第100話【双子の上位悪魔】黒巫女召喚士と暴食之悪魔 ㉙
師匠の父こと魔法士骸骨とレイシアの父こと剣士骸骨が戦っているのは
『ギャハハ、俺様達の相手はヒョッロヒョロの骨かよ』
『ギャハハ、これは思っていた以上に簡単かもな』
『俺様は魔法の方を殺る。お前は剣の方を殺れ』
『了解なり』
双子の悪魔は同時に地を蹴り互いに決めた敵に接近する。
魔法士骸骨の相手は少しキモイ人間のような見た目をしていた。
『魔法にはゴリ押しだ!』
脳筋プレイヤーの意見を採用したかの様な言葉を叫んで魔法士骸骨に接近して拳を突き出す。
高速移動からの展開した正拳突きは見事と言って差し支えないだろう。
だが、相手も死線を何回も潜り抜けた猛者である。
純粋で単純な正拳突き等は躱すのは容易であった。
「【アンチデーモン】」
『ナッ!骸骨とか言うアンデッドの分際で聖属性使えんのかよ』
脳筋な考えを持ちながら頭は普通にキレるようだ。
魔法範囲からバックステップですぐに離れる。
距離を取り正拳突きの構えを取る。
『【衝撃波】』
拳のサイズの衝撃波が狙い違わずに魔法士骸骨に向かって放たれた。
「【シールド】」
半透明の結界の盾を目の前に展開して放たれた衝撃波を防ぐ。
刹那、魔法士骸骨の背後に上位悪魔が現れて回し蹴りを顔面に向けて放つ。
魔法士骸骨は屈んでそれを躱し鎌形杖を上位悪魔に向ける。
「【ホーリーソード】」
聖なる光が形成し斬撃となり上位悪魔に放たれた。
体を空中で捻り躱し、地面に着地して【縮地】を使って距離を取る。
『フーーー』
深呼吸して冷静な考えを持ち最適解を導き出す。
『【
悪魔の拳に炎が宿る。
10秒に20パーセントの確率でHPが5減るデメリットが存在するが、攻撃に火属性が乗り相手に炎症ダメージを当てる事が可能になる。アンデッドに対して火属性は効果が増す。アンデッドには『火傷』は無いがプレイヤーは他のモンスターやNPCには『火傷』と言うデバフを当てる事が出来る。
『火傷』は一定の時間ごとに一定のダメージを受けるようになる。
『【縮地】【パワー】【パワーナックル】【衝撃波】【加速】』
スキルを乗せて一撃の威力を成る可く上げて高速の拳を駆けた勢いも乗せて魔法士骸骨に向けて放つ。
高速に放たれた拳は残像が見える程である。
だが、魔法士骸骨は冷静だった。アンデッドだからかもしれない。
「【シールド】【ブロック】」
半透明の盾を顕現させて、相手の攻撃に対して体が勝手に動き防御体制を取る事が可能な【ブロック】を利用して、適切な位置に半透明の盾を顕現させたのだ。
『そんなんで止められねぇぞ!』
盾に拳を衝突させ砕き貫通して魔法士骸骨に拳を放つ。
鎌形杖を構えて拳を防ぐ。
『クッソ!力もつえーのか?』
「【ホーリーフレア】【セイクリッドアロー】【セイクリッドストーム】」
聖なる光を持つ炎に矢に風が巻き起こり上位悪魔を攻撃する。
自分の最大弱点である聖属性に苦しむ上位悪魔。
「これで、終わりだ」
『⋯⋯ッ!』
「【エクスプロージョン】」
近距離で大規模爆裂魔法を放たれて木っ端微塵になり、上空で球体型の爆発が起こる。
とてつもない轟音と爆音、衝撃波が激しい風となる。
一方剣士骸骨は両手が剣に成っている普段の生活が出来ないであろう上位悪魔と戦っていた。
天叢雲剣と両手の剣が数回交わり悪魔の剣が傷ついている。
悪魔の剣はあくまで体の一部なので傷が付く。
それでもすぐに再生する。
悪魔が接近して右の刃を大きく振るい攻撃する。
剣士骸骨は天叢雲剣を縦に振るい防ぐ。
悪魔は左の刃を突き出して攻撃する。
剣士骸骨は跳躍して躱し、体を捻り回転斬りで攻撃をする。
悪魔は体を仰け反らし躱して両方の刃を突き出す。
「【空力】」
空中に蹴って跳び刃の突きを躱す。
「【ホーリーブレイド】」
『【ダークブレイド】』
青白く輝く刃と黒色に輝く刃が衝突する。
火花、衝撃波、衝突音が連続で辺りに広がる。
何も無い所に水を大量に流して素早い速度で広がる様な勢いで広がって行く。
互いに交わる斬撃は並大抵の者では目視不可のスピードである。
「なかなかやるな」
『ふん。お互い様だな?』
「そうか?」
剣士骸骨は昔だが、子供の頃のレイシアに剣を教えていた事があった。
今では圧倒的な差があるのだが、それでも師匠だった事には変わりない。
それだけの実力である。アンデッドと言う成長限界が無ければきっと、更なる成長を果たしていただろう。
アンデッドは『安定』である。生物的な『成長』は見込めない。
勿論例外や抜け道はあるのだが、魔法士骸骨と剣士骸骨は不可であった。
超越者には成れなくても仙人クラスには成れたかもしれない。
そんな実力者に対して生半可の上位悪魔では相手に成らない。
故に、互角近くに戦えている上位悪魔はそこそこ長生きのようだ。
だが、それでも後、後1歩足りなかった。
「日天龍剣術、奥義、日天万別之剣」
『かは』
何が起こったのか、何をしたのか、それが認識不可だった。
ただ、剣士骸骨が天叢雲剣を左下から右上に振り上げただけだった。
それだけで、たったその小さな行為だけで上位悪魔は木っ端微塵子になったのだ。
『⋯⋯』
最後に上位悪魔が何を思ったのか、それは当分分からない⋯⋯かもしれない。
私はベルゼブブに接近して刀を振るい攻撃するが、防がれる。
バックステップで距離を取る。
「お願い皆!時間を稼いで!」
皆がこくんと肯定の意を示してくれた。
【巫女の舞】には色々と段階がある。
第一節や第二節のように繋がりのある段階別に成っている。
それが基本らしいのだが、幾つか違う物がある。
今やるのがその一つだ。
特定の舞を舞う事で特別の舞が可能と成るのだ。
反動が大きかったりするけどね。例えばバフとか、攻撃専用のもある。
ほんと、これ作った師匠のお父さんかレイシアさんのお父さん凄いよ。
マナちゃんとイサちゃんが柱と成ってベルゼブブと戦う。
レーヴァテインを横薙ぎに振るい炎の斬撃を放つが、イサちゃんが盾等のスキルを使って防ぐ。
マナちゃんがベルゼブブに攻撃している。
私は舞うだけである。
ネマちゃんとハクちゃんはその戦いに参加出来ないで居た。
ベルゼブブがレーヴァテインをマナちゃんに振るうへばマナちゃんは後ろに並行飛行して躱す。
『【ダークネスフレア】』
黒紫の炎はイサちゃんが受け止めてマナちゃんが回復する。
頑張って、皆。
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