神魔の大戦

ずっと一緒に二人でいたい


ただ、それだけの願いが叶わなかった


もう一度、会いたい


もう一度、触れたい


もう一度、愛したい


 神様(主よ)どうかお願します


 どんなに世界が変わろうと


どんなに時が過ぎようと


どんなに姿が変わろうと


 また出会い


運命が交わり


縁が紡がれ


今度こそは一緒にいることが出来ますように


今度こそは添い遂げられますように


今度こそは約束が守れますように


神様


神様


どうか、どうかお願いします


いつの日か・・・必ず・・・また・・・


 


 


 「神魔の大戦」


 その日、世界は一変した。

 突如として始まった神と魔神の大戦。

 神話や宗教の中の存在であったはずの神々の争い。7つある大陸の内の2つの大陸は海の底へと消え、残った5つの大陸も大地は焼けただれ、川の水は干上がり、空は晴れることのない雲に覆われた。

 栄華を極め、天に輝く星々にまでその覇を轟かせようとしていた人類も戦火に巻き込こまれた。絶大な力を持つ神と魔神の戦いは凄まじく、人類は抵抗すら敵わずに蹂躙され、世界の約9割の人口が失われた。      

 

神も魔神も自らの眷属達を次々と世界に召喚したため、大戦はとどまることなく世界中に拡大し、神と魔神の戦乱は混迷を極めた。戦禍を運よく生き延びることが出来た人々の多くは、地下に逃げ隠れ息を潜めた。


  神魔の大戦が始まりから1年の時間が過ぎようとしたある日、神と魔神は世界から突然姿を消し、神魔の大戦は終わりを告げた。だが、神や魔神が召喚した天使や悪魔などの一部の眷属達や、戦うために生み出された魔物達はそのまま世界に残された。

 神魔の大戦の影響から世界の地形や気象、生物の生態系なども大きく変わり、今までに見たことがないような動植物なども現れ始めた。

 

 人類は神魔の大戦をなんとか生き延びることができたが、栄華を極めていた文明はほぼ失われてしまった。

 しかし、得た力もあった。人類は死が溢れる狂った世界を必死にあがき戦い生き続ける中で、新しい力を手に入れていた。大戦中には人類を守ることを選び、教えやギフト(才能)を与える神が存在した。悪魔の中にも人類に知恵や知識を与える者もいた。

 

 人類が生き残るため、神や悪魔達から必死に学び、盗み、そして授けられて得た力。


世界の理を越えて作用する力「魔法」を。


  世界から神々が消え、救いのない悲しみと死が溢れる世界。この悲しみに包まれた世界が、いつか争いの無い平和な世界になる日が来ることを信じて、生き延びた人々は希望を込めて世界をこう呼んだ。


「エデン」


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