第18話 第二部のはじまりは?
第二部ストーリーは悪の魔術師が悪の軍団で世界の国々を襲って力を蓄え、ふたたび新世界を作る為、世界破滅魔法の発動を目指す。
それを阻止する為、エンポリア公国ピンクマリン第一王女を中心に世界の国々の力とファイブスターの英雄達の力を結集し、劣勢だったところから反転攻勢をかけるまでの物語だ。
「んーっ、なんだけどな、正直、細かい設定とか、要所なストーリーはよく覚えてないんだよな」
チャプッ
僕は今、宿屋で身体を拭いている。
本当はお風呂か、温水シャワーが良いんだけどこの世界、庶民はお風呂の習慣がないし水は井戸から汲むしかないから、桶にお湯を入れて身体を拭くしかない。
クウウン
「タンちゃん、ほら、おいで?いっしょに拭いてあげる」
なんでかこの子、僕と身体を拭く時、獣化するんだけど?ま、かわいいからいいんだけど。
ん、このモフモフは山田を思い出す。
今ごろ、何してるかな?ちゃんとご飯食べてるかな。
あと、タンちゃんの保護者として宿屋の部屋はタンちゃんと同室なんだけど、毎回、赤髪仮面とカルが反対してくる。
なんでだろ?ワケわからん。
それから、メイサちゃんとミンちゃんは中央都市ハルージャに残る事になった。
ミンちゃんがやや疲れぎみなのと、ハルージャに知り合いがいるかもしれない、との事でその為の情報を得るためだ。
窓の外は海が見え、たくさんの帆船が係留されている。
そう、ここは港湾都市シアラ、で、僕たちはある島へ渡る為の船が出港するのを待っている。
話は2日ほど前に遡る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「な、?!船がない??」
船員A「んだ。あんな無人島、誰がいくだか?」
カル「近く迄でも行く船はないのか?」
船員A「航路から大きく外れてる、探しても無駄」
赤髪仮面「金はいくらでも出す。行ってくれる船はないか?」
船員A「今、春の嵐の季節で天候が安定しない、おまけに最近あの辺りに海竜が住み着いたってんで、怖がってみんな近よらね、諦めな」
リム「なんだよ、八方塞がりじゃん!」
う~ん、港に着けばなんとかなるかなって思っていたけど、現実は厳しいな。
ん?なんだあれ?なんかバスの停留所みたいなカンバンが?
僕とタン(獣化)がいきなり駆け出したので、三人も慌てて付いて来る。
カンバンを見た僕は、目が点になる。
◆❪サハラ島行き❫二日後、朝、出港。仮面様、御用達◆
「「「「…………………………………?!」」」」
いろいろ突っ込みたいが、仮面様、御用達って?
カル「なんだ、これ?信用していいのか?」
カル君、正常な判断だよ。
めちゃ怪しいもん。
赤髪仮面「大丈夫だ、これは信用出来る」
…………この人、本当に誰?、う、また、じっと見てくるし、なんでそう言いきれる?!
カル「わかった、これで船は確保出来たな」
え?いいの?
リム「なら、二日後の朝だ、宿屋を探そう」
ワウッ
タンちゃん?みんな、本当にいいのか??は?うう、これじゃ反対意見だせないよ、もう、知らないよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ということで二日後の朝、僕らは港に集まった。
「どの船だろう?」
僕がキョロキョロしていると、赤髪仮面が指差した。
「あれだ」
僕が赤髪仮面が指差した方を見ると、ショッキングピンクの帆船……………は!?
ななななんじゃこりゃあ!
そこにはショキングピンクに白抜きドクロの、そう、いわゆる海賊船がこちらの桟橋に向かってきていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆中央都市ハルージャ
「そう、お兄さんを探す為にここまできたのね」
「はい、兄といっしょにつかまっていたんですが盗賊達が[ハルージャに出荷する]って言ってたんです。あと闘わせるとも」
ミンとメイサは、二人でとある建物を見上げていた。
そこはコロシアム、いわゆる闘技場であり現在、建設中のものだ。
来月には完成し、闘技大会が開かれる。
「まだ、建設中じゃここには居ないわよね」
「兄は、先に捕まっていたわたしとタンを助けようと追いかけてきたんです。ただ、わたしたちを人質にされ、抵抗できずに捕まった。でも、兄は凄く強いからそれで闘わせるって」
「だから、ここなのね?でも、このままここにいても何も分からないわよねぇ」
メイサは、ため息をつきながら辺りを見回した。
「そうだ、冒険者ギルドに行ってみよう。あそこは意外と情報が集まるから」
「冒険者ギルド?」
「そう、私達冒険者が加盟して活動する所よ」
不安そうに見上げるミンに、メイサは胸を張って答える。
その時、二人の後ろから声をかける者達がいた。
「おい、あんた、その子は獣人か?」
ビクッとした後、二人は振り返る。
そこには、ロープを着た三人の男達がいた。
一人の男が前に出る。
「だったら、なんだっていうのよ!?」
メイサは、胸元の短剣に手を添えてこたえる。
「いっしょに来てもらう、悪いようにはしない」
「いやだと言ったら?」
ザワッ
男の後ろの二人から殺気が漏れる。
その時、メイサの服をミンが引っ張った。
「くん、くん、メイサ姉さん、この人、大丈夫、ついていく」
「!いいの?」
「ん」
匂いを嗅ぎながら話すミン、獣人として何かを感じたのか、すこし思案してメイサは話した。
「わかったわ、どうすればいい?」
「ついてきてくれ」
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