第60話黒巫女召喚士と死霊の帝王 壱

 ネマちゃんは私と一緒に走り私がスケルトンがツルハシをスイングするのに合わせて鎌を振るい弾いてスケルトンのバランスを崩し私も崩される。

 その間にネマちゃんが攻撃を仕掛け、イサちゃんの【挑発】をタイミングを見て発動させてネマちゃんのタゲをイサちゃんに強制移しをする。

 そして倒れたスケルトンが起き上がるよりも速くに私が起き上がり鎌の先端をスケルトンの脳天目掛けて振り下ろした。

 骨であっても弱点は人と変わらない。顔なら共通しての弱点かもしれない。

 そしてHPを6割減らせる事が出来たので残りは4割だ。ここで私とネマちゃんの貢献度が極端に高いと感じた私はネマちゃんを1度下げて私は防御のみに徹する事に変えて、イサちゃんとハクちゃんが近接攻撃に加わりクロちゃんは現状維持、カルちゃんはタイミングを見て私が運んで近接攻撃して貰う。

 近接攻撃でダメージが入れば良い方だろう。


 そのような流れに変えて戦闘をしているがカルちゃんの近接攻撃が意味の無い行為だと分かった時点でカルちゃんは見学になってしまった。

 一応は近接攻撃もさせるもしかしたら戦闘に貢献した扱いになるかもだし。


 そしてスケルトンを倒し終わった。カルちゃんは進化しなかった。

 ダンジョンの先を進む。既に探索し尽くされたこのダンジョン。

 まだクランは実装されていないが集団のグループはいくつか出来ているようで簡単なダンジョン等は既に全貌がリークされている。

 ユニーク装備等は別だけど。


 ダンジョンを進んで行くとここは死霊の蔓延る場所だと感じた。

 攻略情報でモンスター情報や地図は分かってはいるが実際に見ると違う。

 スケルトンはまさに人の骨って感じでゾンビは片目が飛び出ているゾンビ等が居たりした。

 そんな苦労あってカルちゃんは青白い光に包まれた。つまりは進化だ。

 カルちゃんが子亀から亀に進化した。

 そして私の職業も1レベルづつ上げっており、更には黒巫女の装備の補正のステータスに+10加算されていた。


 そして私達はボス部屋の目の前に居た。

 地味にソロダンジョン攻略は今回が初であり、更に相手はレベル30上なのだ。

 職業だけで言うと20レベルかな?

 皆のMP回復を待ってから私達はダンジョンボスに挑む事にした。

 今回は本気で戦うので妖術も霊符も使う予定だ。

 そしてこのダンジョンのボスは死者の王アンデット・キングである。

 攻略情報も見ているので攻撃パターンも、問題ない。

 そして扉を開いてダンジョンボスエリアに足を踏み入れた。


《特殊条件:超越者の弟子を確認しました》

《超越者の関係者と確認しました》

《死霊達の怨念がボスを強化します》

《成功しました!おめでとうございます。強化ダンジョンボス死霊の帝王アンデット・ロードに進化します》


「いや、成功しなくて良いよ!」


 渡りとまじで本当にどうして進化するんですか!

 私の調べた情報では体長3メートルのスケルトンのボスが体長5メートルになって骨が真っ黒になっていた。

 そして武器は情報では剣を使って魔法剣士スタイルのようだったが、目の前のスケルトンが持っている武器は2本の大鎌だ。


『カカカカカコロスコロスケケケケケ』

「純粋に恐怖!」


 カルちゃんを応召、広範囲での索敵要員としてマナちゃんを召喚する。

 マナちゃんと空に飛ばして状況を見て【所有】を使う。

 まずは相手の戦い方を伺いその次に最適解を導き出す。

 基本の基本的な戦い方だ。

 さぁ、どう来る!

 答えは一瞬で10本くらいの氷の槍を生み出して私に飛ばすでした。


「あれも杖かい!」


 私は大鎌とお祓い棒のチェンジ⋯⋯インベントリ操作が間に合わない!

 道中よりも天井高いしこれを使う。


「妖術合体【風刀】風断流大鎌術、反風上り!」


 大鎌に【風刀】を纏わせて風断流大鎌術の私の覚えられている技の反風上り、上に風を直線的に生み出す技だ。横流れの風を縦線の風で断つ用の技を私は氷の槍を防ぐ盾にした。


「何とか耐えた⋯⋯だけど」


 簡単には勝てない。

 ハクちゃんにはネマちゃんに攻撃、私に妖術バフを掛けて貰う。クロちゃんにはデバフを掛けて貰いたいのだが相手にデバフの耐性が高いのかクロちゃんのデバフは意味が無かった。続いてイサちゃんの【挑発】も完全に意味が無かった。

 カルちゃんは進化したばっかりなのでLv9と今では進化前のLv9の方がステータス的には強い。

 そして、進化前も今もカルちゃんの魔法では相手にダメージを与えられない。私の信念を貫く為にも無駄に召喚出来ない。

 と、言うか勝てますかね?


「クロちゃん、イサちゃん戻ってね」


 流石に危険。クロちゃんは素直に頷いたがイサちゃんは引かない。イサちゃんはタンク役だ。タンクとしての仕事をしたいのだろう。私の理念とは真反対の性能をしているイサちゃん、だが私は皆の意見を尊重したいと思っている。だからイサちゃんは残した。だけど無理はさせない。基本攻撃を受ける役目は私だ。

 今の私の最大MPは250、召喚は職業進化により消費MPが少なくなっている。

 なのでMP3あれば召喚が可能で【風刀】で20、残りMPは227だ。

 節約しながら近接攻撃で削る。それ以外に無い。


 私は駆け出す。相手は魔法攻撃を基本としている筈だ。近づいて攻撃を──私はバックステップを大きく使用して大鎌の攻撃を躱す。

 相手の右の大鎌は近接攻撃用の鎌で左は魔法用の鎌なのかもしれない。

 魔法での遠距離攻撃、大鎌での近接攻撃も可能。


「チート?」


 流石にズルくない?⋯⋯え、私?私の同レベルの人と比べたら召喚士なのに+2召喚出来て今では近接と魔法的な物も使えますね。うん、完全ソロ向きのステータスだし人の事言えない気がする。


「あ、相手は人じゃないし良いか」


 あのチートの相手の攻略方法を何とか考え無いと行けない。

 相手がどんな魔法を使うのか、どのように近接攻撃をして来るのか、その全てを見切る。


 私が直線的に攻撃を仕掛けて背後からネマちゃんが攻撃をして、安全重視で一回攻撃したら1度距離を取って貰い、ハクちゃんには私中心にバフを掛けて貰う。

 私にターゲットが向くように目立つような行動や無視出来ないダメージを与える必要がある。

 私が大鎌を振るうと相手は軽々と右手の鎌で防いで力技で押し返して来る。

 空中でバク転して着地をして【風弾】を放ち様子見をしたが左手の鎌を前に突き出しただけで六角形のシールドを自分の周りに展開するような魔法を使って完璧に防いだ。私の【風弾】相手には些かオーバーな気がする。


「さて、どうやったら勝てるのやら」

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