第4話 彼女の生活



あの後黒い服を着た男の人たちがやって来て、

怖い男の人達は、連れていかれた。


「ふぅ・・・さて」


私は、ご飯の準備を始めようとした・・・だけど


「あ、あれ?」


手が震えて食器が持てない・・・・


「おい、大丈夫か?」

「だ、大丈夫・・・あ・・・・あれ?」


ポロ・・・ポロ・・・


目の前が滲んでよく見えない、それに足に力が入らない


・・・・ペタ


私はその場に座り込んでしまった。


「あぁ・・・・おい」

「な、なに?」

「俺が明日までここにいる、お前を守ってやる、だから安心しろ」

「え?」

「安心しろ、あんなクソ野郎と俺は違う、お前を襲ったりなんかしねぇよ」

「あ、う、うん」

「だからもう泣くな、大丈夫だ」


そう言いながら宮島みやじま先輩は私の頭を撫でてくれた。

いつもなら、子ども扱いされてて嫌だったけど、今はとても安心した。


「・・・・先輩」

「ん?」

「嫌いな物とかってあります?」

「いや、ないが・・・それが?」

「わかりました」


「おい、俺の分まで用意する気か?」

「だって自分だけ食べるのって落ち着かないし」

「・・・・わかった、簡単な物でいいぞ」


私はお米を一応3合洗って炊飯器に入れ、冷蔵庫から人参、キャベツ、もやし

を取り出して一口サイズに切っていく。


「1つ聞いていいか?」

「はい」

「お前ここに1人で住んでるのか?」

「はい」

「・・・・・・親とかはどうしたんだ?」

「・・・・・親はいません、顔も知りません」

「・・・・・・・・」

「先輩?」

「あぁすまん」


「この前まで施設にいて高校生になったから、そこを出て一人暮らししてるんです」

「・・・・・・・・・・金はどうしてるんだ?」


「施設から毎月少しだけもらってるんです、後は自分で作ったぬいぐるみを

メ〇カリで売ったりして稼いでます」


ちょっと自慢だけど、私の作るぬいぐるみは意外と高く売れるから、アルバイトする必要がない。


「・・・・そうか」


先輩はそれだけ聞くと、何も言わなくなった。

その代わり、私が料理している所をじっと見てた。

そして


「はい、できました」


ご飯とこの前作っておいた味噌汁と、簡単な野菜炒め、

先輩の分もよそってテーブルに置いた。

ちょっとテーブル狭いかな?


「悪いな」

「いいえ、じゃあ食べましょ?」

「あぁ頂きます」

「頂きます」


先輩と一緒にはしを持った。


「・・・・うまい」

「良かったです」

「食器が2つあるのは彼氏の分か?」


「え?くすす♪違いますよ、ただの予備です、私に彼氏はいませんし

男友達もいません」


「そうか、なんか悪いな」

「別に気にしないでください、彼氏なんていりませんから」

「・・・・・・・・・・そうか」

「はい」


先輩と一緒に食事を進めていく。


「あっ」

「ん?」

「あっいえ」


・・・・・・先輩の食べ方、凄く綺麗


「・・・・旨かった、ありがとな」

「お粗末様です・・・そういえば寝る場所どうしましょう?」


私の布団1つしかないし


「別にいらない、座って寝る」

「え?それはちょっと」

「気にするな、仕事柄そういうのに慣れてる」

「あっ・・・わかりました」


そうだった、宮島先輩って殺し屋さんだった。

そう言う訓練とかしてるのかも?

そんな感じで色んな事してるとあっという間に夜10時


「ごめんなさい、じゃあ寝ますね」

「あぁ大丈夫だ、見張ってるから安心しろ」

「・・・・うん、お休みなさい」


私は布団に体を沈めた、さっきまで感じていた不安は消えていて、

私はすぐに眠りに落ちていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ブル・・・ブル・・・


「こちらメタル01・・・・あぁちょっと厄介なことになっちまってな、

あぁ朝になったらそっちに戻る・・・は?そんなわけねぇだろ?

とにかく朝になったらそっちに戻る」

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