やば
忙しい忙しい。私はギンっていう。小さい頃水禍様に拾われて、それ以来仕えてる。普段水禍様のお世話兼振り回される担当の私も、朝からずっとあっちにほいほいこっちにほいほい。忙しい理由は、水禍様が男を連れ来るから。昨日はその男の家に泊まったんだって。
当主様も『俺は!今から!人生で初めて地位が偉い人になる!』とかって叫んでた。私以外のこの家の人みんな『ワー!』って盛り上がってた。今日も平崎家はおかしいみたい。
お昼。やっと水禍様が帰ってくる。この家の人って、『天才=変人』を証明してくれる人が多いから、連れてくるって言う男の人のことを調べ切れたらしい。そして驚き、何とその人はSNSで話題のファースト・テスタの人らしい。たのしみ。
もし、水禍様の彼氏だったら、私も一緒にもらって欲しい。去年、日本でも一夫多妻と一妻多夫が認められたから。玉の輿玉の輿。あ、でも類は友を呼ぶから、もしかしたら水禍様みたいな人かもしれない……やっぱ無しで。
あ、帰ってくる。玄関行こ。
「やーやー、ただいまー!」
迎えに出たら、人力車に乗った水禍様が居た。人力車を引いてる男の人が、ファースト・テスタの人なんだろう。
車より速いスピードで走ってる。普通に化け物すぎ。
家の目の前近くで足を止めてブレーキをかけてるけど、コンクリート引っ剥がしながらズガガガガガガガって音鳴らしながらは怖すぎる。
「おかえり水禍様。何で人力車?」
「さあ?なんで?たなかっち?」
「ん?しらね」
やば。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます