キャラ紹介:ラン
セレスティアル・アーク
「ランって何か悩みとか無いの?」
食堂でマレとランが向かい合い、マレがサラダを頬張りながら訊ねる。
「そうだなぁ……やはり、乳と尻が大きすぎて、戦闘どころか普段の生活にも支障が出る、というのが一番だな」
「へぇー。アタシはどっちも小さいからわかんないわ」
「まあ、明人やトラツグミ、アリアも気にかけてくれるから過ごしやすくはあるが。特に、アリアは同じ悩みを持っておったから助かったぞ」
マレがエビフライの刺さったフォークをくるくる回す。
「アタシたちって誰かの作り物じゃない?ランがそこまでボンッキュッボンッってことはつまり、ニヒロが巨乳好きってことになるわよね?」
ランはその言葉に笑む。
「いやいや、奴に限ってそれはあるまい。どうせ、こう作った時の
「ふーん。アタシとゼナはお兄の好みに合わせてクロザキが作ったらしいけどね」
「明人か。やれやれ、奴の低俗な思考にはついて行けんな」
「とか言いながらお兄から貰ったその服いっつも着てるじゃん。ランって結構むっつりスケベだよねー」
マレが冗談めかしてそう言うと、ランは驚きつつも即座に反論する。
「な……!違うぞ!明人のこと憎からずとは思っているがスケベなどと……」
「お兄のこと大事なのは認めるんだ?」
「うぬ!?ち、違う!それも違うぞ!」
「アハハ、ごめんごめん。アタシもどっちかっていうとからかわれる側だからちょっと意地悪しちゃった。うん、お兄のせいで起きた酷いこともあるけど、私たちはお兄がいなかったら今ここに、こうして呑気にご飯なんて食べられなかった。大切なのはもちろんわかるわ」
ランも頷いて同意する。
「でさ、さっき一番の悩みが巨乳なことって言ってたけど、次点は?」
「うむ……。自分で言うのもどうかとは思ったが、僕は少々不憫が過ぎないか?」
「不憫?」
「アオジと合わせてどうも酷い目に遭いがちというか……氷像にされた時や脳内で延々と殺され続けた時は本当に精神がイカれると思ったぞ」
「ま、まあ悪運が強いって言うか……」
「それ以外でも、何もないところで転けたり、フライパンの取っ手が取れたり、瓶の蓋が思ったより固くてぶちまけたり……」
「前者と後者の差が激しすぎない?」
「後はこのキャミソールも、食べかすが谷間に落ちて大変なのだ。だから最近は紙エプロンを胸の上において食べることにしている」
「貧乳がコンプレックスの奴に言ったら憤死しそうね、それ」
「マレはそう言うものはないのか?」
「アタシ?まあ無いわけじゃないけど、お兄がそのままでいいって言うから無理して変えないだけ」
「僕もそうだな。皆がそのままで良いというのなら、このままで良い」
「皆が、じゃなくて、お兄が、でしょ?」
ランはツンとしたあと、微笑んで返す。
「違う。奴のことなど、気にしたこともない」
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