第107話階層移動迷宮 始動

 アップデートされたら一気にやる為に昼間は寝て深夜に起きる事にした。鬼龍君に連絡を取り彩月ちゃん事メルちゃんも巻き込んだ。小学生相手なのに⋯⋯ごめんなさい。


「愛梨先輩の左目の秘密を教えてください!」

「良いだろう。とくと見よ!」


 左目の眼帯を外すと鉱石の左目が見えた。


「ルビー?」

「ふふん。ただのクリスタカラコンだよ」

「な、成程」


 愛梨ちゃんと桃ちゃんが会話をしている。それを真剣に聞いて目を見ている柑ちゃん。

 私達お姉さん組はそれを見守っている。知っているしね。


「で、本当に隠したかったのはこれ」


 愛梨ちゃんの目は右目は碧眼、左目は琥珀色となっており、そして模様がある。


「これね。ヒラメ龍って言うかっこよさそうでダサい名前の家の家系で女性だけが現れる開眼するんだよ。ただ、ママとおばあちゃんとヒーおばあちゃんよりも濃いんだよね。私。先祖返りって言われている。私と同じ濃さは先代だけらしい。で、能力は、完全治癒能力、テストの答えが分かる力、アポーツ、透視、夜目、遠目、相手の性別が分かる能力、相手の様々な暗証番号を見る力、相手の髪の毛の本数が瞬時に分かる力、相手の体重と身長が分かる力があるよ」

「愛梨ちゃん、ふざけ過ぎだよ」

「え!違うの!」

「桃ちゃん⋯⋯ま、少しだけ本当の奴はあったね」

「⋯⋯答えが分かる力?」

「残念。それは家系の男の右目、カレイ龍の力だね」

「あるんだ」


 柑ちゃんの呟き。聞いた話では満月の出ている時しか使えないらしい。


「答えはアポーツと透視。かっこいい名前を付けて使っている時もある。基本はマジックで使っているね。両親マジシャンしていて、力を使っているからかなりの有名人で各地を飛び回っているんだよね。だから、私もこうして暇を見つけて日本に戻って来ているんだよね」

「成程」

「ちなみに医者でもあるよ。透視の力はそう言うのにも使えるから」


 と、言うわけでそろそろ零時になるので皆でログインの準備をする。

 もうすぐ夏休みが終わってしまう。少し寂しい思いがあるね。


「じゃあ、皆の成長を披露しますか!」

『おー!』

「あ、私あんま変わってない」


 ログインして2層の最初のレジスタ帝国に来ている。


「あ、モフリさん方〜」

「メルちゃんよろしくね〜その後ろの人達は?」

「何時も同行してくれる傭兵NPCの皆さんと師匠です」


 メルちゃんの傭兵NPCはダンジョンで出会って助けたNPCのようだ。詳しくは知らない。

 今回ダンジョンで戦うのは基本に私、ムニンちゃんとオレンちゃん、セカイちゃんとグリムちゃんだ。だけど、初めての連携なのでグリムちゃんは基本的に見学するようだ。

 ムニンちゃんとオレンちゃんはかなり変わったがセカイちゃんはと言うと。


「チャクラは扱えるように成りましたが洗濯が終わって無いのでモフリさんシスターズには劣るかも知れません」

「なら、私達双子の力を示す時なり!」

「うん。ここのダンジョンのマッピングは私達に任せて。行くよ」

「ごー!」


 おお、全く見えない。


『バフが無ければベルゼブブにフルボッコされてたな』


 現在【飛翔】は練習中である。

 わたしでも扱え無かったからね。いやー練習でHP1桁になったのはいい思い出だよ。


「あれ!オレンなんか私より速くない!」

「レベル上がっているからね」


 もう曲がり角回っているのかな?分かんないや。


「2人とも罠は大丈夫なの?」

「私達に罠が反応出来ない!」


 返事が来るんだ。


「あ!落とし穴開いた!」

「こっちは矢が飛んで来た」

「モンスター発見!」

「くっさ、ゾンビですかな?」

「ぎゃあー!岩!転がる岩!道全部塞ぐのは禁止!モンスター再開!」


 なんか、楽しそうだね。と、言うか凄い声が聞こえるんだけど?どゆこと?


『忘れたんか?ワルフロ運営が出したアプリの繋がりで遠隔で会話が可能になったんだよ。あくまで連携増強の為だから狭い範囲でしか出来ないけど、ダンジョン内なら使いやすいだろ』


 成程。


 数分後、ボス部屋を発見したので2人が帰って来たので皆でボス部屋へと向かった。

 NPC達はメルちゃんの周りを離れない。護衛だから仕方ないのかもね。

 メルちゃんは基本的に情報が一般化された時に挑んでいるらしいし。


「さて、今回ダンジョンボスはどんな感じかな」


 扉を押して中に入ると、中にはゴツゴツした体を持った巨人だった。

 今度の見た目は人型に近い。ゴリラでは無いようだ。


「うぉぉぉぉぉぉん」


 地面が盛り上がり新たなモンスターが生まれる。ゴーレムかな?


「おお!予想通りに大軍を呼んで来たな!よっし!お姉ちゃんは1番強く成っているっぽいし大元は頼んだ!さぁ!火力貧弱双子姉妹は競争するよ!」

「うん。負けない」


 あ、言っちゃった。


「今回はモフリさん達に任せますね。少し気になりますから、レア種族の悪魔でしかも最高クラスですから」

「うん」

「じゃあ、私は強く無いしメルの護衛って事でNPC達と混ざるな」

「私は観戦」


 うん。協力プレイってなんだっけ?

 まぁ、確かめるなら確かにこっちの方が良いけど、良いけど、協力プレイの練習しようよ!

 て、私達の強さの段階が皆よりも上だから足並みが揃え難いのかな?


「さて、皆来てね」


 エフェクトが自分で作れたので色々とこだわって作りました。

 ハムちゃんは進化しても戦闘向きじゃ無いので今回は留守番です。ごめんね。

 ネマちゃんは私の肩からゲートを開いて出て来て、イサちゃんは地面から登って来るようにゲートを開いて出て来て、マナちゃんは空から、私の背後空中に2枚の形代が浮き、そこから白色と黒色の九尾が現れる。ハククロちゃんである。


「皆!空間、領域スキルを使って!」


 皆が使う。ネマちゃんの【混沌空間領域カオス・フィールド・ディメンション】は都合の良い感じに効果を変更出来る力がある。

 相手にデバフが効くか分からないが、デバフをバフに変更する効果をこのスキルで使えば、ハクちゃんのバフとクロちゃんのデバフが全てバフとなり仲間の援護を最大限に出来る。

 デバフなのでクロちゃんの方がバフの力は低いけどね。


「さて、行くよ!」


 今回は巫女らしく行きますよ!なのでお祓い棒を取り出す。


「にゃー」


 ネマちゃんは私の隣に並ぶ。一緒に戦うようだ。


「さぁ、行こうか。私達の戦いを全力でしよう!」


 尚、今回はわたしに頼るつもりは無いよ。名前、考えないとややこしいね。


『せやなーファイトー』

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