その36
星川合衆国空軍 F-15C“ブッチャーナイフ・フライト”
“白バラ”編隊が第2ポイントに向きを変えたため、“ブッチャーナイフ”のF-15C 4機と“白バラ”のSu-27SM 8機は互いに正面から対峙する形となった。“白バラ”の後ろからは“ロストル・ブラボー”のF-14D 2機が追う。
ほぼ互角の勢力。さえぎるもののない高空や海上なら激しい空中戦が展開されただろう。だが“白バラ”は地を這うように飛んでいる。“白バラ”をレーダー探知しても建物や草の陰に隠れてすぐに探知を失ってしまう。ミサイルの発射に必要な情報が得られるまで探知を継続できない。仮にミサイルを発射できたとしても誘導を継続できないだろう。
「サノバビッチ!」“ブッチャーナイフ・フライト”編隊長・浜田少佐は、またそう毒づいた。敵の位置はおおむねわかるのに攻撃までには進まない。BSHでの戦いは、待ち伏せか後方からの接近戦が定石だが、すでに待ち伏せのタイミングは逸している。浜田少佐は、Su-27SMの編隊が自分たちの真下に入る直前に180度のロールをうって背面飛行の状態にすると、すかさず操縦桿を引いて乗機を降下反転させた。編隊僚機も同じ機動で浜田少佐に続く。
「電線に気を付けろ!」浜田少佐は道路から50センチほどの高さで降下を止めると、レーダーは逃げるSu-27SMを再び捉えた。捉えた機数は4機。残りの4機は、1区画ほど北側を逃げるのがデータリンクを通じてディスプレイに映りだされている。
北側の4機が我々の後方に回られるとマズイな。
浜田少佐がそう考えた直後、“トング・ノベンバー02”から“ブッチャーナイフ”は南側の4機、“ロストル・ブラボー”のF-14Dは北側の4機に対処せよとの指示をだしてきた。
「ありがとよ! 海軍さん」後方の心配が減った浜田少佐はそう答えると、スロットルを握る左手で兵器選択を近接戦闘用の赤外線誘導ミサイルAIM-9Xに切り替えた。
香貫公国空軍 “白バラ”編隊
「雲組と月組は次の角を右に曲がりなさい。空組と風組が正面からクロスする。その後は第2ポイントに向かうのよ。うるさいハエを追い払うわ」瀬奈ふぶき中佐は“白の1番”を左旋回させて、車一台分の幅しかない細い道に入った。
瀬奈中佐がIRSTを見ると、ちょうど雲組と月組のSu-27SMがこちら側に旋回してくるところだった。
「いいタイミング。みてらっしゃい」道路から10センチの高さで飛行する瀬奈中佐は、敵がレーダーで私たちを探知するよりもわずかに早くIRSTが敵を発見できると考えていた。そのわずかな差が生き残るチャンスを増やす。戦いの決着は燃料を補給してからにしましょう。
正面から来る雲組と月組の飛行高度は道路から20センチ。すれ違うときの高度差は10センチ。下は固いアスファルト。そして正面からは敵。「最高の演出ね」正面を見つめる瀬奈中佐は、そうつぶやいた。
細い道沿いのダイダラの民家
瀬奈中佐らが入り込んだ細い道沿いにあるダイダラの一軒家では、男が車を発進させようとしていた。
この男の趣味は磯での夜釣り。これから伊豆半島まで車でいくところだった。
この時間、半年前ならすでに釣りを始めている時間なのだが、真っ暗な磯で海に転落してからは夜釣りをやめていた。
あの時は1時間ほど沖に流されたが、潮が変わって陸に戻された。本当に運がよかった。
男は、暗い海で漂流したときの恐怖は忘れることはできなかった。それでも、釣りをやめられなかった。明るい時間なら足元も見えるし、転落しないだろう。今、出発すれば日が昇るころには着くはずだ。
男は車を発進させた。
香貫公国空軍 “白バラ”編隊
“ブッチャーナイフ”のF-15Cが角を曲がってきた。追われる雲組と月組のSu-27SMとは間もなくすれ違う。
もうすぐ撃てるわ。「飛んで火にいる夏の虫とは、あなたがたのことよ」瀬奈中佐は、ミサイルの発射に備えてトリガーに指をかけた。
その時だった。
右から巨大な物体がのしかかってきた。なに!?
