第58話第2回イベント


「まずはお姉ちゃんの居る最初の国、レジス帝国って名前なんだけど、その地図がコレで、柑は自分で用意しているでしょ?私もある」

「作ったの?」

「まぁ、書くだけならDEX必要なかったから、ね。もしも書くのにもDEXが適用されたらそれ専門の人に頼んで居たね」

「そうなんだね」


 ゲーム内で作った地図等はプリンター等とディスクを接続する事で可能だ。


 そして、時間となり家族皆でログインした。

 もしかしたら前回のイベントのプラチナコインを使うかもしれない。

 もしもそうなれば私はセカイちゃんにあげる。

 それと桃ちゃん達に運営からの特典の受け取り方を教えて貰ったのでイベント終了後に貰おうと思う。


「さて、行きますか」


 まずは師匠達の所に行ってみよう。

 ハムちゃん、イサちゃん、マナちゃん、ハクちゃんクロちゃんを召喚して今回のイベントを本格的に楽しもうと思う。



 神社に着いてエレベーターに乗る前にエレベーターのボタンにシールを貼っておく。

 20Gで1枚雑貨屋で買えたので分かりやすいように張っておく。

 空中にシールが浮いているようでなんか、変だ。


「師匠〜何かありませんか?」

「ん〜急に来て何を言っているかさっぱりだが、もしかしてコレの事を言っているのか?」

「それは?」

「空から降って来た」


 師匠からガチャ玉のような物を貰って開けると、『ハズレ』と書いてあった紙があった。

 そして、ぽんとコミカルな音を出して消えた。


「コレ見たいですね」

「そうか、ここにはもう無いぞ」

「はい、ありがとうございました。次行ってみます」

「ああ」


 空から降って来たのか⋯⋯なかなかにシュール。

 師匠のこの空間を貫通して来るようだね。さすがは運営。当然か。


 次に来たのは骨さんの所だ。

 でも、どうやったら行けるんだろ?巫者の鎌を持って落ちれば良いのかな?それともまた祈る?普通に落ちる?


