破廉恥から討伐へ

 愛憎深い暴走気味のリーシェに、お仕事中は命に関わる事故や事件が発生する可能性があることを理由に、過度なスキンシップやトークを控え、集中してお仕事に励んでもらうことを約束してもらった直也は、当初の目的であるハイ・オーク討伐ミッションを再開した。 



「情報によるとこの辺が、ハイ・オークが良く現れる場所だけれども、みんなどうだい? 何か感じるかい?」


 直也は自分の前に綺麗に整列するサクヤ、マリー、リーシェ、レーヴァに向かってに声をかけた。


「「「はい、先生」」」


 今日のこの討伐依頼からアスとイズナを除く全員が直也から霊力を扱うための修行?を受けることになっていた。


 原因は昨日のリーシェとレーヴァの二人の言い合いの中で、リーシェが言ったある一言だった。


「直也さんは私の先生です」

「それがどうした。旦那様が不出来なお前を憐れんでのことだろう」

「ふふ、先生は私の手を取り足取り優しく色々と教えてくれます」

「ふん、だから、どうしたというのだ」

「ふふん、この前なんか二人っきりの個室で秘密の特別授業を受けました」

「なんだと! 貴様、もっと詳しく聞かせろ!」

「直也先生は暗い部屋で私に言いました。リーシェ、僕に任せて体の力を抜いて、何も考えずに、僕のを、感じるんだって。・・・イヤン、もう恥ずかしいことを言わせない下さい」

「そんな、あたいの旦那様先生がそんな破廉恥教育を。 ・・・ズルイ、ズルイ!」


 本当は霊気を感じさせ感覚を覚えさせるためのトレーニングだったのだが、話を切り取ると男女間のそんな風な感じの話しにもに聞こえなくもない。

 レーヴァは直也先生の破廉恥教育に激しく興奮し、脳内劇場、すなわちいつもの妄想劇の世界に旅立って行った。

 大きな声で一人語りをしながら。




「直也先生、あたい怖いよ、破廉恥は止めておくれよ」

「レーヴァ生徒。僕は先生だ、やましい気持ちなどは一切ない。だから怖がらないで制服を脱いで言われた通りにベッドに横になるんだ。今日は保健体育の日だ」

「本当に、先生は本当に破廉恥な、怖いことしないの」

「ああ、しないさ。むしろ破廉恥とはかけ離れた、神聖で尊い授業さ」

「先生分かった。あたい信じるよ」

「ありがとうレーヴァ生徒。俺を信じろ! 俺を信じてついてこい!」

「はい、直也先生! それで今日の授行は?」

「今日の授業は題して、おしべとめしべでこんにちは赤ちゃんだ。早速イッテみよう。トォウ! 必殺ル〇ン! ダイブ! からの、レーヴァちゅわーん!」

「破廉恥な響き。イヤン凄い、先生が私を呼びながら一瞬でマッパに! キャア、先生どうして、なんであたいを脱がせて」

「言ったはずだ! おしべと、めしべで、・・・こんにちは!(ズコズコ)」

「ああ、赤ちゃん! ああ、ナニかが、硬いナニかが、あたいのナカで破廉恥で、まいっちんぐー!」

「エイ、ヤア、トォウォォ!」

「おしべとめしべがアン、デュウ、トロ、アーン! 」



「ぐふふ、・・・破廉恥先生最高です!」


 破廉恥先生! 体育でトロアプレイを妄想したレーヴァは、破廉恥先生プレイを魂に刻み込み、どうしても自分も教えを受けさせて欲しい、自分の先生になって欲しいと、泣いて直也に頼み込みこんだ。


 たまたま近くにいてレーヴァの妄想を聞いていたサクヤとマリーは、何を馬鹿な事言っているのだと、一旦はその場を離れたのだが、どうしても直也との教師と生徒という設定が頭を離れずに、もしかしたら何か起きるかも、仲を進展できるかもと期待に胸を膨らませしまい、この度レーヴァと一緒に教えを受けることになったのだった。


 生徒自慢や妄想のなどのくだりがあったことを全く知らない直也は、思うところもあったのだがここで断っても面倒くさいことにないことは目に見えているし、全員の力の底上げとなることを考えればまあ良いかなと思い三人を受け入れることにした。


「はい先生! ここから森の奥、あっちの方に何かの集団がいます」

「うん、リーシェ正解だ」

「えへへ」


「では、集団の数は分かるかい?」

「先生、あたいは分かるぜ。少しだけ力が有るのが十くらい、有象無象が数十くらいだ」

「うん、レーヴァ正解だ」

「破廉恥先生・・・」

「ん? 今なんて?」


 二人が感知したように山の麓に見える森の奥、ここから数キロというところにオークのものと思われる反応がある。オークと思われる反応の周りにもいくつかの反応があり、動きから見るに見張りのものと思われた。


「では、これから森に入ります。リーシェとマリーさん、レーヴァが先行、その後をイズナさんとサクヤさん、アスが、僕はしんがりで進みます。索敵感知は先行組でお願いしますって、あれ? 誰か足りない?」


「気のせいだよ、直也様。メンバーは全員いるじゃないか」

「そうだ、よね。メンバーは全員いるよね」

「そうだとも」


 イズナの言葉を聞いた直也は、少し肩が軽くなったような、肩の荷が一人分降りたような感じがして、いつもよりも調子が良いような気がした。


(さぁ、始めるか)


 直也は自分の声を待っているリーシェやサクヤ達前に、ヨシッと心を引き締め、気合いを入れ直すと討伐ミッション開始を告げた。


「さぁ、みんな。 ・・・お仕事の時間だ!」


 直也の言葉を聞いたアマテラスのメンバーは状況を開始した。




 






































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