第24話 ザワザワ
翌朝、ヴェラディに朝食は食堂で食べたいと言ったら、すんなり通った。
洗顔し髪を梳かして、少し遅くなったが、食堂が賑やかなうちに、間に合った。
一度に全ての人数を賄えるほど広くはないので、何回転かするのだと思う。
騎士とか身分が高そうな者優先なのだろう。
終わりに近い時間は、補給組や他の雑用を担う人達なのだと思う。
「おおっ! お前…… 」
レンチェル先輩と後輩のシスシルがいた。 私を見て、開いた口をパクパクさせて驚く先輩。
シスシルは、直立不動で、気をつけ、している。
「おはよう、 お願いだから、普通にしててくださる? 」
「お前、昨日はロフとかふざけてやがったのかよぉ? 」
「ごめんなさいね、今はカトリーヌ、 またロフの時は仲良くしてくれると助かるわ…… 」
先輩は "お、おう" と変な返事を返してくれた。シスシルは、固まったまま動かない。
「シスシル、昨夜は呼ばれて行って、どうだったの? 」
「え、あ、はい、 とても、 あの、 気持ち良かったです! 」
ズバッと言い切ったシスシル。
頬を赤らめるその姿が、なんかとても可愛い。
「あとで、聞かせて貰える? 」
「は、はい! 」
ヴェラディが黙ってやり取りを見ていた。
補給組とは、後援の仕事だ。
常に先回りして、必要な物資を用意し施設をおさえ、進行を円滑に進める裏方と言える。
レンチェルとシスシルの2人は、たまたま荷物の搬入で来ていただけに過ぎない。
次の補給地に向かうか調達物資の引き取りに行くかは上司が決める事だ。
所謂、数多いる要員の1人に過ぎない立場でしかなかった。
「え、受け入れにッスか? 」
「うけいれ? 」
レンチェルとシスシルの2人に辞令が下った。
補給を受け取る側として、本隊に伴走する部署に移動となった。
今までのように気楽に過ごせる仕事とは違う。
各所と連絡をとるパイプ役となり、補給の量とタイミングを調整する情報を常に集める係のようなものだ。
決定権は何も無いが、決定に係る情報の精度如何によっては、取り返しのつかない結果をもたらす危険性もある。
と、大げさに言えばそうなるが、通常時であれば、それほど忙しい仕事でもないのが、本当のところだ。
「う〜ん…… 」
明らかにおかしな人事に腕組みをし難しい顔をする先輩レンチェル。
隣りで後輩の心配そうな顔が言葉を待っている。
「きっと、あれだ、 おめぇ、ロメール様に気に入られたんじゃねぇかぁ? 」
「あ〜…… 」
当たらずとも遠からず。
人事を動かせる立場の者の意向が働いたのに違いはない。
少し勘違いを伴いながら、2人は新しい仕事の説明を受けに新しい上司の元へ向かった。
◇◇◇◇◇
「あ、出るよ…… 」
メイドが、下半身に顔を埋めている。
ジュゲンズは顔色ひとつかえずに、その後頭部に向けてそう言った。
やがて、口元を拭いながら、メイドが顔を上げる。
場所は、カラフセィカ軍国、北の国境の町。
検問所が閉まり、足止めされている最中のことだ。
「これはまだ、殺してないんだよね? 」
ヒラヒラと手にした書類を軽く振りながら聞く。
「はい、まだ全て搾り取れるまでは……」
「僕にも、その、見てみたいんだが? 」
「ジュゲンズ様が、直々にでございますか? 」
驚いた顔をするヴェラディ。
「私では…… 」
言い淀んで言葉を飲み込む。
「手配致します…… 」
メイドは一礼をして退室した。
翌日、同じ町の片隅にある民家に第二皇子の姿があった。
「あ"っ"! あ"あ"っ"! 」
責め苦を受けているのは魔女の手下。
影に潜り皇子一行の後をつけていた女だ。
既に瞳は白く濁り、何も見えている様子はない。
手足は鎖がつけられ、自由は奪われている。
軍国側の兵士2人を、相手に快楽拷問を受けている。
その様子を目をキラキラさせて、見ているジュゲンズ。
「あの女は、薬は入れてあるの? 」
「はい、既に気が狂うほどの快楽の中にあるかと…… 」
後ろに控えるメイドが、こたえる。
はじめて口淫をさせたメイドがヴェラディだった。王宮内では、兄の間者が忍び込んでいるとも限らないので、その手の行為は控えていた。
しかし、王宮を出てその危惧も不要となり、手近にいたヴェラディに手解きをさせながら、大人の行為にのめり込んでいた。
魔女側の手勢であれば、手加減無しで女を責める様子が見れる。
ジュゲンズの期待した光景がそこにあった。
目と喉は潰され、まともに発音すら叶わない。
野獣のような、かすれた喘ぎ声をあげるしかない女。
尻穴に男の物が挿れられる。
いわゆる前後の穴に2本のモノが出入りしはじまると、野獣のような叫び声が聞こえはじめる。
「あれって、どうなの? 」
「女は前後不覚に陥るほどの快感に落とされます…… 」
ヴェラディすら、自分で試した訳がない。
知識として、頭にあったものを皇子に伝えたまでだ。
肛門姦など、拷問でなければ、有り得ない。
女の目から見てこんなに、おぞましい責め苦は見ているだけで、堪えるものがあった。
「魔女はどこにいる? 」
パンパンと尻に兵の腰打ちつける音がするさなか、尋問がはじまった。
「じら"な"い"……」
「ル・アドゥフーリカ皇国の姫はどんな姿になってる? 」
皇子の前だからか、既に聞き出していた質問が繰り返された。パンパンと音がする度に女の頭がガクガクと震える。
「に"ん"ぎよ"お"……」
「今、カラフセィカにいるカトリーヌ・ルスゼントは、本物か? 」
「に"せ"も"の"お"う…… 」
「誰が送り込んだ?」
「ま"じょさ"ば…… 」
「本当に? 」
ヴェラディの胸を揉む手が止まった。
ジュゲンズはそれまでの昂ぶりに冷水を浴びせられる思いだった。
「リャクニーヤ様からもそう聞いております…… あっ…… 」
先端を摘む指に不意に力が入れられた。
ジュゲンズの顔色が引いていくのが見えた。
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