☆与太話:もう結果だけ教えろ!ぬるぬる煩悩ドラゴンvsわからせメタルドラゴン

「……ほら、これ以上が欲しかったら……」

「だ、ダメじゃ……朕が快楽に弱いと知っておきながらそんな……」

「……僕の言う事を聞けば、これ以上に気持ちよくなれるぞ……?」

「あ、あぁ……体が勝手に……ぃ」



「んはぁああああッ!」

 オオミコトが大音量で嬌声を上げながら起き上がると、ベッドの隣にバロンが立っていた。

「……なんだ急に……」

「なんじゃ夢かぁ……」

 がっかりしたオオミコトが再び布団を被るが、すぐにまた飛び起きる。

「なんじゃなんじゃあ!?朕の部屋になぜヌシが!夜這いか!?夜這いなのじゃな!よしそうと来れば躊躇など要らぬ、存分に蹂躙するがいい!」

 バロンは腕を組んだまま、ゴミを見るような顔で佇む。

「……アリシアが心配していたぞ、お前が消耗しているふうな声が聞こえたと」

「ぬ、グノーシスがか。朕は単純にエロい夢を見て興奮していただけじゃ、心配をかけて済まぬな」

「……」

「ところでヌシよ、朕に何か頼み事などはないか?」

「……ない。アウルとマザーハーロットにはあってもお前にだけは絶対にない」

「えー」

 オオミコトは何の捻りもなく単純に不服そうな声を漏らす。

「……ところで、どんな夢を見たらあんな寝たままあんな大声で喘げるんだ?」

「ヌシが朕の動きを封じて延々と寸止めしてきたのじゃ」

「……なんだそれは……ひどく損した気分だ」

 バロンが背を向けて立ち去ろうとすると、オオミコトが素早くベッドから飛び出して彼の左手に抱きつく。

「まあまあ、ここは朕のことを慮るに加えて、グノーシスや他の者の心配や気苦労を減らすためにも、朕の性欲をこう……ぱーんと発散させてみんか?」

「……まずはアリシアに報告と謝りに行くぞ」

「うむ、そうじゃな!始源の三王龍として、後輩に迷惑をかけるわけにはゆかぬからな!」

「……ちょっといいか」

「む?」

 バロンは王龍結界たるニルヴァーナをその場で展開しながら、黒鋼へと竜化する。

「むあ!?なんじゃ!?」

「……鉄拳制裁は嫌いだが……お前は一度殴っておくべきだと本能が叫んでいる」

「ちょ、ちょっと待て……!」

 衝撃で吹き飛んだオオミコトも本来の姿に咄嗟に戻る。

「そう来るなら朕じゃって本気で抵抗するのじゃぞ!」

「……いいだろう、そちらの方がより殴りやすい」

「暴力はんたーい!」

 オオミコトがわざとらしく声を上げながら、次々と光の柱を形成し、爆発させる。

「……行くぞ!」

「はーいストップ」

 エリアルの声が響き、そして両者の中間で真の姿を解放したアプカルが現れる。

「もう、ダメですわよ二人とも。殴り愛は禁止ですわ。特に旦那様。たまにオオミコトをぶん殴りたくなるのはわたくしも同じですけれど」

「え」

「でも本気で一応見た目女の子に本編以外で手をあげたら旦那様のイメージガタ落ちですわ」

「……今は王龍本来の姿になってるな」

「ならオッケーですわね、気が済むまでボコボコにしましょう」

 アプカルは淵源の蒼光で刃が作られた鎌を手元に生み出し、黒鋼と揃ってオオミコトへ向く。

「ぎゃあー!?理不尽じゃー!」

 なんだかんだで黒鋼は加減したとか、アプカルは加減なしだったとか、なんとかかんとか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る