瀬奈中佐は驚いたが、それも一瞬だけのことだった。
「右、自動車、左に退避!」瀬奈中佐は、スロットルを前方に押し出しながら操縦桿を左に倒した。「高度維持! すれちがうわよ!」
8機のSu-27SMは、自動車に押されるように道路の端に追いやられ、そこを高度差10センチですれちがった。無事にすれちがえたのは、半分が操縦技量、半分が運だった。
「このまま第2ポイントに向かいなさい!」操縦桿を持つ手が震えていることに気付いた瀬奈中佐は、その手に力を入れながら敵を探した。
星川合衆国空軍 F-15C“ブッチャーナイフ・フライト”
角を曲がり終えた浜田少佐は、先に角を曲がって見えなくなったSu-27SMをヘッド・アップ・ディスプレイ越しに目視で探した。
F-15CのAN/APG-63レーダーもSu-27SMを探した。
先にSu-27SMを再探知したのはレーダーだった。
レーダーは8機の戦闘機と路上に出てきた自動車を探知したが、空対空モードで作動中のレーダーは、巨大な自動車を無視してSu-27SMのシンボルだけをヘッド・アップ・ディスプレイに表示した。
それでも目の前に現れた自動車を見過ごすはずもない浜田少佐は、自動車の動きを見てどの方向に自動車を避けるべきかと一瞬考えた。
その時、自動車のヘッドライトがついた。
ヘッドライトに照らされた浜田少佐は、眩しくて何も見えなくなった。
自動車の出現には驚かなかった浜田少佐も、ヘッドライトによって何も見えなくなったことには驚いた。「上昇!」浜田少佐は叫びながら操縦桿を引いてF-15Cを急上昇にいれた。
星川海軍 F-14D×2機“ロストル・ブラボー”編隊
可変翼を後退させて矢じりのような形になった2機のF-14Dは、2メートルほどの高度で、じりじりと瀬奈中佐らの“白バラ”編隊に迫っていた。
「おっと! 車が出てきやがった」この高度なら車に衝突しない。車の上を30センチほどの間隔でかわせるはずだ。瀬奈中佐や浜田少佐のように車との衝突を気にしなくてよい渋谷大尉の関心は、8機のSu-27SMがどう動くかにあった。
渋谷大尉がオフェンスの時はデフェンスになる中山大尉は、正面から来る“ブッチャーナイフ・フライト”の動きに関心があった。敵は横に避けようとしているが“ブッチャーナイフ”は横に避けられないぞ……そうなると……まずい!
