〈五〉



 三日も経たないうちに霧界から万騎のがやってきた。てっきり騎馬だと思い込んでいた崙はまたもや見たことのない巨獣に頭の理解が追いつかない。


野牛やぎゅうだ」


 そう説明されたが、今までに見たことのある牛とは全くちがう。肩が小山のように盛りあがりごわつく毛で覆われた気性の荒そうな大きな顔で、ぶわりぶわりと白い息を絶え間なく吐き出していた。

 野牛を連れてきた牙族の仲間は今度は入れ違いに狻猊の群れを連れ、背に乗って関門を出て行く。手を挙げた瓊勾に親しげに返したが、顔はやはり仮面で覆われていた。


「どうしてお面を着けるの?」

「牙族のなかには各地で間諜かんちょうとして潜入する者たちがいる。そういう者はいつどこで誰に顔を見られているか分からないから隠すんだ」

「でも、瓊勾は万騎なのに被っていたよね」

「私たちも泉国のように一応は身分がある。二泉でも高位の者の顔をあまりじろじろと見ては失礼だと言うだろう?それと同じで、重臣になるにつれて人前では面を着けるのが作法というか、礼儀なんだ」

「じゃあ、瓊勾は偉いんだ?」

 言えば笑った。「名ばかりだが仮にも万騎をまとめる立場だ。まあ、私は間諜として働いた経験はないからいちいち隠す必要もない」


 聞けば聞くほど牙族というのは奇妙な集団だった。同時に、心になにか言いようのない思いが沸き立つ。狻猊の毛触りが強烈に思い返された。あれに乗ってどこまでも霧の山々や平原を駆ける一族。こんな国の濁った水を飲まず、将来を決められることもない。孤高で自由で――崙は手首を見た。少しばかり鬱血した痕を残しすでに解放されている。


 見えない枷があるんだ、と瓊勾の後ろに続きながらそう感じた。この息苦しさ、日々を億劫に感じるつまらなさは、それを外さないと楽にはならないのだ。







 崙は万騎と共に埋州へと戻った。州兵に身許が露見してはまずいので面を借りた。瓊勾の操る野牛に一緒に乗せてもらったが、なにせじかに乗っているものだからしりの皮がめくれてしまいひどく痛んだ。瓊勾が見兼ねて早々に鞍敷しきものをあてがってくれた。

「軟弱だな、孩子ぼうず

 万騎はほとんどが男で女は瓊勾を含め数人程度、いかにも傭兵という屈強な兵もいたが、武人には見えないすらりと細身の者も多かった。武器も武具もばらばらで寄せ集めの集団のようだったが皆気心が知れているのか終始軽口を叩きながらの行軍だった。



「見えた。鹿射ろくしゃだ」

 高い位置から俯瞰する街は生まれ育った場所なのに見知らぬ土地に思えた。今はあちこちで黒い煙がたなびいており普段の様相とは違うからかもしれない。


 鹿射の閭門りょもんは開け放たれていた。もう日暮れが近いというのに閉めようとする素振りもない。州軍か郡兵か、扉の下に戈戟ほこを抱えたまま座り込んでいる。こちらが声を掛けて門を通過しても反応しなかった。

「不穏だな」

 瓊勾が呟いた。街は閑散として人気ひとけがない。燃え残った家屋が黒くすすけ、その上から雪が降りけて湿っていた。


 州城に近づくにつれてちらほらと人をみとめた。道のあちらこちらで焚き火を囲った集まりが胡乱うろんな目を向ける。野牛の群れが進んで行くのを黙って見ていたひとりが近づいてきた。

