与太話:学園パロディ(未遂)
エラン・ヴィタール 屋敷
「先生です!」
「同級生でしょ!」
アウルとメイヴがリビングでテーブルを挟んで激しく言い合っているところへ、エリアルが現れる。
「昼間から大声出して何してるの?」
エリアルの問いにアウルが凄まじい剣幕で顔を向けてくる。
「ちょうどいいところに!エリアル、あなたは学パロするならバロンを先生にした方が良いと思いますよね!?」
メイヴが割り込む。
「待ちなさいよ。エリアル、アンタならわかってくれると信じてるわ」
エリアルが興味深そうに頷く。
「なるほどね。確かに譲れない戦いではあるわね……ま、私は学生のままバロンの秘書になってるからどうとも言い難いけど。そうね、私は通学路でいつも会うサラリーマンのお兄さん、がいいかな」
「第三勢力……!」
アウルが迫真の反応を示し、メイヴも一理あるとばかりに頷く。
「手強いわね……流石はエリアル」
「ふふ、ここは私がリードしているようですね?」
不敵な笑みに、メイヴは警戒を示す。
「どういうことよ?」
「年上の男性、通学路で出会う、進行方向も同じ……これならば、同じ学校で教師をやっていても無理はない……!」
「甘いわね、アウル。学校生活では出会わないからこそ、そいつと一緒に居る時間の特別さが増すのよ……」
二人の謎に白熱した議論を見ながら、エリアルは欠伸をする。
「ふぁふ……バロンに頼んで全部やればいいんじゃないの。まあ屋敷の改造と増築が要るから、アリシアが納得するシチュじゃないとダメだけど」
アウルはそれを聞いているのかいないのか、話を続ける。
「そもそもあなたは、バロンとエッチしたいだけでしょう?それなら相手が生徒でも教師でも同じはずです!」
「それこそ何も理解してないわ。教師と爛れた関係になるのも一興だけど、同級生を捻じ伏せて好き放題するのも背徳感がヤバいでしょ?」
「うぬぬ……!」
「ふん……」
互いに納得せず、次の舌戦が始まる前にエリアルは誰かに連絡してから、その場を離れる。ちょっとしてから、そこにバロンが現れる。
「……」
二人に近づいた瞬間、同時に目線を向けられて思わずバロンは怯む。
「……ど、どうした二人とも……」
にじり寄り、二人はバロンの腕をそれぞれ抱く。
「私のバロンなら、きっと私の意を汲んでくれると信じていますからね……!」
「アンタとは腐れ縁だけど、体の相性は最高でしょ?なら性癖も合致しないと辻褄が合わないわよね?」
二人から発される凄まじい気迫に、バロンは生唾を飲んで返答するのだった。
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