学校にて

僕は白い大きい窓付きの扉をガラリと開けた。



────今日は僕の学校初日の日だった。ここ9,10年間あの家の周りしか出たことがなければ人との関わりもそんなにあったわけじゃない。誰かと友達にあったとしたら──そう茉喜くらいだった。だからこんな大勢の前に自分が立たなきゃいけないことに若干の恐怖を覚えた。



「お名前は……。」


そういう先生も少し戸惑った顔をしていた。そりゃそうだ。この時期に転校生なんて──というより僕の病気持ちに困ったんだろう。なんてったって今僕の左ポケットには点滴袋が入っているのだから。



…僕は勇気を振り絞って言う。


「中浜雅人ですっ。よろしくお願いします!」




精一杯言った。あまりにも強く拳を握りすぎて僕は手汗をかいてしまった。




教室が静まり返る。





僕はビクビクし、下を向く。




顔を上げた瞬間。



クラスの人から盛大な拍手をもらえた。

僕はそれが嬉しくてしょうがなくて頬を赤く染めて喜んでたのを今でも覚えている。



(このクラスとなら上手くやっていけるかも……。)




そう思い席に座る。

隣の子は二つ結びの白の服を着た可愛らしい女の子で、僕が席に座った時コソッと



「よろしくね!」



と微笑みかけてくれた。

その温かさに触れ、自然と緊張が溶けていった。



本当に本当に安堵しきってしまったのだ。




最初に仲良くなったのはクラスの中心核の男の子。

一緒にサッカーをしてくれた。僕のシュートが上手いととても褒めてくれた。

次に仲良くなったのはその男の子のグループの子達。

彼と同じく彼らは一緒に遊んでくれて、勉強も教えてくれたりととても僕によくしてくれた。

その次には席の隣の女の子と仲良くなった。彼女はよく授業中に先生の笑い話とかを話し合って楽しく授業が受けられていた。







それもこれも全部1週間で終わってしまった─────。




僕が病気持ちと知った時隣にいてくれる人は誰一人いなかった────────。

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