「あんたら、西戎せいじゅうか」

「そうだ」

 瓊勾は手綱を引いた。焼け出されたのか、端を焦がした服の男は泣く寸前の顔をした。

「今すぐ帰ってくれ!」

 その言葉に万騎は皆驚いた。

「……どういうことだ?我々は州牧の要請に応じて来たのだが」

「州牧はだめだ!もうすぐ禁軍が来て鹿射はめちゃくちゃにされる。あんたたちがいたら火に油だ。だから今すぐ帰ってくれ」

 瓊勾はしばらく黙っていたがさらに男に訊いた。

「州牧はいまどこに?」

「知らない。州城に隠れておいでなのでは」

「ここを焼いたのはどこの兵だ?」

 男ははなを啜った。

朝廷おかみの要請を受けたけい州の郡兵だ。不意を突かれて東半分を焼かれた。今はもういないが」

「今はいない……」

「きっと応援を待ってるんだ。州牧は諸州の説得に失敗したんだ。おかげで埋州は罰を受ける」

 男は続けてなにか悪態をついていたが、おもむろに地面に散らばったつぶてを拾い上げた。

「出て行け!これ以上俺たちの土地をめちゃくちゃにしないでくれ!」

 そうして叫んで腕を振った。石が瓊勾の顔に飛んできたが、すんでのところで驤之じょうしの差し出した槍に阻まれる。高い音をさせて跳ね返り、投げた男の足許に散った。

「すまない」

 瓊勾はその男に謝った。「我々の独断で兵を退くことは出来ない。ともかくも州牧にお目通りする。あなたも早く逃げるが良いだろう」

 膝をついた男はついに滂沱ぼうだの涙を流しはじめた。

田圃たんぼがある。畑も、家もある。そう簡単に捨てられるか。生まれたばかりの赤子がおるんだ。ここから逃げれば食わせるのに困る」

「しかし死ぬよりましだろう」

「どこに逃げると言うんだ。鹿射は終わりだ」

 男の仲間か、他の者も憎々しげに万騎を見た。

「俺たちに難民になれと抜かすのか。どんな思いで土を耕してきたと思ってる」

「蛮族らには分からん」

 誰かが吐き捨てるように言い、万騎のひとりが叫んだ。

「無礼にもほどがある!我らを侮辱すればただでは済まんぞ!」

 刃先を向ける。殺気立った空気に崙は思わず瓊勾にしがみついた。

「やめろ!憐れな民をこれ以上傷つけるな。我々の務めはそんなことではない」

 瓊勾は制して男たちに向き直った。

「あなたたちの訴えは心に留め置く。しかし、禁軍が迫っているというならなおのこと避難を勧める。田畑は今は捨ておかねばならないが、死んでは元も子もない」

 会話を切り上げ、手綱を振った。


「崙、前を向け。危ないぞ」

「あの人たちはなんで逃げないの?」

「お前だって、自分の大切なものが壊されたりられたりするのを分かっていて置いていくのは嫌だろう?」

「でも、戦うのは兵士たちでしょ?」

「戦場とは破壊と掠奪りゃくだつの場だ。敵とみなせば殺すし、個人の持ち物なんて尊重されるはずがない。金銀財宝だって見つけた者勝ちだよ」

 なおも瓊勾の腕越しに後ろを振り返った。男たちはまだ汚れた顔で万騎が去って行くのを見つめていた。次いで頭上を向く。鉄面で表情は分からなかったが、落ち込んでいるような気がした。

「瓊勾、だいじょうぶ?」

「なんだいきなり」

 苦笑した調子で返されて内心ほっとする。彼女の元気がないとなんだか自分まで悲しくなってしまう気がして嫌だった。





 やがて一行はそのまま州城の門前まで辿り着いた。こちらは閭門と反対に門扉はぴったり閉ざされて門卒もんばんの姿も無い。


「誰ぞある!牙族は傭兵隊の万騎である!埋州州牧徐楽どのはおられるか!」


 瓊勾が何度か声を張り上げ門扉を叩き、数度めにやっと中で物音がした。

 出てきたのは州府の下官で青白く生気をくして虚ろだった。瓊勾が名乗ると、ああ、と目を泳がせ、ともかくも万騎を招き入れた。

 州城の中も閑散としてまるで死んでしまったかのようだった。瓊勾は兵を庭に残し、選んだ幾人かと奥へ行こうとする。

「瓊勾、ぼくも連れて行って」

「お前は州牧を知っているのだろう?」

「お面ならばれないよ。鹿射がどういう状況なのか知りたいんだ」

 それで共に進み、下官はこちらです、と沈んだ声で言うとそそくさと去ってしまう。広い室内、帷帛たれぎぬの下げられた中から声がした。

「……ああ。牙族の方々。ご来訪頂き感謝申し上げる」

 力なく言った声音は崙と接した時のような威厳溢れるものではなかった。意気消沈して覇気のない様子はただの老人が話しているだけだ。

「徐州牧。我ら万騎なべて五百、契約履行の為まかり越しましてございます。ともかく、どうぞお顔を見せては下さいませんか」

 柔らかく言った瓊勾に、身じろぎする衣擦れがした。

「わざわざ来て頂いたのに恥ずかしいかぎりだ。事態が急変してしまい、もう私には叛乱兵を纏める力が無い」

「なぜそのように言い切ってしまわれるのです?まだ禁軍も来てはいないのに」


 ゆっくりと立ち上がる影が揺らめき、白髪の老爺が姿を現した。瓊勾は胡座あぐらをかいたままゆっくりと見上げて仮面を取った。

「お初にお目にかかります。牙族万騎隊を統率して参りました、瓊勾と申します」

「……かように見目麗しい方が泉外人せんがいびととは。……そちらのお子は?」

 徐楽に目を向けられ、崙はぎくりと頭を垂れた。瓊勾は微笑む。

「お気になさいますな。私の家童こしょうです。それで、徐楽どの。埋州はいったいどのようになっておいででしょうか?」

 徐楽は深く長く息を吐いた。たったひと月ほどの間にひどく老け込んだ気がした。

「……ほんの少し前、あなた方がちょうど泉地入りするかしないかというときに鹿射が桂州から入り込んだ郡兵に急襲された。あれは警告だ。降伏せねば今度は全てを灰燼かいじんに帰すという」

