルーの中でも特別な許可を持つものしか入れない通信室に入った。




香貫公国軍 魔女の食事作戦部隊 井崎コロニー


井崎コロニーの屋根裏に空けられた大きな穴から、1機のMiG-31Mが入ってきた。出力を落として着陸進入するMiG-31Mのエンジン音は、強い風にかき消され木下大尉や美代のいる運航事務所にまでは聞こえなかった。

初めて見る戦闘機が突然進入してきたことに美代は驚いた。

「あれが、あなた方の戦闘機?」

木下大尉は、無線機で整備員を呼び出して決められた場所にMiG-31Mを駐機させるように指示すると、美代に向かって言った「そうです。これからもっと降りてくるはずです。出撃した全機が、ここにたどり着いてくれればいいのですが」

「心配? やさしいのね」この人は、本当に軍人なのかしら? 美代はそう思った。

「やさしいわけではありません。私は、私自身命がけの戦いができるのかわかりません。軍人なのにね。でも、彼らは命がけで戦っている。私は、そんな彼らを尊敬しているというか、立派だなと思っているんです」

はにかみながら話す木下大尉に美代はほほ笑みながら言った。

「あなたには勇気があるわ。だって、このコロニーが安全だと知って来たの? 違うでしょ。もし好戦的なコロニーだったら撃ち合いになっていたかもしれないじゃないの。それでもあなたは来たじゃない」

「命令ですからね」

「自分が死ぬかもしれないのに命令? ばっかみたい」

「私は航空管制官である前に香貫の軍人です。でも、航空管制官である以上、安全な航空機の運航に一役買えればいいかなと……ほら、また来ましたよ」木下大尉はそう言いながら双眼鏡を手に取った。

美代は、そんな木下大尉を見つめた。


最初に着陸したのは、AWCSを最初に攻撃した“青の6番”のMiG-31Mだった。

4分後、“青鷹”編隊のMiG-31Mが4機着陸してきた。

無事に着陸した4機のMiG-31Mは、格納庫前のエプロンでエンジンを停止させると、コロニーの中は風の音だけになった。

MiG-31Mを降り立った長沢中佐ら10名の戦闘機乗りは、その場を離れることなく輸送機を攻撃にいった“衝撃”編隊と、“白バラ”編隊が来るのを待った。

彼らは一様に押し黙っていた。AWCSの攻撃には成功したが、輸送機を攻撃する“白バラ”が攻撃を中止するとの無線を聞いていたからである。攻撃の成果や被害があったのかさえ彼らは知らなかった。


ほどなく、“白バラ”編隊のSu-27SMが滑走路に進入してきた。

最初のSu-27SM“白の4番”は、コロニーに進入したときは燃料切れでエンジンが停止していた。それでも見事に着陸した“白の4番”は、惰性で滑走路の外に出たが、5センチほど誘導路に入ったところで止まってしまった。

続く“白の6番”は、着陸まではエンジンが生きていたものの、誘導路に入ったところで同じく燃料切れでエンジンが停止した。大型旅客機用に作られた道幅の広い誘導路であっても、大型戦闘機が2機平行に止まっていては続く“白バラ”編隊のSu-27SMは通れない。

「いかん」木下大尉は、滑走路の端で警戒に当たる空挺隊員を無線で呼び出すと「止まっている戦闘機を車のライトで照らすんだ。後続機が衝突してしまう」と言って滑走路の反対側を見ると次のSu-27SMが進入してきた。「いそげ! あと10機だ」

美代の動きも早かった。「救難班長! 聞いてる! あと10機も降りてくるわ。赤色灯と、作業灯を点けて最後に降りた飛行機の前方に出てちょうだい」とマイクに叫んだ。

「ありがとう」木下大尉は美代にほほ笑んだ。

「安全な航空機の運航に一役買おうと思っているのは、あなただけじゃないわよ」美代もほほ笑んだ。

そうしている間に“白バラ”編隊のSu-27SMはすべて着陸した。

5機のSu-27SMは滑走路内で停止することになったが無事だった。

「でも、あとの4機はどうなったの?」

「ぼくにもわからない。もうそろそろ燃料がなくなるんだが」木下大尉は4機の“衝撃”編隊が撃墜されたことを知らない。「進入方向指示灯は点いている。ここの機器に異常がなければ場所はわかるはずなのに」木下大尉は胸騒ぎを覚えた。


