第6話 神様 イケメンに嫉妬する
腰を痛めたことを誰から聞いたのかは分からないが、伊勢くんが赤福餅を持ってお見舞いに来てくれた。腰はもう良くなっていたが、折角来てくれたので一緒に御飯を食べに行くことにした。
何か食べたい物はないかと、伊勢くんに聞くと彼は畏まり何でも良いと言う。
一番困る返事だ。私は考えた。どうせなら、伊勢君が行ったことが無い店が良い。
あそこなら、どうだろう。あそこなら、間違いなく行ったことは無いだろう。決めた、あの店にオムライスを食べに行こう。
徒歩でお店に向かう道中、伊勢くんと話をする。私の研究室がある店舗で営業予定の飲食店(仮)の話だ。以前の話では、従業員を手配すると言うことだったが、難航しているらしい。志願する者がいないとのことだ。私は働きたくはないので、逆に従業員さんは来ない方がありがたい。
話ながら歩いていると、やたらと街の女性が伊勢くんを見ていることに気が付いた。
皆、伊勢くんに見惚れている。確かに彼はかなりのイケメンだと思うが、なんかムカつく。
ムカつく?
私は嫉妬をしているのだろうか?
今までの神生活では、この様な気持ちになったことは無かった。人の体の弊害だろうか?
街行く女性達を見る。やはり皆、私ではなく伊勢くんを見ている。
私は伊勢くんを見る。
何度見ても彼はイケメンだ。
ムカつく!
ん?
私は心を落ち着けて、雲一つ無く良く晴れた気持ちの良い空を見る。
晴れた空を見ると、心も晴れる。
良く晴れた心のまま、
空からの、イケメン。
ムカつく!
やっぱりそうだ!
イケメンは何度見ても、ムカつく!
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