第132話クラン戦争前昼
復活して外に出ると、皆が既に居た。
「お姉ちゃん」
「オレンちゃん皆を呼んだんだね。さて、今からちょっと代わるね」
では、宜しくねナミ。
ナミと私が切り替わるとセカイちゃんとサエちゃんがピクっとする。
「アタシはミナ。今からクラン戦争の話をする」
目指す先は私が水氷の弾を飛ばしまくったクランだ。
「で、どんな風に攻めるんだ?」
「それは、夜に攻める。アタシ達の本分は夜だ。さらに、今日は満月の日」
「満月?」
「私だね」
「そう。ムニンのユニークスキルが永続する。次にアタシが体験した事を話す」
まず、クランマスターのサトシさん。
あの人はプレイヤースキルは勿論、スキルのタイミングも優れている。
正にリーダーだが、他にも切り札がある。
あまり分からないけど、とにかく強いのは確か。
モナ曰く、肌がピリピリするような嫌な気配がするらしい。よく分からない。
そこの点も気をつける。
次に魔術士、双子かもしれない方のかなりハイテンションのピンクの髪色。
「あいつ、いや。あの双子が1番頭がキレる」
え、そうなの?
『ナミは説明に集中してくれ。こっちはわたしが話す。良いか、あいつはサトシを持ち上げる為に敢えてあのような事を言ったんだ』
確か成る可くスキルを使わせないように、的な言葉を出させていた気がする。
『概ねそんな感じ。完全に計算して行っている。確証は無いけど』
そっか。
「ガル!」「シャシャ!」
現在は皆呼び出しており、イサちゃんが何かを訴えて来る。
ふむふむ。
「HPを1割まで減らしたらアタシが即死⋯⋯成程。あれは仲間の受けたダメージを返すスキルじゃなくて、自分の命を犠牲にした即死魔法か」
サトシさんに集中していたのであんまり予備動作等は見てない。それが難点と言える。
最後にタツキさんだが、ナミ曰くあれは本分じゃないらしい。
投げ槍が下手であり、突きの攻撃が上手い事から、投げ槍では無く普通に戦う方が得意と見たらしい。
「さて、こっからは役割分担。まずアタシはサトシ、セカイがタツキ、ムニンが魔術士のラン、オレンは『核玉』を探して破壊してくれ。破壊した或いは無い場合は速やかに呪術師のリンを対応してくれ。リンは倒すなよ。アタシ達の味方だからな。他の騎士はその他に任せる。寧ろ、殲滅の方が君達に向いているだろうからな」
「確かに、私やサナの場合は大群相手の方が本領発揮感があるな」
「私も⋯⋯」
「あぁ、メルはここで待機。シュラを上手く使ってくれ。ちなみにここにハクとクロも残す」
「はい」
「私は空から攻撃しようかな。折角飛べる魔剣だし」
「よし。決まったな。なら、皆で夜まで寝るか」
『おぉ!』
ちなみに枕となる召喚獣については戦争になった。
それは、仕方ないことだった。
何故なら、ハクちゃんとクロちゃんの寝心地は最高だからだ。
ネマちゃんも最高である。ハムちゃん、マナちゃんも心地良い眠りが出来る。
イサちゃんとカルちゃんはいじけていた。
◇
少し時を遡る。
「いや〜〜君ら負けたね」
「あぁ。負けた負けた。モフリ、戦闘もかなり上手かったな。ウチの娘は初心者だからああは行かないな。始めたばっかの初心者だから。それに付け加えて流派のスキル持ち。なかなか良い師匠を持ったんだろうな。魔法も使える。何もんだよ。召喚士と言いながら近接遠距離、両立してんだから」
「ま、君の嫁が良い情報を持ち帰って来る事を期待だね」
「問題無いだろ。あいつはその点はずば抜けている事を知ってるだろ?」
「ふふ、まぁね」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、あんまり無いわよ」
「え、おま、リスポーン?」
「えぇそうよ。最後に見たのは綺麗な虹色の光だけだったわ。あ、後貴方の姿を借りた人も来たわね。めっちゃ強かった」
「まじかよ。ユグドラシル、他にどんな人が居るのか」
「流石にモフリ級は居ないよね」
「それりゃあ居ないだろ。もし居たらクレーム案件」
「ふふ、確かにね。きっと一騎当千なんでしょ」
「だよね。そうであって欲しい。さて、やはりあの森付近に出没するらしいし、皆で探すか!」
しかし、今後モフリを再び見かける事は無かった。
森の近くやその付近のクランが終盤に殆ど生き残ってないのは言うまでもない。
そして、この3人は知らない。
その証明をするかのように数時間後、小規模クランと大規模クランが激しい戦争を繰り広げる事になる。
◇
「真下には大きなクランホーム。空には綺麗なまん丸の月。私達の戦闘日和だね」
「そうね」
「だな」
「「うんうん」」
「最近この皆さんが逞しくて、頼もしいです」
「メル、私らも頑張ろう」
「主、任セテ」
さて、下準備から始めますか。
「皆、展開!」
イサちゃん、ネマちゃん、マナちゃんが領域系スキルを展開。
ハクちゃんとクロちゃんがバフとデバフのエリアを広げる。
ネマちゃんでデバフはバフとなる。
「【真鬼】」
ムニンちゃんは今は角が生えている。
その角が月の光を吸収し、淡い紅色で角が伸びる。
「お? なんかレベルが上がる度に伸びる角の色が変わっている気がする」
さて、行くますか。
皆で落下してサエちゃんの闇で着地する。
空には月とオーロラと虹。ネマちゃんの空間は夜と同じ風景にして見えないようにする。
マナちゃんは目立つの後から来てもらう。
目の前のクランホームは扉の左右に見張り台があり、それぞれ1人づつ乗っている。
司法森羅に攻めるのはメルちゃんをシュラに替えたメンバー全員だ。
「さぁ。最初の一撃は派手に行きますか!」
オレンちゃんは先に行って『核玉』を探しに行って貰い、ムニンちゃんには見張り台の上に霊符を貼ってもらう。帰って来た。
「解」
見張り台の上が炎に包まれる。
◇
ぼん!
と、見張り台の上から炎が立ち上がる。
「来たようだな」
「本当に来たんだ。さぁ、行こ」
「うん。返り討ち」
「だな」
「用心しろよ。寝首をかかれるような真似はするな」
「勿論だよ」
「当然」
サトシはクランメンバーの前に立ち、雄叫びを上げる。
「さぁ! 行くぞ! 俺達の勝利は確実だ!」
『おおお!』
(今後、このようなイベントがまた来るかもしれない。その時の事も考えて。俺の本気は出さないで勝てるとありがたいんだが、そうは行かないだろうな)
そんな考えをした次の瞬間、門から大量の『闇』が現れた。
プレイヤーを呑み込んで行く。
「こっから始まるのは戦争だ」
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