第二話 騎士として――聖騎士学校
ゼノは、幼い頃出会った少女を忘れられなかった。その少女がこの学校にいるかもしれないと思い、彼はこの一年間、彼女を探し続けた。しかし、彼女の名前を知らず、顔をはっきりと覚えていないため、彼女を見つけることはできていない。
彼女との唯一の接点は、彼女の黒髪と美しい顔立ちだけとある一つの預かり物。
彼女がアルビオン国の貴族のご令嬢であることは確かだった。そして、騎士が仕える者ということは、貴族以上であることが条件であった。騎士学校には、大体の生徒が貴族であり、高位の爵位をもった者のご令嬢やお坊ちゃまが多いのだ。
ゼノは、少女を探すために、自らも騎士を目指すことにした。そして、彼はアルビオン国のアルビオン聖騎士学校に入学した。彼にとって、ここで騎士になることは、彼女との約束を果たす唯一の方法だった。
ゼノは、学校での生活について、ほとんど楽しめずにいた。しかし、彼には自分だけの目的があった。あの少女を探し出し、約束を果たすために、騎士を目指すことだった。
彼が騎士にならなければ、あの少女を探し出すことはできないと考えた。騎士になれば、探し出す手段としての地位や力が手に入る。それに加えて、彼自身も成長できるだろう。そんな思いで、ゼノは騎士学校に入学したのだ。
しかし、現実は彼にとって容易なものではなかった。ゼノは成績が底辺だった。周りの人々との関係性も上手くいかず、勉強にも興味を持てなかった。
実技の授業も苦手だった。だが、彼は自分が学校に向いていないことを自覚し、何とか卒業するために必死で努力した。それでも、二年生になると、ペアを組まなければならないという新たな課題が待っていた。
ゼノはペアを組むことに悩み、周囲の人々からも無視されるようになった。そんな中、ある日、ゼノは目の前に現れた少女に心を奪われた。
その少女は、黒髪で綺麗な顔立ちを持っていた。ゼノは、幼い頃に見た彼女と同じように見えた。彼女は、アルビオン国のご令嬢であり、彼が探していた少女ではないかと思った。
ゼノは、自分がペアを組む相手に、彼女を選ぶことはできないだろう。彼女と自分とでは格が違う。
騎士学校には、高貴な血筋からなるファーストと、身分に関係なく選ばれるセカンドの二つのコースがあった。ファーストは座学や作法を中心に学び、将来は騎士を雇うことになる貴族や王族などで構成されていた。一方、セカンドは騎士を目指す人々であり、身分に関係なく平民から貴族までが集う場所である。
しかし、セカンドになるためには、一定以上の能力が必要とされる。エリートの集まりである。そして、セカンドは騎士学校における生徒間においては「騎士見習い」という役職になる。
ゼノはこの二つのコースのうち、セカンドの方に所属していた。一年生の間は「一般生徒」と呼ばれていたが、二年生になると「騎士見習い」という役職に昇格することになる。
この二つ、セカンドとファーストのクラス。
セカンドが『騎士見習い』。
ファーストが『主人』というのが騎士学校における生徒間における生徒達の役職となる。
騎士見習いは、新学期が始まってから二ヶ月以内に『主人』を見つけなくてはならない。一ヶ月以上経っても主が決まらなかった騎士見習いは退学となる。といっても、セカンドとファーストの生徒数は同じなので余程の問題児ではない限り、全員がペアを組める。
騎士見習いは主人を探すことになるのだが、主人であるファーストもまたペアとなるセカンドを探す。
騎士見習いは自分が仕えたい人を探し、ファーストは騎士にしたい人を探す。探し方自体も、出会いや、接触方法については自由だ。彼らは年頃の男女なのだから恋から発展することもあれば、その逆もしかり。
一応、学校からは学年の生徒リストが渡される。そのリストには生徒の情報とランクが載っている。このリストで主にすべての生徒の名前がわかる。実は、それまでは、名前を言う必要はない。つまりは1年生の間は何者にもなれる。
家名を名乗るものも要れば、名乗らずに下の名前のみをいう者もいれば、愛称を名乗るものも要れば、別名を語る者もいる。
ただし、一つのルールはある。それは、他人を語らないこと。実在するほかの誰かに成りすますなどだ。入学時に学校側へ申請し、受理されたらそれで二年セリのペア決めまではその名で学校に通うこととなる。かくいうゼノ自身も「ゼノ」のみの名で通っている。
セカンドならファーストのリストが、ファーストにはセカンドのリストが。情報は一年生の時に学校で過ごした一年間の成績、家系、それらを含めた総合評価によるF~Sのランクが与えられる。
セカンドが選ぶのは自分と同じかそれ以下のランクのファーストと組むのが好ましく。ファーストは自分と同じかそれ以上を選ぶのが好ましい。
セカンドは騎士見習いとして、しっかりと自分が守れるペアを、ファーストは自分を守ってくれるペアを選ぶべきであり、つり合いが取れる相手が好ましいということだ。
