キャラ紹介:アルファリア
蒼空都市 南部未開発地区・廃屋
誰もいないスタッフルームの中で、明人はクッションに腰かけていた。
「ふう……」
ため息をついて、眼前のテーブルの上に放り出されたゲームソフトに目をやる。二、三度視線を往復させたところで、後方から絡み付くようにアルファリアが顔を出してくる。
「うおっ」
それに驚いた明人を逃がさぬよう両手で肩をがっちり掴むと、アルファリアは口を開く。
「そう言えば、同志は普段何をしているんだ?ゲームか?」
「まあ、そうだな。そっちは何してるんだ?」
「我は見ての通りよ」
明人がアルファリアへ視線を向けると、彼女はいつも通りの格好だった。
「何か違うのか?」
「この僅かな違いに気付かぬとは、汝もまだ甘いな」
「えーっと……」
膝立ちしているアルファリアをじっくりと眺めるが、明人は首を傾げる。
「わからん」
「ここだ」
アルファリアが自分の髪を摘まんで毛先を明人に見せる。
「ここを2ミリ切った」
「ええ……」
明人の微妙な反応に、アルファリアはやれやれと首を横に振る。
「はぁ。全く、汝がその程度だったとはな。胸や尻や腰のくびれでしか女を評価できんのか、童貞め」
「そんなん言われても……すみませんでした」
アルファリアが不機嫌になるのを察したのか、明人は先手を打って謝る。
「良い心がけだな。同志として、汝には我の美しさを最も善く知る義務がある故な」
「今でも十分……というか過剰なくらい綺麗だと思うんですけど」
「では汝はソムニウムより我を求めるか?」
「いや……それは……」
「よい。我には全ての美しさを体現する使命がある。今は所詮、消費物としての美しさだけを得ているに過ぎない。汝も、我の体と技の心地よさには心底魅了されただろう?」
「確かにあの短時間であれだけ出したのは初めてだったけどさ……」
アルファリアは相も変わらず余りまくっている袖を口許に当てて笑む。
「ウィンウィンという奴だ。汝が望むのなら、いつでも応じてやろう。なんなら、お互いに普段使わない部分を開発してみるか?」
「なんかさ……」
明人が思案顔で訊ねてくる。
「なんだ?」
「アルファリアって、処女ビッチ感すごくない?」
「……。それは我が、生娘のような瑞々しさを持っているということじゃな?」
「今度試しに俺が責めしていい?」
「す、好きにすればよい。我はどうあっても同志を導いてやろう」
「よっしゃ言質取ったわ。じゃあそういうことで」
明人はテーブルの上のコントローラーを一つアルファリアに手渡す。
「む……」
「たまに息抜きにさ、普通にゲームしようぜ」
「ふん……」
アルファリアは鼻で笑うが、満更でもなさそうに続けて笑む。
「汝は不思議だな。同じ存在から作られたというのに、ソムニウムとは何から何まで違う」
「あー、そうなんかな。自分じゃあんま考えたことないけど」
「汝にはソムニウムへの羨望とは違う、惹き込まれる何かがある。くくっ、奇妙なものじゃ、汝たちは……」
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