第24話骨波田の藤

㉔骨波田の藤


最初はこの骨波田という名が気になって電車とバスを乗り継いで


この樹齢650年の藤を見に来た。


長泉寺という寺にある。


花房が1mから1,5m位あるという。


花が良く咲いていて紫のカーテンのようだ。


時々大きな丸い蜂?が偵察隊のようにこっちの花、あっちの花と


渡り歩いている。


静かにしていれば刺すようなことはしないと思うが少し怖い。


一回目はその長い花房をスケッチして帰った。


まだこの頃は樹の方には目が行かなかった。


その後、バスで一回、車で二回やって来た。


三回目に車で来た時、本堂に向かって左の藪を開墾していた。


愛犬を連れて散歩に行くと花をつけたままの桐の樹が


切り倒されていた。


伐ったばかりなのか花は元気だった。


丁度車を走らせて来た山道のあちこちに桐の花の紫色が見えていた。


その花を何とかスケッチ出来ないだろうかと考えていた。


桐の樹は背が高いのでなかなか花をスケッチ出来ない。


その願いが叶えられる事となった。


これは神様の思し召しかもしれない。


さっそく花の付いた枝を何本かもらって来て車に積み込んだ。


この桐の花は家に帰ってから花瓶に生けて


存分にスケッチさせてもらった。


結構長く咲いていた。


さて、今日は(平成21年4月22日)藤の幹を描きに来たのだが


すぐ近くにサーキット場でも出来たのか車のブレーキのきしむ音


ブオーブオーとエンジンをふかす音などでうるさい。


耳が耐えられない。


とても落ち着いて花を楽しむ環境ではない。


寺は文句を言わないのだろうか、言えないのだろうか。


それでもどうにか一枚スケッチする。


早々に立ち去ろうと思ったが山門のすぐ近くに多羅用の樹を見つけた。


ときがわの慈光寺の多羅用とはずいぶんと違う感じだが


丁度黄色い花をつけている。


多羅用の樹も背が高いので花の形がよくわからないので


前からどうにか花を描いてみたいと思っていた。


おあつらえ向きに山門のに登れるように階段が付いている。


山門を登って二階の廊下みたいなところから見ると


丁度目線に多羅用の花が見える。


スケッチさせてもらう。


今日は収穫の多い日だった。

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