「左旋回、上昇! 急げ! ブッチャーナイフとぶつかる!」中山大尉はそう叫ぶと、急旋回により発生する高いGに備えて腹に力を入れた。
一瞬の間をおいて、事態を理解した渋谷大尉は、“ロストル009”を左上昇旋回に入れた。
“ロストル010”の緒方少尉は、“ロストル009”との相対位置が変わらないように上昇を始めた。ただ、相対位置だけに集中していると、あっという間に近づいて衝突してしまう。
「“9”をロックした。距離、1ポイント5」高Gに耐える石川少尉は、のどの奥から声を出した。高G機動中に機器を操作してロストル009”をロックオンするだけでも身体は悲鳴をあげる。それでも“ロストル009”との距離がわからなければ衝突してしまう。
こんな状態でキャノピー越しに下を覗くことは難しい。もし、下を覗いていたら石川少尉の心臓は縮んだはずだ。石川少尉のわずか2センチ下を“ブッチャーナイフ・フライト”のF-15Cが通過していったからである。
星川合衆国空軍 F-15C“ブッチャーナイフ・フライト”
すれ違うF-14Dに気がつかなかったのは“ブッチャーナイフ”のパイロットも同じだった。
車のヘッドライトの強い光をまともに浴びたパイロットの目は、暗い場所を飛行するF-14Dを発見できなかった。
高度が車の屋根を上回ったところで、レーダーが“ロストル・ブラボー”を探知し、ヘッド・アップ・ディスプレイに表示したのだが、その直後両者はすれ違いヘッド・アップ・ディスプレイの表示は一瞬にして消えた。
この混乱によって、星川軍はSu-27SMとの接触を失った。
“ブッチャーナイフ・フライト”も“ロストル・ブラボー”も、態勢を建て直して敵の大まかな移動方向、北西に機首を向けたときには何も探知できなかった。
それでも両編隊は、逃げたSu-27SMを求めて北西に急いだ。
星川合衆国海軍 VAW-114 E-2D“トング・ノベンバー02”
「完全にロストしました。ポイント・デフェンスに戻す潮時です。追い詰めたと思ったのですが」CICO(先任管制士官)の助言に榎本中佐は「よし、戻せ」と指示するとMFDに表示されたシンボルの一つをコツコツと叩いた。
「おい、CICO、すまんが“グリルネット”に繋いでくれ」
「はいどうぞ、チャンネル2、グリルネット45」CICOは、榎本中佐の要請に応じて特殊な偵察機に接続できる無線機の周波数を設定した。
星川合衆国空軍 RC-135W“グリルネット45”
ホルモン・スモーク(香貫のR38基地)の東北東5キロ、その上空150メートルを西に向けて飛行する4発の大型機があった。撃墜されたRC-135Vとほぼ同型の電子情報収集機RC-135W、コールサイン“グリルネット45”である。
“グリルネット45”には、12名のスクナビと1匹の軍用犬が搭乗していた。
最高機密の偵察機器を搭載したRC-135が星川の領空を出て飛行する際は、必ず2名の警備兵と軍用犬が搭乗する規則となっている。トラブルによって星川以外の空港に着陸した場合、機密の塊であるRC-135を防護するためである。
もちろん今回の搭乗員は正規兵のクルーで構成され、名誉将校は搭乗していない。
AWACSの撃墜は、クルーに大きな衝撃を与えた。だが、緊張が高まる地域での偵察任務を護衛なしで幾度もこなしてきた正規兵のクルーは、すぐに冷静にもどった。「安全な場所からいい情報なんか取れるもんか!」クルーはみなそう思っていた。
「さあ、AWACSをやった奴らがどこに行くか探ってみよう。デッキ、ヘディング0-3-0、全センサーを東に向けたい」偵察機器に囲まれたキャビン中央に座るミッション・コマンダーの中佐は、榎本中佐の要請を受けて彼らが見失ったSu-27SMを探すことになった。
これまで民間機を装って民間の航空路を飛行していた“グリルネット45”は、その装いを捨てて右に旋回しながら航法灯を消した。敵のSu-27SMに接近する恐れもあるが、わが身の安全よりも任務が優先する。それにSu-27SMはどこに行くのか? クルーはそのことに関心があった。
