第4話

「ほ、ほら、今書けた!

頼むよ!な、な...!!俺から渡す勇気はないんだよ!」


いつの間に書いたのかと思う程に。

リョーヤのヤツはラブレターをしたためて、

俺に水色の封筒を押し付けてきた。


「今、林ユーコに渡して来てくれよ。

ホームルームまではまだ時間があるしさ!

頼む、頼むよ...!!」


「しつこいぞ...!」


「なんとでも言えよ。面と向かって渡すなんてこと、脚が震えてだな、、あと、もし俺が渡して、手紙を

目の前で破かれたりしたらショックで

死んじまうかもしれないだろ...!」


「そんな死ぬとか大袈裟だぞ...」


「林ユーコがそんなことはしないだろ、

流石によ...」


性格はそんなに悪くないヤツだった。

誰からも好かれていたように思う。


いや、違うな。

俺だけにはなんか、どういうわけだか、ツンツンしててだな。

そんなに会話もしたことないから、

俺は彼女のことが苦手だったが。

林ユーコが人望厚くて、児童会長に

クラスは違うが推薦されたときには。

俺、なんの気無しに、彼女の名前の上に丸を描いて投票箱に入れたことを覚えていた。


俺が投票したから彼女が当選したとかではなくて、もうなんか、女子や男子や

下級生からも圧倒的人気で。


だからこそ、小学校のときは児童会長を務めて。


成績も良くて運動神経も良い、才色兼備。

おまえに児童会長。

「高嶺の花」って言葉が似合う女。


中学生になったらなったで。

また、生徒会長をやってた。


小学校での高嶺の花は、中学生になっても

枯れることなく高嶺の花だった。




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