しょっぴんぐしてみた②
「すみませーん」
「はい、どうされましたか?」
「この娘がダンジョン配信を始めるんですけど、良いカメラってありますか?」
三喜ちゃんが声をかけた店員さんは丁寧そうな人だった。
三喜ちゃんが説明すると、はい、ありますよ、と言って案内してくれる。
「パーティでのご使用でしょうか?」
「いえ、この娘のソロです」
「なるほど、では自立型が良いですね。普段はどのような階層、どのようなダンジョンを潜っておりますか?」
「ほら、真白ちゃん?」
「えっと……い…いろんな、ダンジョンの…さ、最下層ですぅ……」
丁寧な店員さんにすごいなぁって思ってたら、三喜ちゃんに答えるよう促された。
どもりながら、何とか答えられた。
「お強いんですねぇ……なら、こちらがおすすめです」
そう言って、15センチくらいの、妖精の形のロボットみたいなのを取り出した。
「こちらはですね、指定した人物を追うタイプのもので、目がカメラになっております。そして、こちらのタブレットを持たせることで、コメントも表示してくれます。設定もシンプルで初めての方も安心して使えるものとなっております」
ほぇ〜……すごいなぁ。
「真白ちゃん、どうする?」
「その………そ、それがおすすめなら……それにします………」
めぅぅ……
いろいろなことを教えてもらって、レジに行く。ぴっ、てすると、値段のところに4000万って出てきた。びっくりしすぎて、逆に声は出なかった。
「真白ちゃん、どうしたの?」
「ふ、ふふふふるえてる………」
「あ、そっか真白ちゃん高い買い物とかしないから…」
そ、そうだよ?た、確かに、たまに素材とか魔石とか売って、この前通帳見たら10桁後半だったけど、感覚は庶民のままなんだよ?4000万以上の機械とか、恐怖の塊だよ…
「じゃあ、真白ちゃん。せっかくだし、このままショッピングしよ?」
「えっ………」
「真白ちゃん。真白ちゃんはね、外に出なさすぎなの。家に、家具が無さすぎるの。物が無さすぎるの」
「で、でも…」
「真白ちゃん。でもじゃないよ。いい?4、5人くらいが住める家でね?部屋全部掃除してるのは偉いよ?でもね、家具が一人分しかなくて、普段使ってないところが素材と魔石を置いているか、何もないっていうのは、大きい家の意味がないんだよ?」
無駄遣いはダメだよ、と諭してくる三喜ちゃん。
いや、そんな置くようなものとかないし、欲しいものもないよ?
「でも…欲しいものとかないし…」
「だから、ショッピングだよ。私知ってるからね?ぬいぐるみ買おうとしてるの」
「な、なんでそれを…!」
「買おっか、真白ちゃん」
「はい…………」
な、何で知ってるの…?三喜ちゃん…
は、恥ずかしぃ…
「えへへぇ………」
ぬいぐるみ、へやいっぱいだぁ
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