第113話クラン設立 前編
第3層の最初の国を探索しながらメルちゃん達を探す事にする。
メルちゃん、或いはグリムちゃんがメッセージメールのやり方を知っているかもしれない。
マップも使えるので見てみると、かなり国内が広い事に気づいた。
「だんだん広く成っている気がする」
『階層全体のマップが拡大されているのかもな』
そうだね。
今回はプレイヤー同士の戦いが基本に成って行きそうだし、色々とありそうだね。
マップ探索が楽しみである。マナちゃんに乗れば危険は少ないでしょう。
マナちゃんは今現在発見されているモンスターよりも高い高度を飛べるのだ。
「お嬢ちゃん、ここ、見に行っていかないか?」
「およ?おお、刀沢山⋯⋯」
おじさんに誘われて店内に入ると様々な刀や薙刀があった。
大太刀やら短刀やら色々とある。
「何か買って行くかね?」
「いえ、遠慮しておきます」
巫女服の人に刀を進めるおじさん。なかなかに面白い。
それに、私のゴールドでは買えないしね。短刀も。
尚、ゲーム内時間の数日後に詐欺店として店主のおじさんは逮捕される事となって塀の中に入る事と成った。
「見た目は江戸だけどファンタジー要素もあるね」
ファンタジー要素が少しあるけど建造物やNPCの見た目は完全に昔の人だ。
だけど武器店や薬屋等は1階層に近い見た目に成っている。
「不動産さんって何処だろう?」
『聞いてみたら』
そうだね。近くを歩いている一般NPC⋯⋯じゃなかったプレイヤーだったけど聞いてみる。
刀や袴等を見るとこの世界観を好きそうな人って印象を抱く子だった。
ポニテールで大人びているので子ではなく女性だね。
「すみません」
「はい。どうかしましたか?」
「不動産さんって何処にあるか知っていますか?或いは水色の髪の毛をした女の子と眼帯をした白髪の二刀流の魔法剣士なんですけど」
「不動産さん?は分からないけどその2人ならNPC達とあっちの橋を渡るのを見たよ。橋の前の素材屋で鉱石を見てはしゃいで微笑ましかったから覚えているよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
一礼して指で示された所に進む。
魔法剣士は最初に剣士に通ずる職業(後にメイン武器としての役割が決まるので重要)或いは魔法職(属性によって今後の属性が決まるので重要)レベルMAXにしたら転職でしていなかった方に変えてレベルを上げて転職で3次職の魔法剣士となる。
グリムちゃんの場合は魔法剣士(闇・双剣)である。
種族が進化してレベルが上がり難く成るからそこそこ大変だけどなる人は多いらしい。
ただ、魔法士よりも魔法が弱く、剣士よりも剣の技術や攻撃が弱くなる。
「グリムさんこの火炎石は火属性と親和性が高くて火属性の魔法やスキルの威力を上げる反面、防具等にすると水属性や氷属性に弱く成ります。加工するのに高温の熱が必要なので並の鍛冶師だと熱中症に成り易いです。私も最初の方は倒れまくって大変でした」
NPC達は仲良しなのか後ろで会話をして、メルちゃんはグリムちゃんに鉱石の知識を植え付けて居た。
見た事の無いNPCが孤立しているけど、紹介する場所に案内しているのだろうか?
