第7話順調な付き合い

文野が高野と付き合い始めてふた月がたとうとしている。昼休み、週末に職場近くで花火大会があるらしい。仕事終わりに飲みに行く話で盛り上がっていた

「ねえ、立花さん明日の花火大会行くよね?」同期の井上が声を掛ける「ごめんね。明日は先約があって行けないの」「何でさ、花火だよ🎵楽しいよ」「本当にごめんなさい」「用事がすんだら途中からでも参加すれば良いじゃない?」粘る井上「ちょっと井上、文野が困ってるじゃない」同僚の森山が間に入って無事総務部に戻れた

「大変だったね」半田課長に慰められた「はぁ…。花火大会が決まる前から入ってる予定なのでどうしようもないんです」「大丈夫。私用の方が大事だよ。」「半田課長は参加するんですよね?僕は暇だからさ。でもね今が大事な人もいるでしょう。それで良いと思うよ」「ありがとうございます」「良いって良いって気にしないの。強制じゃないし、パワハラになるよ」と笑い飛ばす その後、外勤の為、半田課長と社を出る

半田課長と文野が外出したので総務部は森山と河野、佐々木が留守番である「でもさ、文野さんデートかな?」「誰と?」「さぁ彼氏いるでしょう?」「どうかなあー毎日時間通り駅で見かけるよ?」「同じ沿線なの柴田さん」「そうなの。私は子供の迎えがあるから寄り道しないのよ。いつも同じ電車で同じ駅で降りるの。少なくとも仕事終わりにデートはしてないと思うわ。」「同じ駅を使ってるならあり得るけれど。」「うーん全然浮いた感じがないのよ🎵」「落ち着きすぎなのよ。同期と思えない」「寺内くんとはどうなったの?」「あれはお母さんに手料理を食べさせてあげたいから協力して欲しいって相談されたそよ。私のレシピも提供したもの」「そうなの?なんだぁ…」「あら私じゃぁ寺内君と釣り合わないってこと?」「そんなこと言ってないわよ」「いい感じなのよ❗️私と寺内君」「本当?」「嘘よ。冗談。彼のお母さんをビックリさせたいって言うから時々一緒に料理してるだけ」「それデートじゃない?」「違う違う。寺内君は料理を習いたいだけ。残念ですが」「ふーん。森山さん迫ったりしないの?」「あのねぇ、寺内君は弟。可愛いい弟よ」「物足りないと思わないの?」「何で?いい友達だよ。」「友達以上は?」「うーんどうだろう‼️」「ただい戻りました。」文野が外勤から戻った「お疲れ様。課長は一緒じゃないの?」「検品所で捕まってる。」「何で?」「明日の花火大会の準備ですって」「あー酒呑みが集まったのね。」佐々木は苦笑してる「半田課長ってお酒強いのかしら?」文野が森山に尋ねた「課長は下戸よ」

「どうして飲み会に?」「雰囲気が好きなんだって」河野が教えてくれた「文野は明日何があるの?」「森山さんそんな事聞かなくても。」佐々木は森山を止める「答えなくていいのよ。文野さん。気にしないで」「デートですよ」「えっ」文野の答に皆が驚く「マジ?」「フフ。みたいなものですね」「何よみたいなものって。文野ちゃんと説明して」「私はいつから皆さんに恋愛事情を報告しなくちゃいけなくなったんですかねぇ?」「中途半端なこと言うからでしょう?」「森山さん、自分の事は自分で考えます。心配しなくて良いですよ。そんなに危なっかしいですか?」「そういう訳じゃないけれど。大人しい人ほど騙されやすいって言うか…。」「お相手はしっかりした方です。ご心配なく」「そうなの?」「はい。明日はそのお母さんと会うんですよ。だからね、花火は諦めたの」「文野さん、そんなにお付き合い進んでいるの?」「進むと言うか、お母さんとご飯に行くだけなのよ」「ご飯に行くなんて超緊張するじゃない?」河野が驚いた「そうね。でも、先にお母さんの方がお友だちになったのよ。そこで息子を紹介されたの」「変わってるわね?」森山が呆れたように呟く」「いい人よ。優しい人」「まぁ、母親は知り合いって面白いわね。安全だねぇ。無茶しないだろうし」「でもさ、いや何でも無いわ」森山が途中で言葉を飲み込んだ「プライベートな事なので」「分かってる。文野が話したくないことをペラペラしゃべったりしないわ」「ありがとう」「何か困ったときはちゃんと相談するのよ。分かってる。森ちゃん同い年と思えない。」「あら、私は2つ上よ」「同期なのに?」「私は他所を辞めて入ったから。」「そうなのね。知らなかったわ」「だからね勝手に先輩風ふかしてたのよ」

翌日、仕事が終わると文野はいつも通り駅に向かう「お疲れ様です」「今度は、一緒に行こうな❗️」「はいお疲れ様です」大半は花火大会と飲み会に参加するのでゆったりしている。

駅の近くで声が掛かる「乗りませんか?」「あら。誠さん」「お疲れ様。この近くで花火大会があるんだって?」「ええうちの職場もみんなでくり出すそうです」「参加しなくて良かったの?」「良くはないかも。でも先約があるのでと断りました。自由参加だから気にしないで良いよと上司にも許可を貰ってます」「母に会う為に?」「咲子さんも大事なお友達ですから」「ご飯は何が良い?」「咲子さんに会わせます」「良いの?」「久しぶりに会えるんですもの。楽しみだわ。」「母も楽しみにしてたよ。今朝出勤するときにも文野さんのお迎えお願いって何度言われた事か」「あらそれはすみませんでした」「文野さんのせいじゃないんだ。気にしないで。」「今日は誠さん抜きなんですか?」「どうだろう僕は誘われてない気がする」「では抜きなんですね」「毎日会ってるからたまには私に譲れと暗に言われてる気がする」「咲子さん、怒らせたら怖いタイプですか?」「フフ。そうかもね。でも母は文野さんの事が大好きなんです。うちは僕しかいないから娘ができたみたいで嬉しくて仕方がないらしい。うまく付き合ってやって下さい」

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