「他州の協力は得られなかったとか」

「……信じられない!あれほど朝廷への抗弁を主張し、共に変革しようと磨きあった州牧たちがいざ決起となって尻込みするとは!」

 徐楽は怒りで声を震わせ卓を平手で叩いた。静まり返った室内に残響がこだまする。

「いま、埋州軍は屈岸くつがんにいる。主力の叛乱民は鹿射の東が焼かれてひとまず根城に戻っているのだ。南から桂州の州軍が出てくるという噂もあり、どうするか相談している」

「桂州の州軍は朝廷側に?」

「桂州は昔から泉主の走狗いぬ。もとから誘うつもりは無かった」

 吐き捨て、憂う眼差しで眉間に皺を寄せた。

「とはいうものの禁軍と桂州軍で挟まれれば数の上では勝ち目もない。南の州が乱に呼応してくれれば、勝算もあったのだが……」

 深く嘆息する姿に瓊勾も静かに息を吐いた。

「降伏という考えはありますか?そういうことなら、我々は手を引きます。契約は不履行です。前金をお返ししましょう。しかし、こちらとてかなりの手間暇をかけて参りました。今後一切、徐楽どのが我々と手を組むことは許されなくなるでしょう。傭兵は信用を重んずる稼業でございますれば」


 どのみち万騎が深沈しんちんの関門を越えて埋州に加勢しに来たことはすでに桂州軍づたいに禁軍に知れていることだろう。このまま帰るとしても万騎も叛乱軍とみなされ命の危険がある。敵に攻撃され損害をこうむる可能性がある以上、契約を途中で反故にした側には今後相応の対応がなされる。


 徐楽は苦悶していたが、いや、と首を振った。

「万騎には、埋州の民を少しでも四泉へ逃がす為に助けて欲しい。禁軍にとっては埋州全土はいまや叛民だ。手当たり次第に誅伐ちゅうばつの手が伸びるだろう。泉主はお若いとはいえ戦に慣れた歴戦の勇士、ことに処罰は苛烈と聞く。容赦はなかろう」

「なぜこれほど早くに禁軍が出てくるのですか」

「国府へ直訴した者がいたからだ」

 崙は思わず徐楽をまじまじと見た。では、父は本当にあのまま泉畿みやこへと逃げ延びたのか。

「阻止されなかったので?」

「したとも。幾度も説得した。息子をさらって脅しもした。しかし効かなんだ」

「子どもを利用するのはいただけませんね」

 徐楽は自嘲するように弱々しく微笑んだ。

「これも人徳の無さゆえか。易々と逃げられた。主が腑抜けなら下官も間抜けであろう。我らに残るのは矜恃きょうじだけだ。私は埋州の苦境を知って欲しかっただけなのに。ただの叛逆者として殺されねばならないとは」

「まだそうと決まったわけではありません。我ら万騎を見くびられては困ります」

「しかし、泉主を討てはしないだろう」

「それはそうですが」

「私は出来ることならあなた方に王宮へ乗り込んで王を殺して欲しい」

 強い口調に無音の間が空いた。徐楽は我に返って目を逸らす。

「……失礼、大仰なことを。しかし、本心でもある。一度定まればどれほど非道であっても、優れていてもその方が死ぬまで王だ。二泉ではここ数代、権を振りかざす国主が泉を治めている。そのせいでご覧の通り、水はどうしようもないほど濁っている」

 大きく息を吐いた。「諦めたくはない。諦めたくはないが、いたずらに仲間を死なせることもない……」

「徐楽どの。たとえ決断出来ないからといって州軍の手綱を離してはあれらはもはやただの暴徒になりますよ」

「……さすが間諜一族の牙族。すべてお見通しのようですな」

 哀愁のなか笑んで頷いた。

「埋州軍は……史進はなんとしても禁軍と戦うと息巻いている。屈岸におもむいているのも有志を増やす為だ。もう止まらない……瓊勾どの。少し、依頼を変えたい。埋州の民を逃がすのを手伝ってもらう前に、史進と会って頂きたい。彼が真っ向から戦うと言うなら止めない。責任は全て取るゆえ、私は屠所としょの羊としてここを動かぬ。どうか万騎のお方々、改めてお願い申し上げる。我が埋州軍に力添えを下さらないか」