星川合衆国海軍 原子力航空母艦<カール・ビンソン>(CVN-70)ブルー・ドラゴン司令部
「結論から申し上げますと、この騒動があってもCASに常時3機オン・ステーション可能です(近接航空支援のため常時3機現場在空可能)。当初計画では常時2機オン・ステーションでしたので1機増えることになります」CVW-5留守番最先任のVFA-97飛行隊長・中西中佐は、ぶっきらぼうに報告した。
中西中佐の前にはチャートを広げたテーブルがあり、その向こう側に立つブルー・ドラゴン指揮官・岸本中将は大きく頷いた。
岸本中将の頷きを確認した中西中佐は続けた。「幸いなことに、この騒動に対処するため飛び立った航空機は全て古いF/A-18Cです。我々はこの古いF/A-18Cを“レガシー・ホーネット”と呼んでいますが……この“レガシー・ホーネット”は足が短いのでホルモン・スモークには投入しません。防空と空中給油のみに使っています。
ですが、レンジャーの降下開始時間が延びたために燃料が少なくなった機体があります。これらに対する給油と、空母打撃群のCAPの再編成、そして“トング・ノベンバー02”から要請があった相模川西岸の限定的な偵察を全て“レガシー・ホーネット”の2個飛行隊が行うため、どうしても今後3時間は常時3機オン・ステーションが限界となります」
「現状で降下前にこうむる75(レンジャー)の損失は計算内ですが、この損失はホルモン・スモークの建物内部で発生する輸送機の被撃墜として計算したものです。ホルモン・スモーク建物内部での損害を考慮すると常時4機による支援が必要です」歩くコンピュータ・高須賀大佐の報告に岸本中将は渋い顔をして頷いた。
「ならば、速度の遅い<瑞鶴>艦載機の出撃回数を増やすために、できるだけ<瑞鶴>をホルモン・スモークに接近させましょう。できるな」酒匂軍・入江男爵は酒匂海軍第1航空艦隊第5航空戦隊から派遣された航空幕僚に振り向いた。
「可能です。それに、5航戦司令はすでにその気でおられると考えます。ただ、あまりホルモン・スモークに<瑞鶴>を近づけると危険です」と答えた5航戦航空幕僚は、壁に設置された作戦状況図に表示された<瑞鶴>のシンボルを指差した。
<瑞鶴>のシンボルは間もなく鈴川の作戦区域北端に達する位置にあり、増速しながら北上していた。すでに減速して針路を南に向け始めていないと作戦区域内での行動を保てない位置だった。
「よろしい。私の命令で<瑞鶴>の行動範囲を無制限にせよ。5航戦司令には司令の判断でできる限りホルモン・スモークに接近し最大限の出撃を繰り返すよう伝えなさい。よろしいですか?」入江男爵は5航戦航空幕僚に命ずると、岸本中将に承認を求めた。
岸本中将は答える代わりに中西中佐に質問した。「<瑞鶴>の上空援護に回せる機体はあるか?」
「残念ながらありません。ですがホルモン・スモークの東に配置するE-2から早期警戒情報を提供することはできます。」岸本中将の問いに、再び中西中佐が答えた。
「ありがとうございます。情報をいただけるだけでも十分です。すでに犠牲者も発生していますし、最も危険なのは、これから降下する陸上部隊の隊員です。彼らを最大限援護しなければなりません」入江男爵の言葉に、岸本中将は彼を信頼した判断に間違いなかったことを確信した。
「正直なところ、近接戦では我々のジェットが落とす500ポンド爆弾より、<瑞鶴>艦載機の20ミリ機銃による正確な射撃のほうが心強いです。しかし、艦載機の損害が多くなるのは確かです。それでもよろしいですか?」高須賀大佐は、入江男爵に決断の再考を促したのではなく、幕僚の義務として最悪に事態についても事前に承知してほしかった。
「岸本中将が訓示されたように両国の国民を直接守る作戦です。艦載機の搭乗員もそれはわかっています。問題ありません」入江男爵は試すような質問をした高須賀大佐に気分を害することもなく答えた。
「失礼なことを言い、申し訳ありません。他意はございません」高須賀大佐は頭を下げた。