アルビオン聖騎士学校の生徒数は世界一を誇る。その中で、セカンドとファーストを見分ける方法は、制服と剣を帯剣しているか否かで判断できる。さらに、指定の制服があり、男子生徒と女子生徒でズボンとスカートにわかれている。その上で、セカンドとファーストでも制服が別れていて、制服の左肩の部分にセカンドならチェスのナイトの装飾が、ファーストならキングの装飾が施されている。
男子生徒の基本的なゼノが今着ている服装と同じく、学校支給の白いシャツに赤いネクタイと黒いベストと黒いズボン。それと、黒革の手袋と茶色のブーツ。
女子生徒は、白いシャツに赤ネクタイと紺色のベストと赤いスカートに黒靴と着用自由の黒をメインとした上着で暑い季節と寒い季節でそれぞれに薄着と上着が用意されている。
資金に余裕があるファーストの生徒には制服を改造している者が多い。これは、学校への融資をすることで許可されており、そのおかげで校内の物品が安くなっているので、貧乏学生が多いセカンドとしてはファーストさまさまである。
セカンドの生徒の中にも稀にいるが、一般的には改造しないのが暗黙の習わし。着飾るのではなく実力で、がセカンドの信条だ。
そして、学年を見分けるために襟元のボタンが一年生から三年生まで、銅、銀、金となっている。ゼノは二年生なので襟元のボタンを胴から銀に変わっている。
剣を持っているか否かでセカンドとファーストを見分けられるというのは、セカンドだけ学校側から直剣、両刃の剣で幅広五センチ、刃渡り百二十センチのロングソードが支給されている。
もちろん、模擬戦専用などの刃が落とされた物であるが、人の頭など力いっぱいにたたけば十分に殺せる凶器である。故に、学校内で抜くことは禁止されている。
この剣は、騎士見習いとして常に人を切る剣を腰から下げておくことに慣れるということ。それに、実技の授業などでも使う。
いつ学校の敷地内に賊が入るともわからないので、もしもの場合に備えてということもある。というよりも、騎士として心構えとしての一環というのが主な理由のようだ。
学校は、アルビオン国王城の敷地内にあるので防備は堅いし、侵入しようとする者はまずいないだろう。
支給剣の見た目は、柄はオーソドックスな茶色い皮で作られた握り。柄頭と鍔は黒く鈍く輝く銀。鞘は黒色で、アルビオンの国旗である女神が剣を握っている装飾が施されている。それ以外はいたって普通の剣である。
ただ、デザインがアルビオン国のみの限定であり、アルビオン騎士学校の生徒でしか貰えない為に一部のコレクターでは高値で売れるとか、または卒業生は家に飾るなど、様々な用途で価値もある。
ちょっとした暇つぶしだが、
女子生徒の男装は禁止であり、男子生徒の女装は禁止である。
女子生徒は男子生徒の制服の着用は禁止されており、男子生徒は女子生徒の制服の着用は禁止されている。
下手に容姿が優れた人間が集まる場所というのも、色々と大変なのだろう。
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この世界の時間。
一年は365日。1日は24時間。1時間は60分。1分は60秒。
1週間は7日間。それぞれに
これは、世界の時間を定めた現在の神の王であるユーデウス神が、ユーデウス暦の始まりについて、美しい陽の出に神々は祝い、その美しい月を見上げながら新しい世界の始まりを最後の祝杯と共に宣言したから、と言われている。
故に陽の日は安息、祝いの日であり、神々が楽しく過ごしたように、人々は家族で過ごす日と呼ばれているため『仕事は休みにすべきである』という考え方が多いが、もちろん全ての仕事が陽の日に休まれては人々の営みは回らないため、他の日が休みになっていたりすることも多い。
季節は、春、夏、秋、冬と4季あり、春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しく、冬は寒い。ほかにもそれぞれ各季節には特色がある。
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太陽と月について
太陽は、人々からは暖かく、眩しい光を放ち、世界を照らす灯。その正体について太陽神と人々は呼んでいる。男の神としてのイメージを人々は多く持っている。一部女神と呼ぶ者達もいる。
月は、人々からは冷たく、誘惑的な光を放ち、世界を安眠へ誘う癒し。月の女神と人々は呼んでおり、女神としてのイメージが強い。同時に、太陽と違い、月が現れる夜は暗いため、悪いイメージも持たれている。
どちらも神として人々は
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あったとか、なかったとか。
過去に、男装した女子生徒によって多くの女子生徒が犠牲になったとか、もしくは男子生徒が襲われたとか、なかったとか。
女装した男子生徒によって更衣室に侵入され下着や私物が盗まれた女子生徒や男子生徒や、誘われた男子生徒が襲われたとか、その両事件により性癖が目覚めてしまった生徒が数多く生まれてしまったとか、なかったとか。
「人は皆、変態だ。癖とは、個性であり、特性である」
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