第8話霊符

 

「えいやぁ!」


 私は上からお祓い棒を振り下ろして狼の1匹のHPを減らし、ネマちゃんがトドメをさす。


「ネマちゃんあと2匹だよ!」

「にゃん!」


 狼2匹が同時に攻めてくる。

 ネマちゃんが狼の懐に潜り混んで狼の腹を爪で切り裂いた。

 お陰で片目を失っている狼のみが迫ってくる。


「ふふん、私は対策済みなのですよ!妖火」


 今更、本当に今更なのだが術式だけを展開しておいて妖火を出すタイミングだけをずらせばいちいち遠隔操作する必要がなく、尚且つきちんとダメージを与えられのだ。


「ガアア」


 残り1匹!


「ネマちゃんジャンプ!」

「にゃ」


 ネマちゃんが跳躍したのに合わせて私はお祓い棒で狼を攻撃し、お祓い棒の上にネマちゃんが乗っかる。

 そのままネマちゃんをお祓い棒で狼に向かって飛ばす。


「ネマちゃんアタック!」

「にゃん!」


 ネマちゃんはタイミングを合わせて引っ掻くをして狼にダメージを与える。


「えい!」


 お祓い棒を槍投げの要領で投げて狼にぶつける。

 これで狼のHPはゼロになった。


 《経験値を獲得しました。ドロップアイテム【ウルフの毛皮】×3【ウルフの爪】×6【ウルフの牙】×2を獲得しました》

 《Lvが4に上がりました》


「おお、一気に2も上がったよ!ネマちゃんは?」


 私はネマちゃんのステータスを確認する。


 ───────

 子猫Lv4

 名前:ネマ

 HP:8/8(+2)

 MP:3/3

 STR:8(+2)

 DEX:1

 VIT:1

 AGI:16(+4)

 INT:2

 MND:2

 スキル:引っ掻く

 内容:小さなダメージを与える

 ───────


「おお!ネマちゃんもLvが4になっている!お揃いだね」

「にゃ〜」


 その後数分森をさまよった後に森を出て、城壁を見つける事が出来た。

 あれは国だろうか?なんの国だろうか?


「ネマちゃん、ちょっと応召するね?」

「にゃ」

「応召」


 私は国に向かって歩く。


「これって名前とか分からないのかな」


 近づくと、ステータスのようなパネルが現れる。


「おお!もしかしてこれって一定の距離に近づけば見えるのかな?あとは、普通に操作できたり⋯⋯した!」


 私は国名等を調べる為に出てきた物をポチポチする。

 国の名前しか分からいと思ったが、名前の下に下矢印があり、そこをタップすると説明が出てきた。


「なぁ!人間の国!」


 私は屍食鬼、完全に敵対視されてしまう。


「インベントリ」


 インベントリを出して、操作して黒狐の仮面を取り出して装備する。

 視界が少し悪くなる。

 この仮面は姿は変えれないがステータスは隠蔽出来る。

 私はサブ職のところを無くして、種族を人間に、黒巫女のスキルを消しておく。

 これで、問題は無い!


「あの〜中に入りたいのですが?」

「ふむ、プレイヤーさんかな?ステータスを見せてもらうよ」


 門番さんはNPCのようだ。

 私は素直にステータスを見せる。


「よし、通ってよし」

「ありがとうございます」


 私は門番さんにお礼を言ってから国の中に入る。

 モンスターを倒した時にゴールドも手に入っているので何か買い物が出来ない物だろうか?

 今の手持ちは320Gなのでカエルとスライムが10、ウルフが300なのだろう。

 店を見るとステータスのパネルのような物が出てきて店の概要が分かるので買取屋さんを探す。


「見つけた」


 私は数分歩いて見つけたので店の中に入り、ドロップアイテムを全て売る。

 中身は省いて合計3000Gになった。


 ほかにも何かないのかと探していく。


「ん?あそこの店沢山並んでるな〜」


 気になったので店の概要を見てみる。


 《職業専門店。自分の職業で使うアイテムが購入出来る》


 もしかしたら黒巫女で使う霊符とか買えるかもしれない。

 私も列に並ぶ。


 45分後


「へい、いらっしゃい」

「何がありますか?」

「お嬢ちゃんはこれだね」


【召喚獣STR強化瓶(極小)】【霊符】【筆】


「Lvによっても変わるぞ」

「なるほど」


 強化は今は置いて置いて、霊符と筆を買っておく。

 霊符は100G、筆は1000G、筆は使用回数100回ある。

 私は3000Gを使って霊符を20枚、筆を1本買っておく。

 あとは、作成するために場所が欲しいので安い宿に向かっていく。


「まあ、私のコールドで泊まれる宿なんてないんだけどね」


 最低1000Gなので諦める。

 私は食事が取れるお店に向かい、MP回復をしてくれる食べ物を頼む。

 100Gを消費した。


「わー美味しそう!」


 ショートケーキを頼んだ。見た目、とても美味しそうだ。

 1口サイズに切ってから口に運ぶ。勿論仮面は取ってない。


「んん〜苦い」


 美味しくない。

 でも、MPは回復している。

 霊符で麻痺を5枚、妖火を5枚作成した。

 MPを回復しながら作成した。

 さて、まずは冒険者ギルドとゆう情報を得られるところに行こうかな?

 そこでパーティ募集していたら入りたいな。


 あ、でも柑ちゃんに気を付けてって言われたっけ。

 私自身人を見極める力は高く無いので辞めておく。

 せめてLvを上げやすいところを見ておきたいな。


 冒険者ギルドには沢山の人がいて、私が入ると『巫女?』『狐?』『ありゃあ女か?』『なんの職業だ?』『コスプレ?』などなど恥ずかしかったのでそそくさと退散して国を出て近くの森に来ている。

 マップがあるのでもう、問題ない。

 マップを逐一確認してなくて森の中をグルグル回っていたなんて事故は起きない。


召喚サモン!イサちゃん!」

「わん!」


 私はイサちゃんを召喚して、抱いて森の中にはいる。

 イサちゃんはモンスターを臭いで少し先のモンスターを見つける事が出来るのでサクサクLvが上げれると思っている。


「わん」

「お、いたのね」


 今は誰も居ないと思っているので仮面は外している。

 やっぱり視界はクリアの方が良い。


「むむ、またウルフか、でも1匹なら行ける!」


 私はケースから麻痺の霊符を1枚取り出して地面に貼って行く。


「イサちゃん挑発!」

「ワオーン」

「グルルがァァァ!」


 ウルフがイサちゃんに向かって走っていく。

 麻痺の霊符の上を通った瞬間に


「解」


 霊符の力を解放してウルフを麻痺させる。


「いやったぁ!作戦大成功!やったよイサちゃん」

「わんわん」


 私は罠作戦が成功した事に嬉しくなってイサちゃんをなでなでしている。


「ガブ」

「え」

「ワン?」


 私の腕にウルフが噛み付いて来た。

 ⋯⋯麻痺の霊符の麻痺の効果10秒だった。モンスターによっては違うかもしれないけど、ウルフは10だった。


「わああ!」

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