第118話魔剣お披露目会 前編
そう、その声は正しくアレであった。いや、あの人かもしれない。
大丈夫、覚えている。
確か、最近か前に出会っている人だ。
『覚えてないし、心の中の言い訳は誰も望んでないよ』
否定が速いよ!
あと少しで出て来る気がするんだよ!
『あ、見た感じ覚えてない? ヒントは黒⋯⋯』
「あぁ! 石像さん!」
『⋯⋯そう。今はサナの名前があるからサナと呼びたまえ! にしても、雰囲気変わったな』
「あ、分かる? 実は悪魔に進化(?)したんだよね」
『あ、そうなんだな。そっちじゃないんだよ』
「あ、成程」
わたしの存在か。
話を逸らす為にサエちゃんの性能を紹介して貰う事に。
サエちゃんの火力を測る為の、『サンドラッグカカシ』と言うマーリンさんとメルちゃんが魔剣作成終了後に作った奴で試す。
レイシアさんの半分の力は耐えれると言うので余裕で私達には壊せない。
「【覚醒】全開放! 攻撃集中! 闇、形成パイルバンカーモード!」
サエちゃんの影から『闇』が膨大に溢れてサエちゃんの右腕に集中して釘のようになる。
「はああああ!」
その状態でカカシに向かって振るう。
半透明の数字が空中に現れる。
さっきので与えたダメージが見えるのだ。
「今のは自前のSTRで6030、闇の形成で突き刺すのに特化させて、闇のSTRは2010だから合計STR8040だけど⋯⋯出て来た数字が8なんだけど」
「サエさん。それは全てマーリンさんのせいです」
「え! 私のせいだけ! 私達には耐えられるように頑張っただけじゃん! しかも母体はメル君が作ったじゃん! 私のせいだけにしないでよ!」
うん。このカカシ私達には使い物にならないね。
サエちゃんはそれでも8はだせたので凄い火力だろう。
「ま、流石に攻撃速度とか遅いし戦闘ではあまり使えないな」
次に師匠達の作業が終わった事によりそろそろ本題が来る。
このクランが正式に動く時が来たのだ。
「さて、行きますか。飛天創世!」
ゴゴゴ、と音がなり体に本の僅かな浮遊感に襲われる。
「え、何?」
「ムニン大丈夫?」
「問題無いけど! なに!」
「これは、一体?」
「なんも感じないんですけど⋯⋯」
『闇だからな』
「これはなんですか?」
「モフリ、何か知ってる?」
「あれ? 言って無かったっけ? ここは飛ぶ予定だったんだよ」
名前は天空の世界樹だからね。
『言ってないよ!』
「すみません」
かなりの高度を取ってから地面が一瞬光を放つ。
確かこれは迷彩術式だと言っていた。
光を歪ませて浮遊しているココを下からでは見えないようにするようだ。
そのまま前方に進んで行く。
マップ外と内を隔てる透明の壁に当たり、徐々に入っていく。
「ここ、マップ外だったんだ」
ムニンちゃんの感嘆の言葉を聞きながらマップ内に入っても動き続けるクランホーム。
浮遊感等が無くなったのでメルちゃんの武器紹介に入る。
「ちなみに種族は?」
「エルドドワーフです。職業は神匠になりました」
「ありがとうね。それではどうぞ」
「うん」
「メル君メル君、あそこに乗ってどうぞ」
「いつの間に?」
いつの間にかスケルトンナイト達がライブのステージのような舞台を作っていた。
その上にメルちゃんは達、師匠、マーリンさん、レイシアさん、オレンちゃん、私、ムニンちゃん、セカイちゃん、サエちゃん、サエちゃんの肩にサナ⋯⋯さん? グリムちゃんの順で用意された長椅子に座る。
「それではまずはコレから」
1本の黒塗りの剣が現れる。
黒がベースだが、炎のような紅色の模様に水飛沫のように水色と白で構築され模様がある剣だった。
「
ふむふむ。
なかなかに興味深い能力の持った魔剣だね。
デメリットはなんだろ?
「デメリットは⋯⋯インベントリにしまえない事です。一定距離離れると勝手に付いて来ます。命令しても私を優先して守ります」
それは一周まわって可愛いのでわ?
きちんと攻撃も出来るようだし剣としての問題は無いようだね。
「あとは、分かれます」
そこが1番の特徴では無いでしょうか!
メルちゃんがフラアを見るとフラアは炎の模様と水飛沫の模様で分裂した。
「こんだけです」
片方は防御に、片方は攻撃にと出来そうだね。
きちんと戻るようだしね。
「次はこの子です。
「銃剣!」
この剣と魔法のファンタジー世界にあって良いのか!
ムニンちゃんが説明してくれた事を要約した内容はこちら。
この世界にも銃はあるが、アサルトライフルは無いようだ。
あるのは火縄銃、ピストル、スナイパーライフルらしい。
しかし、火薬は貴重品で乱用している人は少ないようだ。
大砲は普通にあるようだけどね。
銃は一定の火力と速度が保証されるらしい。
逆に言えばそれ以上の敏捷性があれば躱せるし、それ以上の防御力があれば跳ね返せるらしい。
メルちゃんのカノレは長めの銃身の下に剣が付いている感じだ。
もうそれは魔剣と言って良いのか些か疑問である。
「ちなみに弾はMPを消費して放てますので、火薬は要りません」
「「チート!」」
ムニンちゃんとオレンちゃんが叫ぶ。私もそう思うよ。
だって貴重な火薬を使わずに銃使えるって凄いやん。
「でも、スキル無いですし、あんまり当たりません⋯⋯多分」
試した事ないのかな?
それは気になる。
「特徴は?」
「飛ぶ事です(キリッ)」
それ全部に言うのかな?
さぁ、本命に行こうか!
「さっきも申し上げた通りに弾を自ら生成してくれる事、あとは下の刃は収縮可能となっており、少しだけ刃を伸ばせます。そして持ち手が銃から剣専用に変わります。射程は分かりません。刃も飛ばす事は可能ですが放った刃は回収不可、再生には3分かかります。射程は分かりません」
『⋯⋯再生?』
「あ、はい。10本の魔剣皆【自然修繕】のスキルを持ってプレイヤーで言う【自己再生】のようなスキルがあります」
もう「チート」と叫ぶ程の気力は我が妹達にはないようだ。
治るし制限はあるけど無限の弾、最高やね。
これは他の八本にも期待大だよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます