第10話 逆襲
1週間後、香奈に僕ちゃんから連絡が入る
浜田駅はいいけど、歩かない、お話したいし
香奈は、タクシーはまずい運転手に顔を見られると思う
僕、歩くの嫌だな
15分位だし、お話してたらすぐだよ
うんわかった、僕歩くよ、8時でいいかな
いいよ、黄色いカッパ着ているからすぐわかるよ
うん、僕楽しみにしている
香奈はニヤつきながら
「本当に楽しみ、僕ちゃん。」
つぶやく。
夜、香奈は浜田駅のロータリーで黄色いカッパを着て男を待つ。
時は7月上旬である暑さのため、カッパの中は汗で濡れている。
男が声をかける
「待たせちゃった?僕を待っていたのは君でいいんだよね。」
「はいそうです。」
香奈が男を見るとその
黒色タンクトップにカーキ色の半ズボン姿でズボンはベルトではなく太いひもで結んでいる。
さらに、身長は香奈と同じくらいの155㎝くらいで背は小さいのに体格は、筋肉質でガッチリとしている。
年は40歳代位にみえる。
「カッパ脱いだら、暑いでしょ、僕、持ってあげるよ。」
「いえ、結構です、カッパ好きなんです、ではいきましょうか。」
香奈は何だこの男はと思いながら、ホテルへと誘う。
「どこに住んでいるのですか?」
「ずーと、旅しているんだ、全国回っている、僕、
「へーえ、お仕事忙しいんですね。」
「いや、働いてないよ、好きなことしながら旅しているの、君は高校生。」
「はい、そうです。」
「友達いるの。」
「はい、仲のいい友達がいます。」
「へーえ、友達も紹介してほしいなー」
香奈は誰がお前なんかに紹介するかと思いながら
「だめです。」
と顔を引きつらせる。
「う~ん、それは残念。」
話しているうちにラブホテルに着く。
二人は部屋を選び、部屋に入る。
香奈は部屋に入ると、男の腹を狙い力を放つ、しかし、男は右へ飛び
香奈は、そんなはずはない、見えるはずはない、何かの間違いだ、偶然だと思う。
今度は、男の首を狙う、そして力を放つ、男は胸を大きく
「どうしたの立ったままで中に入って。」
「は、はい。」
香奈には男が化け物じみて見えてくる
「
「初めてなもので。」
香奈はもう一度、試すことにする。
今度は、右肩を狙って右腕を切り落とそうとする。
男は体をひねって避ける。
そんなはずはない、これまで見破られたことはない、何かの間違いだ。
男は言う
「君さっきから、何かしている?、僕、感がいいから分かっちゃう。」
「何のことでしょう。」
香奈は
今度は連続で男を狙うが、男はその全てを避けてしまつた
「あんた何なの、さっさちと死んでしまえばいいのに。」
「そうそれ、君はその気持ちが強いから分かっちゃうんだ、君いいな焦ってい
る匂いがする、僕、遊んじゃおうかな。」
「あんた何言っているの。」
「じゃあ、お尻触るから、君は防いでね。」
香奈は力を男に当てようとするが全てかわしている、動きが早い。
男の速さに香奈はついていけない、そして、後ろを取られ尻を触られる
「キャッ!」
思わず声が
「いいよ、じゃぁ、次は胸にしよう。」
この男遊んでる、腹が立つが、男のペースは崩せない。
香奈は力を放ち続けるが、男は軽々とかわしていく。
そして、男は香奈の前に立ち、両手で香奈の胸を
「痛い!」
男は胸を掴みながら言う
「君は弱いなー、前に会った力を使う子の方が遊べたよ、そろそろ終わりにし
ようか。」
男は香奈を放し、離れると、ズボンの太いひもをほどき両手で持つ。
香奈は殺気を感じ、このままでは殺されると感じる。
男は
「しっかり抵抗してね。」
と
香奈は必死に力を放つが簡単に後ろを取られる、そして首にロープを巻かれると上に持ち上げられ吊り下げられる
きり、きり、り、り・・・ロープが締まって行く
香奈は暴れるが、男は重さを感じてないようにびくともしない。
意識が
床に落ちた香奈は力を周囲に放つ、さすがに男も香奈から離れる。
その隙に香奈はホテルのドアのヒンジを力で切断し、体当たりして廊下に飛び出る。
香奈は必死に駆け少し離れた裏路地に来るとカッパを脱ぎ粉々に切り裂く。
家に帰るまで香奈は生きた心地がしなかった。
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