第10話 神様 苦渋の決断
出雲さんから伊勢君が引きこもったと電話があった。
あの喫茶店事件から3日後の朝、半裸の状態で帰宅した後に自宅の押し入れに岩戸と書いた半紙を張って引き籠ってしまったらしい。
出雲さんは以前にもそんなことがあったという話を教えてくれた。出雲さんからは現場で何があったのかを聞きたそうだったが、何があったのかは私が聞きたい。
でも今は、そんな話はどうでもよい。
私は現在PCを前にして、考え、悩み、苦しみ、もがいていた。
私は決断しなければならない。
重大な決断を!
他人様に迷惑が掛かる訳ではないのだが、少なくとも私の今後の方向性はここで決まってしまう。
世の子供達はいつもこれほどの決断を迫られていたのか。
さぞ、苦しかっだろう。
さぞ、辛かったであろう。
良く、決断することが出来たものだ。
これほどの想いは、宇宙中から放置プレイをされていた神時代ですら感じたことはなかった。
この感情の波が、渦が、生きていると言うことなのか?
私はもう2日は、PCの前でマウスを持ったまま動けずにいる。今は肉体を持ってこの世にいるが、私はもともと宇宙の柱(神)だ。
死ぬことはない。
が、もしもだが、もし私がただの人間だったらと、そう考えると体の底から震えが来る。
私が普通の人間だったら・・・不意に迫られた選択のストレスから、動悸息切れ、不眠、空腹からの栄養失調、これだけの負荷が掛れば、間違いなくただではすまないだろう。
それほどまでに、重い、決断なのだ。
しかしこのまま立ち止まり、喚いていても、私のオタク人生に先は無いだろう。
そうだ、余計な事など気せずに、今の自分に素直になろう
選択の結果、私は後悔をすることになるかも知れない。
だが、それでも、前へ、一歩前へ進もう。
恐らく、この私の決断は、後世のオタク研究者に吟味されることになるだろう。この判断の賛否などは、未来の若い世代に任せれば良いのだ。
私は今決断する。
わたしが選ぶルートは
「本気ラブ」のメインヒロインは、
メイヤたんだ!
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