第4話 親戚
祖母の葬儀が終わり、片付けに精を出していた時のこと。
地方居住の親族も集まってくださったおかげで、祖母の葬儀は悲しいながらも賑やかなものとなった。
派手好きの祖母だったから、きっと喜んでいるだろう。
それでも、残されたわたしたちは、どうしても気分が沈んでしまっていた。
人が亡くなった時というのは、その後の手続きが結構煩雑だ。
色々と忙しく、時間も割かれる。
心優しい親族の一人が、わたしたちの元に残って、様々な手続きを共に行ってくれた。
わたしたちは本当に、彼に感謝をしていた。
その彼が、言った。
「やだなぁ、水臭い。親戚じゃないんだから」
一瞬の後、わたしたちは吹き出した。
わたしたちは、間違いなく、親戚だよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます