たすけてみた

 間に合った!!ギリギリ間に合った!!正直ダメかと思ったけど、何とか間に合った!!

 振り下ろされる棍棒を、下から蹴り上げてオーガごと弾き飛ばした。

 三喜ちゃんの方を見る。

 生きてはいる。けど、かなりボロボロ。肋骨はバキバキだし、両腕両足、特に左腕がダメになってる。傷の量も尋常じゃない。


「よくも…私の三喜ちゃんを…」


 怒りに歪んだ顔のオーガを見る。

 お前が、三喜ちゃんをこうしたんだな?

 ぶち殺してやる


「ガアァァァァァァァッ!」


 でっかい声を出しながら、こっちに向かって走ってくる。

 私も、それに合わせて走ってく。

 オーガが、棍棒を私に向かって振り下ろして来る。

 正直、この程度いくら当たったって傷にもならないけど、その自慢の腕力を、そのプライドを粉々にしてやるために、棍棒をあえて殴る。


 ドゴォンッ!!


 衝突音が響き渡る。棍棒は粉々に砕け散り、オーガは衝撃で吹き飛んだ。

 なんとか踏ん張ってこけるのは避けたよう。


「力比べ」


 オーガの前に立つ。掴みかかってきたので掌を逆に掴み返す。

 オーガは大体2メートルくらいなのに対し、私は150センチほど。大きさで見れば大人と子供くらいの差がある。でも、オーガが全力で力を込めて、押し倒そうとしてきても、私はぴくりともしない。

 私は、オーガの手が潰れるくらいの力で握って、少しずつ押し返していく。


「ギャァァァァァァァァァ!!!!」


 ぐしゃっ、て音がして、オーガが大絶叫を上げる。オーガの手を私が握りつぶしたのだ。


「……ふん」


 ぱっと手を離して、オーガを蹴る。

 パァン、て音が鳴って、オーガの上半身が消え去った。


 何をするでもなく、まっすぐ三喜ちゃんの方へ向かった。


「み、三喜ちゃん…!だ、だだだ大丈夫じゃないよね…?これ…!エリクサー…!」


「ちょ、ま、まってンクっ!」


 瓶の口の部分から、何か言おうとした三喜ちゃんに無理矢理飲ませた。

 お、思わず焦って無理矢理だったけど、え、えっちぃ……


「ぷはっ!ま、真白ちゃん!他にもエリクサーってある?!」


「あ、あるよ…?」


「3本ちょうだい!今度何かしてあげるから!」


「は、はい!」


 三喜ちゃんに3本エリクサーを渡すと、倒れてる人たちに飲ませに行った。

 別に、何もなくてもあげるのに。

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