「高須賀大佐、頭を上げてください。この私が知るべきことを言われただけです。それこそ幕僚としての任務です。あなたの率直な意見は、我々への信頼の証です。それに勇敢なのはあなた方だけではない。我々の将兵も勇敢です。見ていて下さい」入江男爵はそう言い終わると口を引き締めた。
「最後に75の意見を聞きたい。大隊長に繋がるか?」岸本中将の本音は、3/75Ranger大隊長・青柳中佐が、この騒動に動揺していないかを確認したかった。同じ特殊部隊の一員として信頼しているが、青柳は初めての実戦だ。そのことが心に引っかかっていた。
「まもなく繋がります」と言って、通信員が岸本中将にマイクを渡した。
「クロー6です」青柳中佐の声が、通信中継機E-6を経由して司令部のスピーカーに流れた。
「クロー6、ドラゴン・ホーンだ。敵は追い払ったが、君の部下を乗せた輸送機が1機撃墜された。その状況は把握しているか」
「把握しております。今、バラバラに散った輸送機が再集結してホルモン・スモークに向かうところです」
「このままいけるか?」
「いけます。大隊本部の主要将校を失ったので、現場で大幅な作戦変更は難しいですが、それ以外は慎重に搭乗区分を決めてあったので1機程度の損失は問題ありません。ただ、航空支援は必ず増やしてください」スピーカーから流れる青柳中佐の声は冷静だった。
青柳は大丈夫そうだ。これなら作戦を続行できると岸本中将は考えた。
岸本中将はマイクの送信ボタンから指を外して司令部の幕僚に問いかけた「30分遅れで調整できるのだな」
司令部の幕僚はみな「可能です」と答えた。
「クロー6、ドラゴン・ホーン、降下開始時刻を30分遅らせる。それ以外は計画どおり進めてくれ。君の要望に応えるために<瑞鶴>は計画よりもホルモン・スモークに接近して航空支援にあたる。<カール・ビンソン>も出撃回数を増やす。君たちを決して孤立させない。頼んだぞ」
「イェサー」青柳中佐は、薄暗いMC-130Jのコックピットで目をギラギラとさせていた。岸本中将がこの目を見たら不安に思っただろう。だが、スピーカーから流れる青柳中佐の声は最後まで冷静だった。
「神のご加護を! ドラゴン・ホーン、アウト」
「フーア、クロー6、アウト」
「よし、みんな聞いたな。降下開始時刻を30分遅らせる」岸本中将の決断を受けた幕僚は、時間の変更を関係部隊に知らせるために散らばった。
「艦長、中西中佐、君らの“くそったれ2”を発動する。5分後にCDC(戦闘指揮所)に皆を集めてくれ」同席していたCSG3司令部先任幕僚(副司令)岡部准将は、艦長・大辻大佐と中西中佐にそう命じると一足先に司令部を出てCDCに向かって行った。
「じゃあ、朝飯の前にやることをやっちゃいますか」と言って中西中佐も司令部を出て行った。
「海軍はもっと上下関係に厳しいと思っていたが」岸本中将は、中西中佐の背中を見ながら言った。
「将軍。この空母に搭載している空母航空団は“フーリガンズ”とも呼ばれた、ならず者集団です。ですが、技量も高い者ばかりで、任務は完璧に果たします。それだけは私が保証します……彼らの言動をお許しください」大辻大佐は岸本中将に謝った。
「いやいや、うちのデルタやグリーンベレーの隊員も似たようなものです。敵の奇襲に対する対処といい彼らを頼もしく思っているところです。気になどしていません」岸本中将は、そう言って手を振った。
「ありがとうございます。では、失礼します」大辻大佐は岸本中将と入江男爵に挨拶をすると、司令部のドアに向かってきびすを返した。そして、なんでフーリガンズをかばうような言葉が自分の口からスラスラと出てきたのだろう? 不思議に思いながらCDCに向かって行った。
ブルー・ドラゴン作戦は、30分遅れで続行が決まった。だが、すでに3/75Ranger(第75レンジャー連隊第3大隊)は1個小隊以上の損害を出している。厳しい戦いがより厳しくなったことにかわりはなかった。
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