第15話黒巫女召喚士と妖狐と召喚獣の戦闘

 家に帰って品を冷凍庫等にしまってからゲームにログインする。


「ありゃ?」


 私がログインしたら目の前は宿の中だった。

 神社でログアウトすると宿に行くのか、それとも国内でログアウトすると宿の中に入るのか、どちらかだろうか?


 国内探索は辞めて私は国から出て近くの森に向かった。

 今日はハクちゃんとの戦闘訓練をするためだ。

 召喚獣と式神は別物扱いされるので同時に召喚出来る。

 だからその戦い方を色々と考えようと思ったのだ。


召喚サモンイサちゃん。ハクちゃん」

「わん!」

「こん!」


 銀色の毛をした毛玉に黒色の毛をした子犬が現れる。

 今日は毛玉状態で出てきたようだ。

 私はハクちゃんを抱えて抱きしめながらモンスターを探しに森を探索する。


 ガサガサ


「お、なんだなんだ?」


 ピョンっと奥から角が1本生えたウサギが出て来た。


「か、可愛い」

「わん!」「こん!」


 ハクちゃんは毛玉状態から狐状態になってイサちゃんと共に巫女服を噛み引っ張る。


「わ、分かってるよ。モンスターは襲って来るもんね。いくら可愛いても私は心を鬼にして戦うから問題ないよ!」

「ワフ?」

「キュル?」

「そんな疑うような目で見ないでよ!」


 私だてやる時はやる女だよ!


【一角ウサギ】


 相手の名前を見たいと念じるかオートで名前が見えるようになる設定があり、オートに変えておいた。

 なので名前が分かるのだ。


「(ぴょんぴょん)」

「ぐ、かわ、いい。でも、私だって負けないよ!」


 さあ、戦闘開始だ!


「ハクちゃん!イサちゃんに防御バフ、私に攻撃バフをお願い!」

「コーン!」


 ハクちゃんの体から銀色のオーラが出て、そのオーラが私とイサちゃんに移り、私は赤色のオーラにイサちゃんは青色のオーラになって空気に溶け消えるように消える。

 しかし、ステータスのSTRが僅かだが上がっていた。


「イサちゃん挑発!」

「ワオーン!」


 イサちゃんが挑発を発動し、イサちゃんの方向に一角ウサギがぴょんぴょん移動する。

 めっちゃ可愛い。撫でたい抱きしめたい!でもそんな事をすれば私のHPが0になる。


「隙ありだよ!」


 スライスさんを沢山倒して自分の命中率も上がった自身はある。

 一角ウサギにきちんと棒が当たる。

 ぼふっとなって一角ウサギは少し飛んで行く。

 めっちゃ心が痛む。


「イサちゃんは隙を見て一緒に攻撃をお願い!ハクちゃんはイサちゃんに攻撃バフを!」

「わん!」

「こん!」


 賛成の意を貰ってから私は一角に向かって走っていく。

 その時に術式を構築していく。


「妖火!」


 妖術の妖火を生み出してそれを一角ウサギにぶつける。

 ぶつけた箇所にダメージエフェクトが出て来る。

 心が痛いよ。それでも、倒すんだから!


「えいや!」


 私はそのままお祓い棒をスイングさせて一角ウサギを攻撃し、一角ウサギはイサちゃんの方に飛んで行き、イサちゃんはタイミングを見て噛み付く。

 それがトドメとなったのか一角ウサギは消滅する。


「フゥー強敵だった」


《経験値を獲得しました。ドロップアイテム【一角ウサギの角】を獲得しました》


 イサちゃんとハクちゃんのステータスも確認してみる。

 イサちゃんのLvが上がっていた。


 ───────

 子犬Lv2

 名前:イサ

 HP:‭12/12(+2)‬

 MP:5/5

 STR:10

 DEX:10

 VIT:13(+3)

 AGI:7(+2)

 INT:2

 MND:2

 スキル:挑発

 ───────


 イサちゃんはVITが上がりやすいようだ。

 私はイサちゃんを撫でてから応召してからネマちゃんを召喚する。


「にゃん」

「今度はこの構成で試そうね」

「こん」


 と、言ってもハクちゃんは後バフを1回しか使えないので、回復を待つ事にする。

 その間に私は妖火を呼び出して遠隔操作や飛ばす速度を上げる練習をする。

 MPが50残る所まではやるつもりでいる。


《条件を満たしました。スキル:妖術操作Lv1を獲得しました》


 ───────

 スキル:妖術操作Lv1

 内容:妖術の操作性と妖術の速度が向上する

 ───────


「おお!これで少しはマシになるかな?」


 ハクちゃんがバフを3回使えるまで回復を待って森の探索を再開する。


「そろそろ違う国を目指そうかな?あそこだと転生のしかた分かんなかったし」


 いや、冒険者ギルドに行って情報掲示板をきちんと探すか、他のプレイヤーに聞けば分かるかもしれない。

 だけど、他のプレイヤーと話すのは緊張する。

 だって今の私の格好巫女だよ。

 恥ずかしいよ。仮面被っているから顔バレは無いと思うけどね。


「お、あれは⋯⋯蜂?」


 現実では有り得ない大きさの蜂のようなモンスターを見掛けた。


【小毒バチ】


「小毒?小さい威力の毒持ちって事かな?なんか危険そうだし気を付けて相手をしないと。作戦会議だね」

「にゃん?」

「きゅる?」

「まずは私が飛び出る。そして麻痺の札をハチさんに使う。少しは動きを止まらせる事は出来ると思えるからその時にネマちゃんは全力攻撃。麻痺が解けたらすぐに退避して、その後は私がお祓い棒でハチさんをお祓いするから。妖怪とかじゃないだろうけど。ハクちゃんはネマちゃんに攻撃バフをよろしくね」

「にゃん」

「こん」

「さ、初めだよ!」


 私は隠れていた木の裏から飛び出てハチに向かって走る。

 それに気づいたハチがこちらを向いて飛んでくるが右にステップして躱してから麻痺の霊符を貼る。


「解」

「ギュビィビィィ」

「コーン!」

「にゃにゃにゃん!」


 ネマちゃん高速で引っ掻く!

 麻痺によって羽を動かせ無かったハチは落ちるようで良かった。


「麻痺が解けた!ネマちゃんは一旦距離を取って!さあ、お祓い開始だよ!」


 お祓いとゆうなのお祓い棒で殴るだけ。


 私はお祓い棒を振り下ろすが、普通に躱される。

 ハチは私の右側に動いてから突撃してくる。


「いたっ」


 突撃によって転ぶ。

 ハチはそれをチャンスと思って正面から衝突してくる。

 私はお祓い棒を槍のように突き出す。

 それをクルリと躱されたが、構築していた術式を展開する。


「妖火!」

「ギュビィィ」

「ネマちゃん!」


 妖火によって少しダメージを受けて怯んだ所にネマちゃんをが連続引っ掻くを使ってHPを削り切る。


《経験値を獲得しました》

《Lvが7に上がりました》


 ドロップアイテムはなしで、2匹のステータスを確認したところ、Lvは上がって無かった。残念。

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