No.6 『表現する術を持たない者の表現』 感想
・"漫談や噺を聞いているような、会話中心の話。
どちらかというとテーマを用いてどれだけ遊べるか、というとらえ方をした書き方だという認識で受け取りました。
文章として読む、という点においては自分の好みドストライクというわけではないが、こういった挑戦的な作品は嫌いではない(理系っぽいよね!)
定点カメラで時間経過を描くという試みは大いに面白かったですね。
個人的には一度どちらかが席を立って、急に描写文だけが続く、といったような緩急がついているとより好みだなと思いました。
・企画のテーマを読み解くことそのものを表現するのは思いつかなかったです。会話形式でユーモアを挟みつつ確信に迫ろうとする様は面白かったです。
・こんなに喋ってるのに「表現」を大上段に構えている、という話でしょう(そんな感想でいいんでしょうか)
・最初の文からいきなり好きです。まさにテーマ通りの内容ですごい。
テンポのいい問答が繰り返されていって、1文おきにオチているような爽快感がありました。
脱力系のサゲもなんか好きです。
・この大会のテーマを居酒屋で議論し合うという形式のメタ的な作品。
これ本当に酔っ払った状態で書いたんじゃないかな~と思った。自分もやったことあるけどこんな感じになったよ。(違ったらごめんなさい)
・表現、表現する術、明確に定義つけられないからこそ皆さんそれぞれの作品が生まれたような気もします!「表現する術は複合的」というのが良いですね!私もこの議論に加わりたい!笑
・大会名をそのまま題するとは……大きく出たな! 居酒屋で仲良しふたりが駄弁るだけなんですけど、この大会、ほんとに人が死ぬ作品が多くて、珍しく人が死なない作品があっても、大概が暗い展開で進行するので、明るい作品が非常に少ないんですよね……(テーマがテーマだけに仕方がないのか?)。そんな作品群のなかで、ほのぼのぼと仲良しのふたりが居酒屋で駄弁っているだけの本作は、砂漠にあるオアシスのように救いになりました。ぼろぼろになった心に、他愛のないおしゃべりがすーっと効いて……。
・ずばり、異色で面白いお話でした! 一緒にお酒を飲みに来た3人目としてその場で討論をしているような楽しい気持ちで拝読しました。
本大会のテーマが一番分かりやすくお話になっていると感じて、論理的な解釈がテンポよく繰り広げられるのが楽しかったです。
・表現する術を持たないものは出てこない代わりに、表現する術を持たないとは何なのか、そんなものは本当にありえるのか、という部分についてくだをまくお話。
とはいえ、狭義でいえばくだをまいてるだけのソレを誰かが表現だと認識してくれることはなくて、こうして切り取って作品という形にしてはじめて、それが形として成り立つんだよなあ、とか思いました。
・面白かった。居酒屋での酔っぱらい二人の戯言っていうシチュエーションに落とし込んだのがまずいいと思うし、サラサラ読めた。読みやすさがやっぱり際立つ。なにより、この企画のテーマそのものに切り込む座談会的な趣も感じられて、なんだったらこれは全部話読んでから一番最後に読みたいとおもった。あとがき的な感じで。全部読み終わったらまた読もうかな。
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