キャラ紹介:ゼノビア・キュリオス
エラン・ヴィタール 屋敷
「じゃ、じゃん……どうですか、バロン君……」
客間の巨大なテーブルに、屋敷に住まう一通りのメンツが座しており、そしてその前には、恐らく料理であろう謎の物品が湛えられたプレートが各々置かれている。
「……なるほど……」
バロンが口を開き、視線を向ける。テーブルを挟んで正面に立つ、藍色の長髪を靡かせる少女、ゼノビア・キュリオスに。
「ちょい、ちょいちょい」
左に座っているエリアルがバロンを肘で小突く。
「……どうした」
「いや、これなに」
「……さあな。恐らく料理だろう。うん、きっとそうだ」
と、右側に座っているハチドリが遠慮がちに指で突いてくる。バロンがそちらに向き、ハチドリが口を開く。
「あのぅ……旦那様、せっかくお作り頂いた料理に文句を言うのは非常に忍びないのですが……こ、これは体内に入れると危険な気がします……」
「……君なら大丈夫だ。もしダメなら闘気で滅却すればいい、胃で」
そう言うと、バロンは正面へ向き直る。
「……よし、ゼノビア。とても美味しそうだ、ありがたく頂こう」
スプーンで黒い岩塊のような何かを一口大に掬い、口へ運ぶ。噛むと同時に――
「……うぐ」
なぜか爆発し、だがバロンは少しも噴き出すことなく咀嚼を続ける。
「……うむ、君にしか出来ない素敵な味だ」
「ほんと……!?嬉しい!」
ゼノビアは遠慮がちだが輝くような笑顔を見せて喜ぶ。
「ぐふっ」
と、一番端に座っていたアリシアが崩れる。
「うわーっ!アリシアが急に倒れましたの!?」
その横に座っていたマドルが的確な絶叫を上げ、更にその横に居たフレスが嬉々として料理にがっついていた。ハチドリがその騒ぎを遮るように、ゼノビアへ喋りかける。
「そ、そう言えば!ゼノビアさんはこのお料理に何を使ったりしたんですか?」
ゼノビアは胸の前で両手をもじもじさせつつ言葉を返す。
「えと、えっとね……?ハンバーグを作ってて……美味しいかなって思って、ニトロを……」
「ニトロ……!?」
「ち、違う……よ?ちゃんと強心剤とかで使う……人体に入れても大丈夫な奴だから……」
「私たちだからギャグに出来てる食べ物を作っていらっしゃる!?」
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