 徐楽は瓊勾の前に膝をつき、深々と頭を垂れた。崙は権威ある尊老が若輩に頭を下げるのを初めて見た。


「お止め下さい、徐楽どの。……いいでしょう、我々との契約は生かすという方向でよろしいのですね?たとえ禁軍があなたを殺しても我々はきっちり報酬を頂きます。踏み倒しは出来ませんよ」

「埋州府に牙族の耳目が無いわけない、ということだな。良い。見返りは私が死んだあとの財産でまかなってくれ。――どうか、州軍を」

 可笑おかしげに肩を揺らして笑い、徐楽は頷いた。はじめより生気が戻ったのに、全てを諦め悟りきった表情だった。





 攻めるより守るほうが難しいぞ、と瓊勾の配下が呟いた。それを聞きながら崙は黒髪の揺れる背に問う。

「本当に埋州軍に協力するの?」

「報酬を払うと言っているんだ、最初のとおりにな」

「元が取れる?死人のほうが多くなるよ、きっと」

 言えば驤之に頭を小突かれた。

小鬼こぞうが戦の何たるかも知らずに」

「でも本当のことでしょう?」

「なにも埋州に骨をうずめるつもりは無い。州軍と玉砕するまで戦うこともしない」

「途中で見捨てるってこと?」

 瓊勾は歩みを止めて振り向く。

「州司馬がどう動くつもりか分からないかぎりは最終的な決断は出来ないが、民の避難を最優先に話してみよう。あちらが討ち死に覚悟で頭から突っ込むつもりならついては行けない」

「でも、徐楽さまは州軍を助けてと言った」

「もちろん、できるかぎり助けにはなりたいさ。しかし私たちが無駄死にするような無謀な作戦なら乗れない。そこまで二泉に命を懸けるつもりはないからな」

 万騎はあくまで任務、仕事として手を貸すだけだ。

 そういうわけで、と瓊勾は大きく頷いた。


「ここでお別れだ、崙」


 突然言われ、崙は目を瞬かせた。仮面を剥いで見上げる。

「……もう一度言って?」

「さよならだと言ってる。これ以上お前を連れて歩くことは出来ない。ここから先は戦だ。おそらくお前の家人も逃げてやしきにはいないだろうから、ともかく禁軍が来ないうちに国境まで送り届けてやる」

「……なに言ってるの?」

「さっきの話を聞いていなかったのか?もうすぐここはさらに荒れる。下手をすれば死ぬんだ。守りながら戦うのは大変だ」

「い、嫌だ」

 徐々に意味が分かってきて首を振った。

「どこに行けって?ぼくは逃げないよ。瓊勾と屈岸に行く」

「崙。これは旅行じゃない。私たちは人を殺すために来た。仕事が始まるんだよ、賢いお前なら分かるだろう?」

「無理だよ!ひとりで四泉へ逃げろって言うの?ぼくのことは守らなくていいから側に置いておいてよ」

「だめだ」

 瓊勾は感情のない顔でもはや一切を聞くつもりがないようだった。不覚にも泣きそうになり慌てて俯く。頭に温かな手が乗った。

「…………ぼくはどこに行ってもらない子なのかな」

「勘違いするな。お前を死なせたくないんだ」

 再び見上げると悲しげにしていた。「子供が死ぬのはつらい。見たくない。お願いだから言うことを聞け」

「ぼくはたぶんこれからも役に立つよ?州司馬に会えば分かる」

 言い募ったが瓊勾はやはりただ首を振った。てのひらが離れる。

「お前はきちんと役目を果たした。手伝ってくれてありがとう、崙。明日、万騎のだれかに国境まで送らせる。それまで荷をつくって待っていろ」

 知り合ってから最も優しい声音で彼女は寂しげに微笑んだ。もう崙の言葉には耳を貸さないと決めたのか、そのまま先へと歩んでいく。唖然として見送り、やがてふつふつと沸いた怒りに震えた。思わず手にしていた仮面を勢いよく床に叩きつける。面は割れはしなかったが、悲鳴のような音を立てて転がった。


 ひどくいきどおろしくて悲しかった。瓊勾の言っていることは理解できるがそれでも突然切り捨てられて衝撃を受けた。所詮自分は子どもで、瓊勾たちは自分を仲間とは思っていなかったのだ。悔し涙が出た。


「みてろよ……」


 唇を噛み締めるときびすを返し、怒りに燃えた瞳で走り出した。





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