第5話 新郎

私はある時、親戚の結婚式に出席していた。

新郎側の、親族として。


新郎の名前は、【まさや】。


新郎新婦の入場がつつがなく完了し、神父様のような人の前に、2人立ち並ぶ。

(確か、教会ではなかったし、彼らはクリスチャンでもないから、神父様ではなかったと思う)


神父様のような人が、新郎の名前を読み上げた。


「新郎、まさま・・・・」



「まさまさ・・・・」


??!


私は必死で、湧きあがって来る笑いを堪えていた。

そして-


「まさまさまさ・・・・」


私は堪えきれずに噴き出した。

つられて、両脇の親族も噴き出していた。

新婦側の親族は、誰一人として笑っていなかったが。


そんなに言いづらかったかな。

【まさやさま】。

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