第14話 神様 絡まれる
伊勢くんの実家に向かうため、出雲さんと秋葉原の駅へ向かう。まずは東京駅へ。そこから東海道新幹線のぞみで名古屋駅に向かい名古屋駅から特急で伊勢市駅へ。駅に迎えが来る段取りになっているそうだ。およそ4時間の移動の旅。到着予定は、午後10時30分。
初めての新幹線に乗り込んだ私は、興奮して落ちつかない。車窓から見す街灯りが作る美しい景色を子供のように夢中ていた。
私はこの灯りの一つ一つに人の営みがあることに感動する。
出雲さんが、おセンチな気分に浸る私に、車内販売で買った日本酒のワンカップと三陸産のスルメをくれたので早速頂く。
旅をしながら飲むお酒がこんなに美味しいとは。スルメは噛めば噛むほど良い味がでる。出雲さんがと一緒に酒を飲みスルメを食べながら会話を楽しむ。話が弾むとついついお酒の量が増えてしまう。
この国についての話、営業予定の飲食店(仮)の従業員選定の話や伊勢くんや出雲さんが代表を勤める結社、高天原の話など色々な話を聞いた。。
出雲さんの様子がおかしくなり豹変したのは、高天原結社の所属員の話の辺りからだった。
彼も仕事や部下との関係に悩みが有るようで、話ながらに酒と愚痴の量が増えていく。酔った出雲さんは、私に絡み更なるおかわりを薦めてくる。
おかわり?じゃあ最後にもう一杯だけ、頂こうかな。あ、ありがとう出雲さん。でもこれは四合瓶だよ、量多くないかな?なんて。それに新幹線の中で飲み過ぎるのは良くないよね。えっ、貸し切りだから大丈夫?この車両を?え、違うって、新幹線まるごとっすか?
逃げ道を塞がれ、飲みを半ば強制される。お酒は決して嫌いな訳ではない。むしろ、大好物。しかし酔っ払いの絡み酒は勘弁して欲しい。出雲さんはもう、けしからん、最近の若い者は、自分が若い時は、ほとんどその話しかしなくなってしまった。
神の私であれば、愛を持って受け止めてやることが出来たであろうが、今の私には、ただの苦行。私に出来ることは今の時間をしっかりと記録し、アルハラによる傷を癒す誠意をみせていただくための準備をすることだけ。
スマホを使って、秋葉原の某専門店でメイヤたんフィギュアを物色当たりをつけて、モチベを上げる。もう、十分な証拠は集まった。
私は早く到着して欲しいと切に願いながら、適当に酔っ払いをあしらい、我慢の時を過ごしたのであった。
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