第16話 二号
ミン「タン?!、タン!、タン!」
女の子が男の子を揺すって呼び掛けているが反応がない、不味い。
「メイサちゃん、ちょっと変わって!」
メイサ「あ、?!うん」
僕は直ちに心臓の鼓動を確認!う、停止してる?!心肺蘇生法(心臓マッサージと人工呼吸)ってどうやるんだ?思い出せ!
そうだ、胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返して行う!
ミン「冷たい、手が、ああ、タンが死んじゃう、えーん」
「まだだ!君は呼び掛けを続けて!」
ミン「あ、え?!、うん!タン!、タン!、タン!」
メイサ「仮面ちゃん、無理だよ、いくら聖女様でも死んだ人を生き返らせる事は?!って、仮面ちゃん?なにを??」
僕は仮面をずりあげ、無言で人口呼吸と胸骨圧迫を繰り返し行う。
皆が、目を見開いて驚いているけど構わない。
カル「!人が十数人、こっちに向かってきてる。敵かも知れない!皆、うごけるか?!」
メイサ「仮面ちゃん?!」
僕は、無言で首を振る。
カル「!メイサ、リム、闘う準備を、敵だ!」
「「わかった!」」
メイサは槍を、カル、リムは剣を握り近づく集団を睨む。
◇◇◇
「仲間が戻らねぇから探しに来たら、なんだぁ、このガキどもは!?なんで仲間が縛られてる?後ろのちっこいのは何してんだ?」
リーダーぽい男が叫ぶ。
カル「ぼくらは帝国レブン領冒険者ギルド所属星の
リーダー男「そいつらは俺らの奴隷じゃないか、奪う気か!」
双方が身構える中、心臓マッサージと人工呼吸を続けていたが、限界を向かえていた。
男の子の唇が紫色になってきた。
ミン「タン!ひっく、タ、ひっく、ン、うぇーん」
「はぁ、はぁ、はぁ、くそっ、戻ってこい、く、」
その時、僕の脳裏に一つの呪文が浮かんだ、僕は自然と唱えた。
「大地の星霊よ、その力を我に授けよ、天空の星霊よ、この者の心を戻したまえ、女神よ禁忌を許したまえ、世界の力よ、今ここに!スターリザレクション!!!」
キイィィーンッ、天空より白い眩しい光が僕と男の子を包む、さらに僕と男の子が1mほど浮かび光が強くなる。
カル、リム、メイサが、ミンが、リーダ男が、集団の男達が、絶句し目を見開らく。
ビカッ次の瞬間、目を開けていられないほどの眩い輝きが起こり、皆、目を瞑った。
◇
タン「あれ?ぼくはなにを??」
タンが、何事もなかったかのように立っていた。
ミン「タン!ああ」
ミンがタンに抱きつくが、???タンは状況が理解出来ない。
メイサ「う、嘘!、生き返えった?!」
カル、リム「?!」
リーダー男「生き返らせただと?!」
ゴフッ
あ、不味い、少し吐血が、あの時の感覚に近い、ごめん皆、あ、夜に
メイサ「仮面ちゃん!!」
◇◇◇
◆カル視点
仮面ちゃんが崩れ落ちる、メイサが駆け寄ったがそれより先にタンが仮面ちゃんを抱き留めた。
くそっ、なんかもやもやする。
カランッ、パサッ
彼女の仮面と、被っていたロープが外れた。
ミン、タン「!」
メイサ、リム、「!」
「くそ、不味い!」
ぼくは、男達の集団を振り返った。
リーダー男「聖女、なのか?!いや!あの黒髪、間違いねぇ!」
男D「お、おかしら!すげぇ上玉、いや、貴族の娘なんか話しになんねぇ、お宝ですぜ!」
リーダー男「おい、お前ら、その娘を置いていけば見逃してやる。奴隷もいらねぇ」
あり得ない、なにを言っている?!
「ふざけるな、ぼくらが彼女を見捨てると?」
リーダー男「冷静になりやがれ、俺たちは十六人だ、敵うわけねぇ!」
ぼくは、リムとメイサを見た。
二人は、頷く。
こういう時の対処は、あらかじめ話しあっていた。
❪ぼくとリムで敵の足止めをして皆を逃がす❫
ぼくが剣を握り締め、奴らに斬りかかろうとした時奴らの後ろ側から、叫ぶ声が聞こえた。
「ファイアーボール!」
ボッ、
男D「ぎゃあああ??!あぢいっ、ぐあああ」
一人の男が、火達磨になった。
リーダー男「な、魔法だと?!」
「エンチャント、ファイヤーランス」
金の槍の刃が赤く燃える。
そこには、赤い髪、木の仮面、細身だがほどよい筋肉がついた感じな男が立っていた。
メイサ、リム、ミン、タン「「「「?!」」」」
「!」
リーダ男「くそっ、魔法使いに敵うわけねぇ!逃げろ!」
男達が散りじりになって逃げていく。
赤髪仮面男はそれを見届けると、仮面ちゃんの方に向かって歩きだした。
いけない?!、まだ敵か味方かはっきりしない段階で、迂闊に仮面ちゃんに近づかせるわけには!
ぼくは、男と仮面ちゃんの間に割り込んだ。
「待て!怪しい奴があの子に近づくな!!」
赤髪仮面男「………怪しく……ない」
いや、何故か仮面ちゃんみたいな四角い木に目の穴を開けた仮面を着けている時点で、十分怪しいが?!
だが、この時、あのタンとかいう男の子がとんでもない事をいいやがった。
タン「ついに見つけたぼくの番。どうかぼくの子どもを産んでね」
「「このクソガキ!寝言は寝てから言え!!」」
赤髪仮面男とぼくは、声を揃えていた。
「「…………」」
「あんた、名前は?」
「正義の…仮面マン二号…だ」
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