与太話:ご都合主義なアレ
エラン・ヴィタール 屋敷
屋敷のリビングで、エリアルとアウルが茶を嗜んでいる。木製のチェアに腰掛け、ゆったりと。
「うん、とても美味しいですね」
アウルが茶を飲んで、優しく呟く。
「シマエナガとかいう超ハイスペック女子がいるからねえ」
エリアルがクッキーを食みながら答える。
「ところでエリアル、私前からずっと気になってたんですが」
「なによ」
「シフルエネルギーは洗脳や催眠、毒物、時間停止や特殊能力を全て無効にしますよね」
「そうね」
「でも私との初戦では、ゴリゴリに発情してましたよね?」
「うっ……まあそうだけど、それと今の話関係あるの?」
「洗脳効いてますやんエリアルさん、って話です」
「違うって。あれはマザーハーロットの影響でしょ。いるだけで勝手に気分が昂るってやつ」
エリアルは手についたクッキーの粉をちり紙で拭き取る。
「つまり、その……あれよ。要はあの時点で何もなくてもムラムラしてたって話。だって聞いてよ、クロザキの方のバロンって全っ然スケベじゃないのよ!?」
「まあ所詮はアルヴァナが作り出した紛い物ですからね……」
「でWorldBにいる方の本物は戦いばっかで全然私のところまで来ないし!会って最初に抱き締められた時点でかなり限界だったと言うか、古代世界来てすぐの時も一旦本編は置いといて一発ヤっちゃおうかと思ってたわ」
「性欲より世界の平和を優先してくれてありがとうございます。それはそれとして、WorldBって屈強な男もたくさん居たじゃないですか。彼らとはしなかったんですか?」
エリアルはその問いに、真剣な表情で返す。
「バロンがどれだけヤバい中毒性あるの知っててそれ聞く?」
「いや、まあ……確かにバロンと一度でもエッチをすると他の男なんて考える必要もないですよね」
「奥手の優男に見えて……ね。あれは男でも堕ちると思うわ」
アウルがまた茶を一口。
「さっきのマザーハーロットの話なんですけど、つまりあなたは何にも先行してバロンとセックスしたいって思ってるってことですか?」
「だってヴァナ・ファキナが私から色々引っこ抜いて生まれちゃったんだから、知識欲か性欲しか残ってないわよ」
「私はそれ以外もバロンとしたいことたくさんありますよ」
「例えば?」
「緊縛視姦トイレトレーニングとか、24時間耐久前戯とか」
「ほぼセックスと変わらないと思うんだけど」
「違いますよ!バロンから冷ややかな目で見られるというのが大切なんじゃないですか!」
「なるほど……?じゃあ、昔の始源世界にいた頃のイチャイチャはどうだったのよ」
「ご存じの通りバロンは求められたことは完璧にしてくれるので。あの人察する能力も異常ですしね」
エリアルが伸びをする。
「いやあ、私たちバロンを見つけられてマジでラッキーね」
「私から奪っておいて何をほざいてるんですか、全く」
その後もなんとなく卑猥な談笑を続けながら、時間が過ぎて行くのだった。
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