キャラ紹介:マルギナタ

 エラン・ヴィタール

「むう……」

 リビングにいたアウルは、極めて不満そうな表情でテーブルについていた。テーブルにはマドルと、コクウェと、ドラセナと、シナバリ、フレス、イーリス、そしてバロンがついている。

「(私とマドルだけが巨乳キャラだったはずなのに……いつの間にか序列がどんどん下がって……)」

 恨めしそうに目線を泳がせているのに気付いたバロンが、アウルへ視線を向ける。

「……どうした、アウル?何かあったか?」

「っ……!?い、いえ何も……?」

「……そうか?ならいいが……」

 バロンが引こうとすると、そこにコクウェが加わる。

「きっと〜旦那さんの〜寵愛が〜ほしいですのじゃ〜」

「違います!あなたと違ってきちんと愛してもらっています!そうではなくて……そ、その、胸が……」

「……胸?」

「私以外に胸が大きい娘が増えたのが気に入らないんです!」

「……え?ああ、うん?」

「長らく私のアイデンティティーだったのに!」

「……なんだ、まあ深刻な悩みではあるが大事ではなくて安心したぞ」

「大事です!バロンにとっての唯一要素は1つでも多く確保しておかないと……!」

 と、その瞬間天井から声が響く。

「その話、聞かせてもらっちゃった!」

「……また妙なやつが増えるな……」

 バロンが諦め気味にため息をつくが、なおも声は続く。

「そうその通り!男性向けコンテンツにおいて、おっぱいの大きさはキャラ人気の大きさに直結する!バストが80後半なんて甘えたサイズではよわよわ貧乳女の称号は避けられないのだ!」

 声の主の特定が出来たドラセナは腹痛を催した風に頭を抱え、同じくシナバリは至極楽しそうに頷いている。

「……まあ、そういうフェティシズムの人間も居るだろうな……」

「とうっ!」

 テーブルのど真ん中に着地したのは、豪語した通りドラセナと同等以上の分厚い胸部を備え、ピンク色のツーサイドアップの少女だ。ラフなコートにやたら短いチューブトップを合わせた、破廉恥極まりない格好をしている。……オオミコトほどではないが。

「私の名前はマルギナタ!ドラセナちゃんの義妹だよっ!見た感じ、私が最巨乳です!つよつよおっぱいです!はい、好きに触ってどーぞ!」

「……ふむ、名前はマルギナタ、ドラセナの義理の妹で……まあ、後は今後一緒に過ごす中で少しずつ知っていけばいいか……」

 バロンはもはや怯みもせずに慣れた様子で確認し、デバイスを取り出してアリシアに繋げる。

『なんだ主。妾は今リーズと格ゲー中なのだが』

「……新しい居住者だ。部屋を作ってやってくれ」

『またか……わかった、すぐに準備する』

 デバイスをテーブルの上に置き、バロンはテーブルの上に立つマルギナタを見上げる。嫌でも目に入る、ちらりと見える股間から、彼女が何も穿いていないのがわかる。

「……こんなやつばっかりだ……」

 バロンは若干遠い目になりながら、マルギナタをテーブルから下ろすのだった。

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