第104話レーヴァテインと告知
「お、モフリ起きたか!⋯⋯良かった。元のままなんだな」
「?はい。元気ですよ!」
ハクちゃん達の異常なモフのお陰で元気200バーセントです。
「あ、これ」
そう言って師匠は私に黒色の剣を差し出して来た。
私にピッタリな長さの剣、そうレーヴァテインだ。
ベルゼブブは私の身長に近く扱う武器の長さも調度良いのだろう。
「良いんですか?」
「ああ、戦利品はこれだけだ」
「吸収してしまいましたしね」
「そうだな」
師匠からレーヴァテインを受け取ると、炎が私の体を包み込む。
高速で減るHP、慌ててレーヴァテインを離すと治った。
急いでマナちゃんが回復魔法を掛けてくれる。
「え、何?」
「⋯⋯何が起こって?」
「おや?」
将棋の世界から帰って来たレイシアさんが首を傾げている。
説明欄を確認する。
「ここかな?えーなになに。呪いから解放され、自我を確立した魔剣。魔剣だが魔剣にして有らず、天使:タロットの力を僅かだが吸収して魔に連なる者に触れられたらその者を焼き滅ぼさんとす⋯⋯わぉ」
インベントリを操作したら入れられたのでインベントリにしまう。
「にしても無事で良かったよ。本当に。なんか強く成っているし新たな妖術を伝授しないとな。光が収まってから2時間も目が覚めないから皆も心配しておったぞ」
師匠達は結構気楽な感じでしたけどね。
およ?今、2時間と仰いましたか?
確かベルゼブブとの戦いが数時間続いて、そして2時間。
現在、ここでは太陽の明るさは分からないが時間は⋯⋯後、少しで待ち合わせの時間だ。
30分程度。
「し、師匠!話は後で!ここに戻って来ますね!行かなくてはなりませんから!」
「お?そうか分かった。皆で当面の間は居るからな。そこんとこよろしく」
「はい!マナちゃん!」
「ギャ」「フォーン!」
「え、カルちゃんが私も運ぶの?」
「フォン!」
マナちゃんは甲羅や頭の上などに銀色の鎧のような物を付けている。いや、甲羅に関してはメタル要素しか無い。
かなりの変化である。
いや、皆変化しているよ?ネマちゃんに関しては人だしね。
「にゃ?」
「え?」
尻尾が2本のネマちゃんが足元に来ていた。
普通に可愛い。小さい。元の大きさだ。可愛い。ネマちゃんを抱えてマナちゃんを見ると顔を前に倒して居た。
「分かった。よろしくねカルちゃん。他の皆は戻ってくれる?」
え?私の影が急に広がって皆が沈んで行く。こっわ。
マナちゃんは虚空に穴を開けてその中に入った。もう!色々訳わかんない!調べる時間は無い!
ネマちゃんは自ら黒巫女服の中に入って顔をちょこんと出している。
「カルちゃんよろしく」
「フォーン」
「わぉ」
驚いてばかりな気がするが、カルちゃんの体が音を轟かせながら変化して行き、バイクのような形に成った。
⋯⋯怖い。中どうなっているの?大丈夫?体に異常は無い?
でも、凄く自信満々の顔を向けられると杞憂だと思うね。
私はカルちゃんバイクに跨ぐ。
カルちゃんの姿勢は地面で伸びをしている感じで、前足と後ろ足の間にタイヤがそれぞれある。
そのタイヤが動いて進む。かなりの速度だ。
さらに後ろの筒形の物から水が噴射されて加速している。
これは速く着きそうだけど森とか大丈夫かな?
「近くの国に行こう。あそこで転移ポータルを使う」
「フォン!」
運転とか必要無いし、なんなら転げ落ちる事も無いので私はネマちゃんの撫で具合を確かめる。
お、なんだこれは?
モフモフかと思ったら今度はゴワゴワ、そしたら次はプニプニ、フカフカ⋯⋯もしかして色々と毛の感触変えれる?
「ニャ!」
まじですか〜凄。
聞いた感じでは分裂も出来るようで、肉体を持たない肉体も作れるようだ。1行矛盾だが、要するに幽霊的なアレを出せると言う認識で良いようだ。
数十分のドライブの元到着したのでカルちゃんとネマちゃんを帰して転移ポータルへと向かい転移する。
向かと既に皆いた。
うぅ、私お姉ちゃんなのに妹達よりも遅く来てしまった。
そこにはムニンちゃんとオレンちゃん、セカイちゃん、サエちゃん、メルちゃん、そして現実と同じように左目に眼帯を付けて居て背中に2本の剣を担いでいるのは愛梨ちゃんだろう。
プレイヤーネーム聞くの忘れたよ。
「遅れてごめーん」
「あ、お姉ちゃん!大丈夫だよギリギリセーフ!そろそろ始まるよ」
「あ、言い忘れたけど私の名前はグリム・リーパーだよ。グリムって呼んで」
「分かったよグリムちゃん」
グリム・リーパー、英語で死神って意味だっけ?
と、そろそろ始まる。
中央広場の噴水の上空に半透明のウィンドウが現れて、中からシルクハットに仮面、タクシー姿の男?が現れた。全身真っ白だ。
今のオレンちゃんみたい。
『やぁプレイヤーの皆様方、今回はこのような形を取らして頂きました。そして集まって到たぎ感謝致します。まずは告知を、8月24日は丸一日メンテナスで開けなくなります。理由としては第三層の追加とクランシステムの導入の為です!長々お待たせしました!』
次の瞬間広場が歓声に包まれた。
『クランシステムの設定をお送り致します!勿論、口頭でも説明しますね。まず、クランは最低4人居れば作れますが、作ってから4日以内にクランホームを手に入れないと強制解散となります。クランホームは各階層にあり、NPCから譲って貰ったり、建物を買ったり、作ったり様々な方法で手に入ります!そして、10人以内は小規模、100人以内は中規模、1000人以内は大規模クランとなります。そして、大規模クランは領地を得る事が出来て、領地開拓が可能です!NPCも来てくれたりと、まぁ、色々と出来ます』
最後、適当では?
『そして、皆様方の夏休みであろう日の最後のイベント、第3回イベントの告知を26日にお渡しします。では、さようなら〜』
「24日か、課題提出日だね」
「そうですね。調度良いタイミングです」
「学校⋯⋯面倒臭い」
「ムニン、私の課題もよろしくね」
「それは勿論」
「私はムニンさんとお留守番だね」
「この後、どうする?」
「私は新しく手に入ったスキル等の確認を、3層に行く為のボス相手にどう戦うかも考えないとだし」
「そっか、じゃあ解散だね」
「うん、また」
『あ、言い忘れて居ましたが、3層のテーマは戦争と共同です』
「「物騒だね!でも、そそられる自分が居る!」」
流石我が妹達。
『3層では
そして、解散して私はマナちゃんを呼び出して遠くに飛んで行った。
そして、皆を呼び出す。消費MPは無く、ポンと出せるしエフェクトを付ける事も出来るようだ。
「さて、色々と見ますよ!」
まずは【飛翔】これ凄く気になってた。
「【飛翔】」
ふんわりと浮遊感を覚える。
お、おぉ!飛べる結構速く飛べる。翼は出ないのか。
次に旋回!あ、まって、スト⋯⋯
旋回が上手く出来ずに地面に向かって飛んでしまった。HPが23減ったよ。
その後、色々と調べた後に第三層に行ってから師匠達の所に行こうと思う。明日は24日だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます