第59話新たな冒険の始まり

 アイアンコイン×1、ゴールドコイン×2、ダイアコイン×1か、これで何が出来るんだろう?

 すると運営のマスコット的なアレが映っているウィンドウが目の前に現れた。


《イベントお疲れ様でした!今回のコイン1枚で1つのスキルと交換出来るよ!レア度によって手に入るスキルも変わります!それでは、どうぞ!》


 ウィンドウが暗転して次に出てきたのは、上の方の欄にはコインの種類が選べてメインにはスキルがあった。

 更にスキルの中にもレア度があるようでコインの数が違った。更に既存のスキルも選べるようだ。


 私が選んだのはこれだ。

 アイアンコイン→縮地

 ゴールドコイン×2→超知力

 ダイアコイン→風断流大鎌術


 結果として縮地は1レベル上がった。


 ───────

 超知力

 INTの数値が2倍になる

 ───────

 風断流大鎌術Lv1

 風断流と呼ばれる風を断つ流派と呼ばれたの大鎌術

 ───────


 これで多少は大鎌は使えるようになるだろう。


「さーて、寝よ」


 現在00:13である。現実での生活バランスもあるので今日はこれで切り上げる。


 翌日

 私は商業ギルドと呼ばれる場所に来ている。

 ここに郵便の役目もあるようで、そこの受付に向かう。

 受付のNPCに話して運営からの特典を頂く。


「虹の羽?進化の兆し⋯⋯説明短ッ!」


 取り敢えずインベントリにしまっておく。

 そろそろ大鎌の確認をして、そして召喚獣達のレベル上げだね。

 カルちゃんとネマちゃんとイサちゃん、ハク・クロちゃん達のレベル上げだ。

 次のネマちゃんとイサちゃんの進化が終わったらマナちゃんとハムちゃんに交代だ。


 ───────

 巫者の大鎌

 条件:巫女系統の職業

 特性:【眷属】【妖術合体】【霊体断ち】【破壊不可】

 STR+120

 説明:眷属─この鎌は適当に捨てても自分の元に戻ってくる

 妖術合体─妖術を鎌に纏わせる事が出来る。持続させると持続的にMPが減る。消費MPは妖術に依存する

 霊体断ち─種族問わずに攻撃可能


 この鎌は巫女のみが使えるように作られた近接攻撃特化の武器、妖術との親和性が高い

 ───────


 全体的に黒が使われていて線の様な模様で赤色が使われている。

 私は近くの森等ではなく、相乗り場の馬車──現実だとバスのような物に乗って隣の国に行く。

 隣の国はこの2層にある程度慣れた人が行くようで今でもそこそこの人口があるようだ。

 更に乗り換えて、それを繰り返してとある国に来た。

 推奨レベルは130の国のフィールドに来た。

 私の場合推奨レベルと30低いけど、少し上の方がレベル上げが捗る。


 ちなみに現在最高は4次職、つまり4回進化なので最大レベル400となる。

 召喚獣で表すと職業の一個上まで進化出来るので召喚獣は実質5次職だ。

 一回目の進化は10、次に30、60、90、120である。

 120になってもゲームのシステム上進化しない。更にはレベルが上がれば上がるほど経験値の取得率が下がりレベルが上がり難くなる。

 そして最大まで強化したら後はスキル、隠し職業等を見つけるしかない。いずれ上限突破があるかも。


 さて、今は廃鉱に来ている。

 洞窟のようなダンジョンなのだが、天井が高く横もそこそこ広い元々鉱山だった設定のここなら鎌も扱い易い。

 鎌の練習もしながらレベル上げだ。


 手順は簡単、ハクちゃんのバフをネマちゃんに、クロちゃんが防御デバフ、場合を見ては攻撃や敏捷デバフ、次にイサちゃんの【挑発】でタゲ取り、カルちゃんが全身全霊の【水泡】を放ち、最後に私とネマちゃんの総攻撃だ。


 目の前にスケルトンが居た。サビ付き綻びのあるツルハシを持ってカラン、コロンと音を鳴らしながらこっちにゆっくりと進んで来る。


「さて、行くよ!」


 スケルトンだし、物理攻撃問題無いよね?巫者の大鎌なら問題無いだろうけどカルちゃんやネマちゃんは大丈夫だろうか?

 決めていた流れを追って攻撃をする。カルちゃんの攻撃でダメージを受けたかは知らないが一応戦闘に参加しているので問題ないと信じたい。

 そしてネマちゃんの爪で足を連続で攻撃、少し減った様な感じがする。


「せいやぁ!」


 スキル補正でこんな風に動くと良いのか分かるので、その通りに動いてスケルトンの首を目掛けて鎌を斜めに振り下ろす。

 風断流の技はここでは使いにくい。レベルが低いのであんまし強くないし、風が無いと使えないと言う。

 妖術合体で行けるかもだが、私は鎌を扱う練習でもあるのでコレで行く。

 そして、首を見事に切り落としたのだが、減ったHPは1割程度だ。

 私達はすぐに距離をとる。

 スケルトンは自分の首を拾ってひっつける。

 ここまでのレベル差である。

 正確には27レベル差なのだが、それでもここまでしかダメージが通らないのは辛いね。

 妖術特化にしようかとSTRは上げていなかったのが仇となったのか、ゴールドコインでSTR上昇系のスキルと交換しておくべきだったのかも。

 ま、今更だね!


「まだまだ行くよ!」


 カルちゃんは崖に行くまでに少しモンスターと戦闘をしたので少しレベルが上がっているので何とか2発打てるので使って貰いハクちゃんには私に攻撃バフを掛けて貰いクロちゃんにはデバフが切れたら再び掛けて貰う事にした。


「はぁ!」


 ネマちゃんは背後から攻撃を仕掛ける為に動き、私は半回転してスケルトンに背中を見せる。

 半回転するのに合わせて鎌の先端を顎に向けて振り上げて自分の前まで先端が来る程に勢いを付けた。

 だいたい半円を描く様な斬り方だ。

 鎌、なかなかに難しい。棒は棒だから簡単だったね。


 遠心力を利用して半回転してスケルトンと向き合い鎌の刃を右斜め下から振り上げて少し切り裂く。

 ダメージエフェクトや切り傷のエフェクトが出現してそこそこのダメージを与える。更にネマちゃんも攻撃をする。


 スケルトンとは野球のバッターのようにツルハシをフルスイングするのに合わせて軌道の先には鎌の鉄心を持って来て防ぐ。

 武器で防ぐとSTRとVITが全て防御力に移る。

 だが、AGIやINTにメインに振っていた私は弾き飛ばされる。

 壁に激突したが減ったHPは29だ。受け身取って正解だ。

 貴美の師範の武術体験等で受け身や諸々を教えて貰った事がある。自己防衛としてね。


 さて、スケルトンの減っているHPは2割、つまり残り8割残っている。

 27レベル差でここまであるのかと疑問だったが、巫者の鎌120と自身のSTR18が組み合わさってもそこまでダメージは出せないようだ。

 更に鎌自身のSTRが120であり、刃できちんとした攻撃じゃないとこれは加算されないし相手にもVITがある。


 だけど、相手の速度はそこまで速く無いので冷静に順調に対処していけば問題無い。

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