たいしょう、

茉喜が僕の学校に来た。


それはとっても嬉しかった。


だってずっと心の中で思い続けてたから。



でも同時に僕は嫌だった。


こんな自分を茉喜に見られるのが嫌だった。






泡のように消えて、なくなってしまいたい─────。




僕はまた俯いた。





───休み時間になった。


「きゃははは!」

と楽しそうに笑う茉喜の声が聞こえた。

それを見て男子がソワソワ話す声も聞こえた。

次第に男子達も茉喜と話して、笑っている声が聞こえた。

…楽しそうだった。僕もあの輪に入りたいなと思ってしまう程。



(……でもダメなんだよなぁ……。

死んでもあの輪には入れないんだよなぁ…。)



小学生の時に起きたあの頃から人と関わることが億劫になってしまった。


(…億劫になってしまったというより僕は 

人間不信になってしまったのかもしれないなぁ……。)


視界が歪んでいく。



机に雫が落ちていく。

あの時の気持ちが全て流れていくように。



僕はただ一人教室の隅っこで鼻水を啜りながら涙を溢していた。




───花は枯れたままだ。

新しい芽も生えない。

枯れてシワシワになって床に落ちていく。



でもまたドライフラワーとして色々な用途で使われるものがいる。

好かれるものがいるのだと言うことを僕は知っている────。








帰り道。

僕はまた地獄の道を歩んでゆく。


…でも一人止める物(ヒト)があったんだ──。



「雅人!」




可愛らしいデイジーがそこにはあった。

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