☆キャラ紹介:???・フィーネ
※本編最終盤のネタバレだよ!完結したから読んでから読もう(語彙力低下)!
エラン・ヴィタール 屋敷
「つんつん、つんつん……うふふ♪」
エリアルによく似た蒼い髪の女性が、ベッドで寝ているバロンの横で寝転がりながら、彼の頬を突く。
「……ん……むにゃ……」
「ふふっ、相も変わらず寝起きは弱い人ですわね……」
女性が悪戯っぽく笑うと、バロンは朧気ながら目を開く。
「……エリアル……?」
「違う……とも言えますし、違わない……とも言えますわね。どちらがいいと思われます、私の旦那様?」
「……誰だ」
バロンは飛び起き、警戒感を一気に高めてベッドから即座に離れる。
「……エリアルはどこだ」
部屋の中を確認しても、彼女の姿はない。
「わたくしの中にいますわ」
「……何……?」
女性は布団から体を出し、白一色のネグリジェに身を包んだ、美しい体を見せる。エリアルと比べると随分背が高いようで、立てば恐らく、バロンともそう変わらないだろう。
「本当に忘れているんですのね。ある意味、私たちの目論見は果たせていますけれど」
「……?」
「わたくしの名前は、アプカル・フィーネ。あなたの……王龍アデロバシレウスの番にして、始まりの獣、ですわ♪」
「……まあいい。なんとなく、お前から敵意は見えない。何の用だ」
「何の用……うーん、物語が終わった暇になったから、イチャイチャしようかな、と?」
「……と?と言われてもな……」
「まあよろしいではありませんか♪わたくしとイチャイチャしたからと言って、エリアルを裏切ることにはなりませんわ」
「……」
バロンは警戒を強め、拳すら構える。アプカルはベッドから出て立ち上がり、恐れもなく歩み寄り、優しく拳に触れて下ろさせる。
「ふふ……落ち着くでしょう?アウルも悪くないとは思いますけれど、わたくしの方があなたに合っていますわよね」
「……むう、一概に誰がいいと言うつもりはない。エリアルが一番で、それ以外だ」
「うふふ……それで正解ですわ。わたくしとあなたは、そうなるために人の姿を選んだのですから」
「……」
アプカルが微笑み、翻ってカーテンの隙間から射す日光に紛れて消える。と、エリアルがいつもの寝巻でベッドに寝転んでいた。
「……なんだあいつは」
訝しみつつも、バロンはベッドに戻って布団を被り直し、エリアルを抱き寄せるのだった。
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