長沢中佐ら10名の戦闘機乗りは、滑走路の端で止まるSu-27SMに向かって走り出した。攻撃はどうなったのか。それよりも姿を現さない4機の“衝撃”編隊が気になった。


先頭を走る長沢中佐の横に、清水大佐を乗せたUAZ-469軍用4輪駆動車が追いついた。「乗ってください」清水大佐は、窓を開けて清水大佐を車に招いた。

「二人乗ります」長沢中佐は息を切らせながら「小柳! 一緒に来てくれ。あとは戻って次の出撃準備と情報の奴らに飛行後ブリーフィングしておくんだ」と言ってUAZ-469のドアを開けると素早く乗り込んだ。

長沢中佐の部下たちは黙って頷くと、走り去るUAZ-469を見送った。


長沢中佐は、車内に入るなり「AWACSは撃ち落しましたが、輸送機に向かった“衝撃”と“白バラ”は、敵の反撃にあったようです」と言って、隣に座る清水大佐に報告をはじめた。

「あのAWACSを撃墜したのですか。おみごとです。“衝撃”編隊の状況と輸送機への攻撃成果が気になります」

「瀬奈中佐の“ショーは中止”との無線を聞いたので戻ろうと考えたのですが、すでにミサイルは1発もなく、燃料もビンゴ(帰投に必要な残燃料しかない状態)だったので、そのままここにきました」長沢中佐は、無念の表情をあらわして言った。

「元々そのような作戦だったのです。中佐に責任はない」


清水大佐らを乗せたUAZ-469は、ガス欠で停止した“白の4番”の手前で停止した。

乗るときと同じように素早く車を降りた長沢中佐は、滑走路に止まっているSu-27SMに向かって走り出した。瀬奈中佐はどこだ。

いた! Su-27SMを照らす車のヘッドライトを背に、優雅にこちらに向かって歩くシルエットが見えた。

飛行装備を身に着けていても、あの美しい体形は瀬奈中佐だ。長沢中佐は、シルエットだけで瀬奈中佐だとわかった。

「瀬奈中佐! 無事でなりよりだ」長沢中佐は、周りの喧騒に負けないように大声で瀬奈中佐に話しかけた。

「長沢中佐、ありがとう……“衝撃”編隊は4機とも戻らないわ」瀬奈中佐は話しながら目を伏せた。

「そうか……わかった。その時の状況は後で教えてくれ。星川の輸送機はどうなった?」長沢中佐がそこまで話すと、ちょうど清水大佐も追いついた。

「“衝撃”編隊は星川から攻撃を受ける前に3発のミサイルを撃ったわ。輸送機への攻撃はそれだけ。突然ミサイルが上から降ってきて4機ともやられた。型式不明の捜索レーダーは探知していたけどロックオンはされていなかったはず。その後星川は、輸送機と私たちの間に戦闘機を割り込ませようとしてきたわ。なので、増速して輸送機に向かおうと思ったら、今度は私たちの後方からミサイルを撃たれた。いきなりRWRにAIM-120が表示された。ロックオンされた形跡もなくね。これでは勝負にならないわ。四方を敵に囲まれてしまったし、あとは敵を振り切ることしかできなかった……“衝撃”編隊は最後まで立派だったわ……」

一瞬の間をおいて長沢中佐は言った「ありがとう。あいつらの最後がわかっただけで心が落ち着いた。この経験をふまえて次の対策を考えよう」

「私もそのつもりだわ」

二人の話を黙って聞いていた清水大佐は、「私はこの件を本部に報告してきます。君たちには別の車両をよこすので、それで運航事務所まで来てください……お二人とも、よくやってくれました……長沢中佐、“衝撃”編隊は残念だった」と言うと、UAZ-469に向かっていった。


清水大佐の報告を受けたR38基地の司令部掩体壕では、作戦担当将校の藤井中佐が「もう少しやれると思っていたんだがな。1機か2機の撃墜か」と言って悔しがった。

「AWACSを消せば統制がとれなくなると踏んでいたのだが、我々の予想に反して早く統制が回復したというところだろう。いずれにせよ敵の数は減ったのだ。良い方向に考えようじゃないか。藤井君」堀内少将も、内心は藤井中佐と同じ気持ちだったが、それは言えなかった。

間もなく星川はやってくる。そろそろみんなを配置に就ける時間だ。「藤井君、総員を配置に就けてくれ」堀内少将は椅子から立ち上がって命令を下した。

ブルー・ドラゴン部隊を迎え撃つ態勢は間もなく完了する。

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