第38話 その後
文野達が立花道場の2階に住んで5年経った。子供達も順調に育っている。文野は専業主婦には、ならずパートタイマーで、職場復帰した。と言っても2人目が授かったので週3日出勤で、その内1日は土曜日にして貰った。土曜日出勤の日は修司に、両親に子供を預け集中して伝票チェックを済ませる。翌週に経理担当へ申し送りを済ませて業務終了だ。文野に教わりたいことがあれば平日出勤の日か土曜日の出勤することになる。だが、平日の業務時間内に用は済むらしく土曜日はほとんど一人で出勤になる。営業担当は土曜日の出勤もあるので時々顔を会わせる。「立花さん、お子さんどうしてるの?」「あらお疲れ様です。福島さん今は夫が見てくれてるの」「大丈夫なんだ?」「今のところは」「へぇお父さん頑張ってるねぇ。うちなんて嫁が美容室行ってくるだけでも大変なんだ…」「まぁその内、慣れてくるんですよ?」「そうかねぇ。むりだよ」「そう思っているからですよ。」「自分の子供なqのに苦手だ」「どんなに帰りが遅くても朝御飯を一緒に取るとか、支度を手伝ってあげるとかね。」「やってますよぉ?」「にこにこしてる?それから文句言いながら支度をしたりして無いかしら」「う~ん文句かぁ。ぼやくのはあるかも」「子供ってね、良く見てるのよ?嫌々世話したら分かってしまうのよ?」「はぁ…。疲れているのは確かですよ。もっとゆっくり寝ていたいのにたまには手伝えって嫁に起こされるんですよ。協力のしかたを相談した方が良いかもね。奥様と。」「口で敵わないんですよ」「そこは良く話し合うしかないわよ❗」「夜遅くても朝一緒に過ごすことに意味があるんなら現状で頑張って」「そんな…。」「だって。二人が愛し合ってできた子供でしょう?責任は二人にあるわよね?」「そう言われるとそうなんですよ。それに子供達は可愛いし、嫁だって大好きですよ」「出勤時間が遅い日は毎回叩き起こされるんですよ」「時々は寝かせて欲しいって頼んでみたら?」「喧嘩になりそうで…。」「無理してもあなたが負担になったら意味ないんでしょう?」「うーん自分が頑張ればなんとかなるって思ってたんですけど」「奥様も子供達のために。強いてはお父さんの頑張ってる所を見せるためなのかもね」「僕のため?」「だって夜遅くまで働いて来ても朝一緒にごはん食べたって子供達によいイメージを持たせたいって奥様の考えでしょう?」「そうですね。やはり僕が頑張るしかないですね」「遅番出勤の日は選べるのかしら?」「先方の都合もあるけれど週2日は、遅番いれるのが決まりだし」「社長も家庭優先で、取り組んでる事なのでしょう?」「ええ朝2時間ゆっくりできるのはありがたいんですよ?電車も空いてるしでも帰りが遅いのは一緒だし。出勤時間を完全に早番、遅番に固定するのは?」「ひとつき丸々早番、遅番に固定するんですか?」「無理かなぁ」「営業部のなかで希望聞いてみないとね」「今だって半々になるように考えてくれてるのですぐは無理だと思うんですよ。収入も関係するのでそこも考えないとね」「一番は、妻の理解です。話してみます」福島はスッキリして帰っていった5時30分になり退社準備を始める戸締まりをして外へ出ると車が停まっている「お母さん❗お帰り」「まぁ迎えに来てくれたの?」時々修司は子供達と一緒に迎えに来てくれる鍵を社長宅に返して文野は家族のもとへ帰っていく。
土曜日に一人で出ることは無駄に経費が掛かるからと断っていたのだが経理担当として特別職で、復帰させてくれた。
もう辞めた筈だったのに、麻由子が3歳になり保育園に通うようになるまで待ってくれた。子供達が大きくなったら週3日フルタイムで働けるようになり土曜出勤も減らしていきたいと考えている。修司は相変わらず面倒見のよい先生と人気である。父親としても夫としても優しい、愛情深い。長男京介はもうすぐ6歳来春は小学校へ通う。既に杉山のじじばばからランドセルが贈られている。長女の麻由子は親の影響か世話焼きである。まだ3歳のわりに話が上手でお兄ちゃん大好きで一緒に竹刀を振っている。夏休みの時期にランドセルを持って遊びに来ていた。ひとつき居てくれて、子供達の面倒を見てくれた。文野に職場復帰を進めてくれたのも修司の母親である。立花の両親とも関係は良好で母親二人で大型ショッピングセンター迄出掛けて買い出しをしてくる。余り地元では運転しなかったが修司のところへ行くために運転する機会を増やしたらしい。父親同士は、囲碁をしている。たまに連れだって釣り堀へも出掛けているらしい。
感違いで現れた香月薫は故郷に戻り結婚した。お相手は、隣の部屋に住んでいた木島良平である。香月が契約満了で退職した後、香月母が現れて、スカウトしたのだ。病院の経営に関わるのは無理と断りはしたものの香りの事が気掛かりだったらしい。香月母が強引に連れ帰り、結婚まで話を進めたのは意外だった。が夫の真島教授(香月父)曰く、ぼくの妻は嫌々結婚したわけでもなく、子供達にも好きな相手と一緒になるようにと日頃から口にしている母親だと言う。まもなく第1子が生まれるらしい。
元の嫁ぎ先である高野家では高校生と中学生になった子供達の世話で病気になってる暇はないと言うくらいに子育てと夫の世話に頑張っている紀久子。誠は妻が無理をしないかと心配性を発揮しているらしい。友人の高野咲子からの情報だ。最近は、紀久子も逞しくなって実家の言うこともはね除ける程高野の家を守っているらしい。咲子から何であんなにしっかりしたのか分かんないのよ。でもよい方向に進んでいると思うわ。嬉しそうに、明るい声の咲子と話していても安心が伝わってくる。「良かったですね」素直に憘べる文野であった。
わたしはワタシ のぼり @noborizaka3508
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