第12話 甘えたいハナ
食後すぐにハナは眠ってしまった。肥満の原因だけど今日は仕方ない。
リビングダイニングにハナを寝かせたタイミングで通販で買った残りの商品が届いた。
「食器類は私が洗うね」
「俺たちでアルバロの部屋に布団を運んじまおう」
父さんとアルバロが大荷物を持ってリビングダイニングから出ていったので届いたばかりのアルバロとハナの食器を洗う。あの2人はかなりはしゃいでいたので暫く戻らないだろう。
── ハナの布団を出すのはハナが起きてからにしよう。開けるのを楽しみにしていそうだから。
暇になったので昨日収穫した家庭菜園の野菜を洗って下処理を済ませた。洗って土を落としてすぐ調理出来るサイズにカットして保存容器に入れてから冷蔵庫へ。ここまでやっておくと調理がだいぶ楽だ。
全部の下処理が終わったタイミングでオーブンが鳴った。下処理の最初に昨日収穫したじゃがいも、さつまいもをホイルに包んでオーブンで焼いていたのだ。これは取り出さずにもう少しおいておく。
ハナを見ると気持ち良さそうに眠っているので今日は掃除機はやめておこう。
洗濯機を見にいくと乾燥まで終わっていたのでカゴに取り出してリビングダイニングに戻ってハナの横で畳んでいるとハナが起きた。
「目が覚めた?」
「…うん」
ごろごろと二度寝の雰囲気なので話しかけずに畳む。
「あのね」
「なあに?」
「カナちゃんが学校に行っている間、おばあちゃんが洗濯物を畳んでる横でいつも見てたの」
「そっか」
「うん」
完全に目を覚ましたハナが起き上がって私の隣にお座りして甘えるように寄りかかってきた。愛犬時代もよくこうして密着してきたが、これは本当に可愛いのでぎゅうぎゅう抱きしめてやった。
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