私は橋を渡って移動する。
こう言う橋は現実でもなかなか生で見れないので良い感じがする。
沙苗ちゃんのおじいちゃんはこう言うの好きそうだな。
「闇属性だと、黒光石ですね。闇属性との親和性が高いので闇属性だと威力等が上がりますが光属性や聖属性に弱いですね。加工は簡単な方で耐久度が低いですね」
「色々あるんだね」
「はい!こう言うの調べるの楽しいです!」
「分かるよ。好きな物を調べて新たな知恵を手に入れる事はワクワクして楽しい。それを知らない人に語る事は言葉に表し難い高揚感があるよね」
「そう!そうなんですよ!」
「あのーそろそろ移動したいので⋯⋯」
案内人の人かもしれない人が言葉を発する前に傭兵NPCの睨みつけで黙り込む。
「2人とも」
「モフリさん?」
「モフリ?どうしたの?私達を探しに来た?何か色々あった?」
「えっとね⋯⋯」
私は2人に師匠達の場所を話したらグリムちゃんがメッセージを皆に送信した。
合流場所はここの転移ポータルである。
「師匠も行きますか?」
「いや、儂は探しておくよ。傭兵の皆さんとな。行っておいで」
「はい!ありがとうございます!」
「ごめんね」
「いいんじゃよ。メルに友達が増えるのは嬉しいからの」
「そう言って頂けるとありがたいです」
案内人さんはとても安堵した顔をしていた。
◇
転移ポータルに移動して皆と合流して、私が転移ポータルを操作する。
「お、今度は普通に転移ポータルの前だ」
しかし、それよりも驚きなのはかなり開拓が進んでいた事だった。
「あ、モフリ」
「師匠、かなり進んでますね」
「まぁ、外とここでは時間の流れが違うからな。この人達がモフリの仲間か?」
「はい。友達です」
「そうか。なら、案内しようか」
まずは様々な素材になる植物や食べ物の野菜の栽培をしている畑等。水は大きな木、精霊や魂を宿しているらしく世界樹となっている。その地下から流れている水を使っているらしい。
畑に使っている土等も栄養満点だ。
と、言うか既に実っている。
「ここクランホームってレベルじゃ収まらないね」
「ムニン、ここを利用出来るなら嬉しい事この上ないよね」
「だね」
次に移動したのはクランホームのメインルームである。
世界樹に触れ、移動と心中でも口でも唱えると場所が移動してクランルームに入る。
普通にハイテクな場所だった。それだけ。
ハイテク過ぎて世界観壊している気がする。
階段と繋ぐ扉があり、扉を開けて階段を降りると訓練所があった。
「ここは妾達が本気で作った場所だから主らでは絶対に壊せないから沢山使ってくれ」
つまり師匠達なら壊せる可能性があるんですね。
外に出て建設された建造物を案内される。
クランルームにはメインルームと訓練所、倉庫があった。
建造物の中で最初に来たのは誰も居ない鍛冶場だった。
「道具は全てそれってますね⋯⋯」
メルちゃんが何かを考えている模様。後で聞いてみる事にする。
他にはスケルトンナイトが経営しているポーション屋や素材屋等があった。
「或る意味領地だね」
「そうだね。これは、凄いね?」
語彙力崩壊中の我が妹達。
「モフリさんどうしますか?」
「どうすんの?」
「え、最終決定権は私にあるの?」
皆が顔を合わせる。そして、合わせて一言。
『ま、皆モフリ(さん)によって出会っているから(出会ってますから)』
「あはは、照れくさいな〜⋯⋯じゃあ、ここをクランホームにして、クラン設立しますか!」
と、言う訳でクラン設立の為に役所に行くことにします。
どの階層にもあるようだ。
「あの、モフリさん。師匠さん」
「あんたの師匠ちゃうけどね。何?」
「ここの鍛冶場使って⋯⋯」
「ええよ。誰も使えないし」
「⋯⋯ありがとうございます!」
使えないのに作ったの!取り上げず作るスタイルかな?
「そろそろ師匠と離れて自立する話が出てたんです。私も1人前になる為に自立しなくては!」
小学生が言う言葉なのだろうか?しっかりしているね。
「その為に最終試験、3時間以内に魔剣10本作る!」
『えぇ!』
ムニンちゃん、オレンちゃん、サエちゃん、グリムちゃんが叫んだ。
私、セカイちゃんはキョトン。
「魔剣って何?」
私はそこからである。教えてください。
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