第23話 日の出町 大久野の藤

㉓日之出町 大久野の藤


 平成17年5月10日


 ちょっと 道に迷ったが無事に辿り着く。


山の一角を開拓してこれから売り出す住宅地のような


感じを受ける。


車を駐車場に入れるが他に車はない。


ここで場所はあっているのかと不安になるがとりあえず


愛犬が早く出せとソワソワしているので車から出す。


斜面の上を見ると何となく藤の花らしいものが見える。


遊歩道のような道を右回りに登ってゆくと


少し明るくなって空が見えた所で道は左へ曲がる。


少し行くと太い弦が樹に絡まっているのが見える。


その太い弦を目で辿ってゆくと藤の花が咲いているのが


見えた。


富士の弦は一本の幹のように太くなっていて


こっちの木からあっちの木へと渡り歩いて


時には平べったい板のようになり樹から垂れ下がっては


別の木に移っている。


その所々に藤の花が下がっているが花の数は多くはない。


たぶん上から眺めたら花が沢山咲いているのが見えるのだろうが


下から見るせいか予想よりも少ない。


一山を縦横無尽に駆け巡っている。


さて、この景色絵に出来るのかと悩むが


せっかく来たのだから上の道から1枚、下の道から1枚


大きな紙にスケッチする。


この絵、まとめる事が出来るか心配だ。


やってみるしかない。



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