「ん〜」

「ちゅん」


 ハムちゃんが虚空を指す。私はその方向に進みながら手を伸ばすと何かしらの感覚があり、探るとボタンの様な物があり押すと、一瞬で皆と一緒に移動した。


『お、どうした?』

「実は球体型のカプセルありませんか?」

『ん?ああ、空から降って来たアレか?⋯⋯すまん、崖の上に魔法で飛ばしたから⋯⋯』

「そうですか⋯⋯」

『今から戻すな』

「出来るんですか?」

『ん?まぁ自分の魔法で飛ばしたからな。ちょっと待ってな』


 鎌のような杖を持って何かを呟くと骨さんの右手にガチャ玉のようなカプセルが現れた。


『儂らには要らないからやるよ』

「ありがとう」


 受け取り開けると綺麗なコインが入っていた。

 ウィンドウを開いて操作して名前を確認した。


《ゴールドコイン》


 成程、だから金色なのか。

 骨さんにお礼を言ってからこの場を去る。

 さて、もう私の心当たりがある場所が無いので空からマナちゃん、地上ではイサちゃんの匂いあるか分からないけど鼻とハムちゃんの能力、癒し要因のハク・クロちゃんだ。


「色々と探しますか」



 ◆



 一方桃改めてムニンは進化でステータスの下がったオレンよりもAGIが速くなった速度で走っていた。

 ムニンの向かっているのは自分のユニークシナリオで見つける事の出来た廃城である。

 あちこちに穴が空いており蜘蛛の巣もありまさに廃城だった。

 そんな中で壁キックを繰り返して登ったりしてショートカットしながら上の方に行った。

 成る可く分かり難い所を探していくのと、廃城の中を全体的に見る事が目的だ。

 ムニンは廃城の中を全て把握している。そもそも把握していないと自分のユニークシナリオに組み込まれていたクエストがクリア出来なかったのだ。

 簡単な鬼ごっこ、捕まったら前のゲームだ。それが簡単では無かったが順調にムニンはクリアして行ったのだ。


「む?本の色が違うな」


 ムニンの、桃の記憶能力はずば抜けて居るようで本の1冊事の色の違いを覚えていたのだ。

 そして色の違う本に手を触れてそれを取ると、壁が動いて道が出来る。


「ビンゴ」


 中に入って道に進んで、進んだ先には3つの赤、青、緑のガチャ玉があった。それと空中に【1つまで】と言うウィンドウ表記があった。


「ふむふむ、何かしらのヒントはあるよね〜」


 ムニンは自分の廃城での記憶を隅から隅まで思い出してヒントを探る。


「残ったステンドグラス」


 廃城で窓ガラスは割れているのが多かったが、1番ガラスが残っている窓ガラスを思い出す。


「確か、青と赤」


 これで緑は省く、だがムニンは更に深堀する。

 これは答えが決まったテストのような物だが、テストよりも難しい。決められた範囲が無いからだ。

 本の並び、変わった本の色の元の色、その全てを思い出す。


「分かった、赤だ」


 今回この道が開く理由になった本の元の色は赤色で、ホコリで見にくいが絨毯は赤色だった事、更にこの元の主だった人であろう人の部屋にある破けた服等の生地の色で赤色が多かったからムニンは赤色を選ぶ。

 中から出てきたのは『プラチナコイン』だった。



 ◆



 方やオレンは正規ルートは普通に長くて時間がかなり掛かり、近道のダンジョンは現在通過不可能の山を登っている。

 登り方は至って簡単で最短距離だ。

 道を無視して上に向かって真っ直ぐ進んでいるのだ。

 時にはメイ作の【弾糸】を利用した加速クナイを使って山の壁に足場を一時的に作ってそれを登っていく。

 糸を使って登って行くには自分の体力が足りない。

 このゲームでの体力はステータスではなくレベルに依存する。

 正確な数値は無いがレベルが上がる程に疲れ難くなるのだ。

 だが、現段階では60メートル12セットで使えなく成程に疲れて、8セットで自分の集中力が低下しているのを感じるレベルだ。

 戦闘での短い糸の使い方なら十分だが移動とはあまり使えない。

 だから節約の為にこのクナイを使っている。普通の投擲専用のクナイでは壁に刺さらない。手裏剣では自分の足を置く為の面積不足、壁面移動は山の途中から使えなくなる仕様になっているので無理だ。


 そして、オレンは登り切り、頂上には1つのカプセルがあった。

 開くと『プラチナコイン』だった。



 他のプレイヤー達も探索イベントを行い、そして終了となった。


 結果

 モフリ、アイアンコイン×1、ゴールドコイン×2、ダイアコイン×1


 ムニン、ダイアコイン×2、プラチナコイン×2


 オレン、ブロンズコイン×1. 、シルバーコイン×1、プラチナコイン×1


 セカイ、リアルの関係状参加出来なかった。モフリからプラチナコインを貰っている。プラチナコイン×1


 サエ、ブロンズコイン×3、アイアンコイン×1


 メイ、ブロンズコイン×1、アイアンコイン×1、シルバーコイン×1、ゴールドコイン×1、ダイアコイン×1、プラチナコイン×1、全種集める為にレア度の高いコインとレア度の低いコインと交換した時があった。

 理由、イベントの鉱石なら何かしらの新たな物が作れるかも!回答、イベントコインは特定の使用方法以外には使えない。



 ◆



 A「今回のイベントは割と速く終わったな」

 C「せやなー」

 B「なあなあ何時の間に俺達の会議のやり方が変わった?自分の声が反映されているし、前みたいにただの音声だけだったのに一人一人キャラが作られていて名前まで雑にあるし」

 S「内の課が作ってくれたんだよ。分かりやすいだろ?」

 F「私的にはこっちの方が良いですね。なぜ、貴方はSなんですか?Eはどうしましたか?」


 自分の声が普通に反映されるようになったので皆が素の喋り方をしていた。


 G「確かにそれは気になっていた」

 B「どうせかっこいいとかそんなくだらん理由だろ」

 S「よく分かったな」

 A「まじかよ」

 C「てか、上位プレイヤーの獲得コイン等を確認しようぜ!マナスとKもな」

 F「Kは要注意、バグを見せてくれるかも」


 結果を見て運営は一言、


 ABCFGS「うん、Kは普通で周りがおかしいや」


 プラスで上位プレイヤー。目星をきちんと付けれているプレイヤーは『プラチナコイン』を持っていた。


 A「スキルチェックを最後に入れて終わりだな」

 C「そうだな。クラン機能も最終確認しよう」


 そして、運営最高幹部会議は終わった。


 B「Aの嫁って中国サーバー管理運営だっけ?」

 A「あってよ」

 B「もしかしてコレ?」

 A「なんで画像あんだよ」

 B「俺の友達の人が写真送って来てな、なんか知らない男と中良さそうだってさ」

 A「ごめん、後は任せた」


 その後、運営Aの嫁はサプライズ結婚記念日を潰されて本気で拗ねた事は別の話だ。

 嫁と仲のいい男──自分の姉の旦那で実は姉も同行していた。

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