しょっぴんぐしてみた①
朝。目が覚めると三喜ちゃんの寝顔が視界をいっぱいにしてた。
三喜ちゃんかわいい。
嗚呼、この後の予定があれでなければ、今頃泣いて喜んでたのに………
抱きついた状態からそっと離れて顔を洗いに行く。
「おはよう、ましろちゃん」
「三喜ちゃんおはよう」
おねむな三喜ちゃんとか、お金取れるって!
「今からご飯作るから、顔洗ってまっててね…!」
「りょーかい」
のそっとベッドから降りて、そのまま洗面台まで歩いて行った三喜ちゃん。
よ〜し!気合を入れて作るぞぉー!!
今日の朝ご飯は目玉焼きとベーコンとサラダ。気合の入れようがないとか言わないでね?
「できたよ、三喜ちゃん」
「わぁ~!もうおいしい!!」
「ふふ、まだ食べてないよ?三喜ちゃん」
真白ちゃんが作ったっていう事実がもうおいしいなんて冗談を言う三喜ちゃん。
抽象的なのは食べられないよ?
「「いただきます(!)」」
「おいしい!すごいおいしいね!え、ほんとにおいしい」
「褒めすぎだよぉ…」
おいしいおいしいって褒め続ける三喜ちゃんに顔を赤くする。
「真白ちゃんすごいおいしいよ?正直三ツ星よりおいしいよ?真白ちゃんフィルター抜きにして」
「何そのフィルター」
面白くてついつい笑っちゃう。
「ふぅ、お腹一杯!!ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
「さて、お出かけの準備しよっか」
「ほ、ほんとにいかなきゃダメ…?」
当たり前でしょ、って言ってわたしを後ろから押して部屋に連れてく三喜ちゃん。
いやだよぉ…おそといきたくないよぉ…
それからちょっとして。
「————うん!完璧!さすが私」
「え、えっと…?」
「やっぱ真白ちゃんはストレートだよね!雪みたいに綺麗な白の長髪はまっすぐ下ろしてこそだし透き通るような白い肌には白と黒のシンプルな色合いの服!この前プレゼントしようとして買った服、タイミング無くして渡せてなかったけど今渡せたから服も本望というもの!少しサイズの大きい黒い無地のTシャツと足首まで伸びた白いスカートは真白ちゃんの儚げな雰囲気をより醸し出してて最高すぎるさらに!実は目が悪い真白ちゃんに白メガネをかけさせることで知的さもアピール!そしてぇ!白のホーボーバックを左肩から右の腰に掛けるううぅぅぅうううう!ッぐっはぁ!かわいい!!!」
めちゃくちゃ早口で息継ぎなしであの文字数しゃべられたことにも驚きだけど、なんで吐血しながら吹き飛んだの?
「だ、大丈夫…!?」
「がふっ、だ、大丈夫だよ真白ちゃん」
血を吐きながら言っても説得力ないよ?三喜ちゃん?
「さ、さぁ!行こうか真白ちゃん!!!」
「う…や、やっぱりやめに………」
「駄々こねない!行くよ!」
そう言って、私の腕を引いて外に出る三喜ちゃん。
「う、太陽が攻撃してくるぅ………」
「なれるから大丈夫よ」
ふぇぇぇ………お目目が痛いよぉ…
おっきいデパートの足元にやってきた。
「ふぇぇ…おっきい…」
エンシェントグランドアースドラゴンより大きいなぁ。
「たしか、攻略者ショップって4階だったよねぇ〜」
そう言って、私の手を握ってエレベーターに向かう三喜ちゃん。
うぅ…み、見られてるぅ…や、やっぱり何か変かなぁ……?ば、場違い、とか……?
「どうしたの真白ちゃん?」
エレベーターに入ると、三喜ちゃんがそう聞いてくる。
「私って…場違いなのかなぁ…?三喜ちゃん…」
「急にどうしたの?ここにくるのに違いも正解もないよ?」
そう言って、私の頭を撫でる三喜ちゃん。
「もしかして、見られてるの気にしてるの?」
「うん…」
「あれは、あー…私って一応有名でしょ?その私と一緒にいるからだよ」
だから大丈夫、と励ましてくれる三喜ちゃん。うぅ……優しぃよぉ………
「ほら!シャキッとしなさい!オドオドしてると、変に疑われるよ?」
「うにゅぅ…」
4階について、エレベーターから降りる。
そのまま、三喜ちゃんの腕にしがみついて歩く。
あ、この先強い人いっぱいだ。
「ここが目的地の攻略者ショップだよ、真白ちゃん。攻略者の必需品が勢揃いのお店だよ」
「ほえぇぇ」
「かわいい……あ、すみませーん」
三喜ちゃんが何かぼそっと呟いたあと、近くにいた店員さんに声をかけた。
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