キャラ紹介:ミサゴ



 始源世界 Chaos社海上基地

「……」

 灰色がかった茶髪のミディアムを携えた幼女が、ニヒロの執務室でデスクについていた。

 執務室のドアが開き、そこからアルメールが現れる。

「我が友よ、今日の進捗は……っと、今日は君だったか、ミサゴ」

 ミサゴはディスプレイを凝視したまま、平坦な声で返す。

「主に御用の場合はわたくしが聞きましょう。急用ならば、実験場へ直談判に行かれるのがよいかと」

「いやいや、遠慮しておこう。彼は友でもなんでも、目障りなら消すタイプだ。ということは、どうでもいい用事なら君が相手をしてくれる、そう解釈して良いのかな?」

「ご自由に」

 アルメールはソファに身を投げ出す。

「君が仕事以外の事をしているのを、俺は見たことがないんだが、もしかして無趣味?」

「さあ。他人に理解されるものは趣味ではないと、そちらからよく聞いている気がしますね」

「ああ、なるほどね。君が言わんとしていることはよくわかった。まあ仕事と心中するのも悪くないかもな。だがそれで――」

「進展する必要はない。私は人間の雌の姿を取っていても、人間ではない。生物ではない。ここに座り、ニヒロ様とクインエンデ様の代わりを果たす。それだけのために私は生まれた。感情も本能も、理解するつもりは毛頭ない」

「ククク……一周回って美しいな。流石はニヒロが作った兵器だ。だが、君の目的はニヒロの目的とイコールじゃないんだろう?」

「当然。私はあくまでも、ニヒロ様の補佐をするためだけにいる。ニヒロ様の目的を果たすために自ら動くことは、私の存在意義と合致しない」

「全ては所詮道具、ってところか。本質ではあるが、頭でわかっていても、ちゃんと実践するってのは難しい」

「主さえも、仕えるための道具に過ぎない。自分という仮初めの全ても、また同様に」

「達観したつもりでいるのは、かなりリスキーだぜ?」

「これは達観ではない。ただそうあるから、こうしているだけです」

「思考停止か。いや、思考形態が俺たちとは根本的に違うだけか」

「ご自由に」

 会話が終わると、アルメールはただディスプレイを凝視するミサゴを見ていた。

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